Unityで個人開発をしているうちは、多少フォルダ構成が雑でも意外と何とかなります。
でも、チーム開発に切り替えた瞬間、こんな悩みが一気に出てきませんか?
- どこに何のファイルがあるのか分からない
- このPrefab、勝手に触っていいのか不安
- 途中参加の人が毎回フォルダ説明から入っている
これらはスキル不足ではなく、フォルダ構成と命名規則が「チーム前提」になっていないことが原因で起きるケースがほとんどです。
Unityはフォルダ構成や命名規則を強制しない分、自由度が高い反面、
ルールを決めないまま人数や期間だけが増えると、プロジェクトは簡単に“触るのが怖い状態”になