Unityでゲームを作っていると、ある日こんな状態になりませんか?
「動くけど、コードがぐちゃぐちゃ」「Player.csが長すぎて触るのが怖い」。
実はこれ、Unity初心者の多くが必ず通る道なんです。
私自身も最初は、入力・移動・攻撃・アニメーション・UI更新を1つのスクリプトに全部詰め込む書き方をしていました。
その結果どうなるかというと、
・少し直しただけで別の場所が壊れる
・どこで何をしているか分からない
・「もう触りたくないコード」が完成する
こんな状態になりがちです。
でも安心してください 🙂
この問題は「才能」や「センス」の問題ではありません。
設計の考え方をほんの少し知るだけで、誰でも防げます。
この記事では、Unity初心者でもすぐ実践できる
「責務分離(せきむぶんり)」という考え方を使って、
- なぜスクリプトが肥大化するのか
- どう分ければ破綻しないのか
- 最低限守ればいい分割ルール
を、Input・Logic・Viewというシンプルな3つの役割に絞って解説していきます。
難しいアーキテクチャや理論は出てきません。
「今日から書き方を変えられる」ことだけを大切に進めていきます。
「汚いけど動くコード」から卒業したい方は、ぜひこのまま読み進めてください ✨
結論:Unity初心者は「3つの役割」に分けるだけでいい
結論からお伝えします。
Unity初心者がスクリプト設計でまず意識すべきことは、とてもシンプルです。
「Input・Logic・Viewの3つの役割に分ける」
まずは、これだけで十分です。
よく「設計が大事」「きれいなアーキテクチャを使おう」と言われますが、
初心者の段階でいきなり完璧を目指す必要はありません。
なぜなら、多くのスクリプトが破綻する原因は
「1つのスクリプトに役割が混ざっていること」だからです。
たとえば、こんな状態になっていませんか?
- Updateで入力を取得して
- そのまま移動計算をして
- ついでにアニメーションを切り替えて
- HPを減らしてUIも更新する
これを「役割」で分けて考えるだけで、コードは一気に読みやすく、壊れにくくなります。
イメージとしては、こんな感じです。
- Input:プレイヤーが何をしたかを受け取る人
- Logic:ゲームのルールや計算を担当する人
- View:結果を見た目や音で表現する人
それぞれが「自分の仕事だけをする」ようにすると、
・修正するときに迷わない
・機能追加がしやすい
・後から見返しても理解できる
という状態を作れます。
この記事では、この3つの役割分担を軸にして、
「なぜスクリプトが肥大化するのか」
「どう分ければいいのか」
を、Unity初心者向けに順番に解説していきます。

まずは次に、なぜUnity初心者のスクリプトは肥大化しやすいのかを一緒に整理していきましょう。
なぜUnity初心者のスクリプトは肥大化するのか
「気づいたらPlayer.csが500行を超えていた」
これは本当によくある話です。
しかも厄介なのは、最初は普通に動いていることなんですよね。
だから「何が悪いのか分からないまま」コードだけが増えていきます。
Player.csが「神クラス」になる典型パターン
Unity初心者が書きがちなコードには、ある共通点があります。
- とりあえずPlayer.csを作る
- Updateに処理を書く
- 動いたらOK、そのまま機能を追加する
この流れで進めていくと、Player.csの中にはこんな処理が混ざっていきます。
- キー入力の判定
- 移動やジャンプの計算
- 攻撃処理
- アニメーションの切り替え
- HPの増減
- UIの更新
- 効果音の再生
結果として、
「プレイヤーに関係するもの全部入り」の巨大スクリプトが完成します。
いわゆる「神クラス」と呼ばれる状態ですね。
この状態になると、こんな問題が起きやすくなります。
- 修正したら別の機能が壊れる
- どこを直せばいいか分からない
- 触るのが怖くてコードをコピーし始める
UnityのComponent構造を活かせていない
ここで一度、Unityの仕組みを思い出してみてください。
Unityは「GameObject + Component」という構造で成り立っています。
つまり本来は、機能ごとにコンポーネントを分けてアタッチする設計が前提なんです。
ですが、1つのスクリプトにすべてを書いてしまうと、
このUnityの強みをほとんど活かせていません。
言い換えると、
- 分けられるのに分けていない
- 役割を意識せず足し算している
これが、スクリプトがどんどん肥大化する一番の原因です。

では、この問題をどう解決すればいいのか。
次は、スクリプトを分けるための基本となる考え方を見ていきましょう。
基本概念:責務分離(SoC)と単一責任の原則(SRP)
スクリプトを分けようと思ったとき、
「何を基準に分ければいいのか分からない」と感じる方は多いです。
そこで役立つのが、責務分離(SoC)と単一責任の原則(SRP)という考え方です。
名前は少し難しそうですが、
Unity初心者向けに噛み砕くと、とてもシンプルです 🙂
責務分離とは何か(初心者向けに考える)
責務分離とは、
「関心ごと(役割)ごとにコードを分けよう」という考え方です。
ここでいう「責務」は、難しく考える必要はありません。
たとえば、そのスクリプトについて
「このクラスは何をする人?」と聞かれたときに、
- 1文で答えられる → OK
- 説明が長くなる → 責務が多すぎる
こんなイメージです。
Player.csが肥大化している状態だと、
「入力もするし、移動もするし、UIも更新するし……」と説明が終わりません。
これはつまり、1つのスクリプトが複数の関心ごとを抱えている状態なんですね。
単一責任の原則(SRP)をUnityに当てはめると
単一責任の原則(SRP)は、
「1つのクラスは、1つの理由でのみ変更されるべき」という原則です。
Unityスクリプトに当てはめると、こう考えると分かりやすいです。
- 入力方法が変わったら修正する場所
- 移動速度の計算を変えたいときに修正する場所
- 表示や演出を変えたいときに修正する場所
これらが全部同じスクリプトに入っていると、
変更理由が複数存在することになります。
逆に言えば、
- 入力が変わる → Input系スクリプト
- 計算が変わる → Logic系スクリプト
- 見た目が変わる → View系スクリプト
と分かれていれば、
「どこを直せばいいか」で迷うことがなくなります。
この考え方は、Unityに限らずソフトウェア設計全般で使われているものです。
もう少し踏み込んで学びたい場合は、こちらの記事も参考になります。

次は、この考え方をそのまま使って、
Input・Logic・Viewに分ける具体的な設計を見ていきましょう。
実践:Input / Logic / View に分ける設計例
ここからは、これまで説明してきた考え方をそのまま使って、
実際にどう分ければいいのかを具体的に見ていきます。
難しく考えなくて大丈夫です。
ポイントは「役割を混ぜない」ことだけです。
Input:入力を扱うだけのスクリプト
Inputの役割は、とてもシンプルです。
- キー入力やボタン入力を受け取る
- 入力結果を値として渡す
ここでは、ゲームのルールや結果を決めてはいけません。
たとえば、
- 「今、横入力がどれくらい入っているか」
- 「ジャンプボタンが押されたかどうか」
といった事実だけを扱います。
「この入力でキャラがどう動くか」は、Logic側の仕事です。
Logic:ゲームルール・数値計算を担当する
Logicは、ゲームの中身を決める部分です。
- 移動速度の計算
- ジャンプ力の計算
- HPの増減
- ダメージ処理
ここで大事なのは、
表示や入力に直接触れないことです。
Logicは「値を計算して結果を返す」だけに集中します。
この段階でよくある疑問が、
「定数やステータスはどこに置けばいいの?」というものです。
その答えとしてよく使われるのが、ScriptableObjectです。
データとロジックをきれいに分けたい場合は、
以下の記事も参考になります。
View:見た目・UI・サウンドに専念する
Viewの役割は、結果を表現することです。
- アニメーションの切り替え
- HPバーの更新
- 効果音やエフェクトの再生
ここでは、計算や判断をしません。
Logicから受け取った結果を、
「画面にどう見せるか」だけを考えます。
このように役割を分けるだけで、
「どこに何を書くべきか」が自然と決まるようになります。

次は、この設計を使って、
既存の肥大化したスクリプトをどう分割していくかを解説します。
ScriptableObjectで「さらに壊れにくく」する考え方
Input・Logic・Viewに分けられるようになると、
次に気になってくるのが「数値や設定はどこに置くべきか」という点です。
たとえば、こんな値たちですね。
- 移動速度
- ジャンプ力
- 最大HP
- 攻撃力
これらをLogicの中に直接書いてしまうと、
今度は数値調整のたびにコードを触ることになります。
そこで役立つのが、ScriptableObjectです。
なぜScriptableObjectを使うと壊れにくくなるのか
ScriptableObjectを使う最大のメリットは、
「データ」と「処理」を分離できる点にあります。
Logic側は、
- 「この値を使って計算する」
だけを担当し、
- その値がいくつか
- どこで調整されるか
は、ScriptableObjectに任せます。
これにより、
- コードを触らずに数値調整できる
- 複数キャラで同じデータを共有できる
- バランス調整の事故が減る
といったメリットが生まれます。
最初から無理に使わなくてもOK
ここで大事な注意点があります。
最初からScriptableObjectを使わなくても大丈夫です。
まずは、
- Input / Logic / Viewを分ける
これだけで、スクリプトの見通しは大きく改善します。
そのうえで、
- 数値調整が増えてきた
- 同じ設定を複数で使い回したくなった
こう感じたタイミングで、
ScriptableObjectを導入するくらいがちょうどいいです。

次は、いよいよ実践編として、
既存の肥大化したスクリプトをどう分割していくかを具体的な手順で解説します。
既存の肥大化スクリプトを分割する手順(実践ステップ)
ここからは、すでに存在している肥大化したスクリプトをどう分け直すかを、
初心者でも迷いにくい手順で説明します。
ポイントは、いきなりコードを書き換えないことです。
① 役割を書き出す(コードはまだ触らない)
まずは、今のスクリプトが「何をしているか」を書き出します。
- 入力を取っている処理
- 計算している処理
- 表示・演出している処理
この時点では、正確でなくてOKです。
「これは入力っぽい」「これは見た目だな」くらいの感覚で大丈夫です。
ここで大切なのは、役割が混ざっていることを自覚することです。
② スクリプトを分けて、同じGameObjectに付ける
次に、役割ごとにスクリプトを分けます。
- PlayerInput
- PlayerMovement(Logic)
- PlayerView
といった形で、
すべて同じGameObjectにアタッチしてOKです。
「GameObjectも分けないといけないのでは?」と不安になる方もいますが、
最初は分けなくて問題ありません。
③ 司令塔(Controller)を作る
スクリプトが増えてくると、
それぞれの橋渡しをする役割が必要になります。
そこで、Controller的なクラスを1つ用意します。
- Inputから値を受け取る
- Logicに渡す
- 結果をViewに伝える
「流れを管理するだけ」のスクリプトです。
また、[RequireComponent]を使えば、
必要なコンポーネントが自動で付くため、安全性も上がります。
既存コードを整理・分割する考え方については、
こちらの記事もあわせて読むと理解が深まります。

次は、初心者がやりがちな設計の失敗パターンを整理していきましょう。
初心者がやりがちな失敗と注意点
責務分離を意識し始めると、
今度は「やりすぎてしまう失敗」に陥ることがあります。
ここでは、Unity初心者が特につまずきやすいポイントを整理しておきます。
分けすぎて、逆に分からなくなる
「1クラス1責務」と聞くと、
なんでもかんでも分けたくなる気持ちになります。
ですが、小規模なゲームや学習段階では、
- クラス数が多すぎる
- ファイルを追うだけで疲れる
- 全体像が見えなくなる
といった状態になりがちです。
まずは、
- Input
- Logic
- View
この3分割を基準にして、
本当に困ってから細かく分けるようにしましょう。
いきなり高度なアーキテクチャを導入する
ネットで調べていると、
- MVC
- クリーンアーキテクチャ
- DI(依存性注入)
といった言葉が出てきます。
これらは悪いものではありませんが、
小規模なUnityプロジェクトでは、逆に複雑さを増やすこともあります。
大切なのは、
- 今の規模に合っているか
- 自分が説明できる設計か
という点です。
計算の中で、別の状態を勝手に変えてしまう
もうひとつよくあるのが、
副作用を生む書き方です。
たとえば、
- 計算用の関数なのに、内部でHPを書き換える
- 値を取得するだけのつもりが、状態を更新している
こうしたコードは、
後から見たときに挙動が予測できなくなります。
Logicは「計算して返す」、
Viewは「受け取って表示する」。

この役割を崩さないだけでも、
コードはかなり壊れにくくなります。
これから設計を学びたい人へ(学習の次の一歩)
ここまで読んでいただき、ありがとうございます 🙂
この記事では、 「スクリプトをInput・Logic・Viewに分ける」という Unity初心者がまず身につけるべき設計の土台をお伝えしてきました。
ここまで理解できた方は、正直かなり良いところまで来ています。
この先で多くの人が感じるのが、こんな疑問です。
- 「なぜこの分け方が良いと言えるのか?」
- 「C#的にはどう考えるのが正しいのか?」
- 「もう少し体系的に理解したい」
そう感じ始めたタイミングで、
Unity前提でC#と設計を学べる教材に触れるのはとてもおすすめです。
特に、スクリプト設計に悩み始めた初心者〜初級者の方には、 次の書籍がちょうど良いレベル感です。
Unity 3Dゲーム開発ではじめるC#プログラミング
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この本の良いところは、
- Unityの文脈でC#を説明してくれる
- 「なぜそう書くのか」が省略されていない
- 今回解説したような責務分離の考え方にも自然につながる
という点です。

いきなり難しい設計書や専門書に進むよりも、 「今書いているコードと結びつく理解」が得られるので、 挫折しにくいのも大きなメリットですね。
まとめ
Unity初心者がスクリプト設計でつまずく原因の多くは、
「1つのスクリプトに役割を詰め込みすぎてしまうこと」です。
この記事では、その解決策として、
- Input(入力)
- Logic(計算・ルール)
- View(表示・演出)
という3つの役割に分ける考え方を紹介してきました。
最初から完璧な設計を目指す必要はありません。
まずは、
- 「この処理は入力か?」
- 「これは計算か?」
- 「それとも表示か?」
と、自分に問いかけながらコードを書くことが大切です。
それだけで、
- どこを直せばいいか分かる
- 機能追加が怖くなくなる
- あとから見返しても理解できる
そんなコードに近づいていきます。
「汚いけど動くコード」から卒業するための第一歩として、 ぜひ次のスクリプトから役割を意識して分けることを試してみてください。
きっと、Unityでのゲーム開発が今よりずっと楽になりますよ ✨
参考文献・参考リンク
- Qiita:Unity設計・責務分離に関する実践的な考え方
- Unity公式:ScriptableObjectでゲームデータとロジックを分離する方法
- Zenn:Unity設計と責務分離を初心者向けに解説した記事
- ゆるUnity:SOLID原則(S:単一責任の原則)をUnity視点で解説
- Zenn:関心の分離(SoC)をコード設計から理解する
- Sakai SC 技術資料:関心の分離(Separation of Concerns)とは
- Wikipedia:関心の分離(Separation of Concerns)
よくある質問(FAQ)
- Qどこまでスクリプトを分ければ「やりすぎ」になりますか?
- A
明確な正解はありませんが、
「自分で全体の流れを説明できなくなったら分けすぎ」のサインです。初心者のうちは、
- Input
- Logic
- View
の3分割を基準にして、
「このクラス、何のためにあるんだっけ?」と迷い始めたら、
一度まとめ直すくらいでちょうどいいです。設計は守るためのルールではなく、助けるための道具だと考えてください。
- Q小さいゲームや練習用プロジェクトでも責務分離は必要ですか?
- A
結論から言うと、必須ではありません。
ただし、
- あとで機能を足す予定がある
- 練習でも「書き方」を身につけたい
- 同じコードを別のゲームでも使いたい
こういった場合は、
最初から軽く責務分離を意識しておくと、後がかなり楽になります。「小さいうちは全部OK」ではなく、
「小さいからこそ練習できる」と考えるのがおすすめです。
- QMVCやクリーンアーキテクチャは使わなくていいんですか?
- A
使わなくて大丈夫です 🙂
特にUnity初心者の段階では、
- 仕組みを理解する前に形だけ真似する
- コード量より構造の理解に時間を取られる
といった状態になりやすいです。
今回紹介したInput / Logic / Viewの分離は、
MVCやクリーンアーキテクチャの考え方にも自然につながっています。まずはこのレベルで、
- 役割を混ぜない
- 変更理由を分ける
これができるようになれば、
必要になったときに、より高度な設計もスムーズに理解できます。










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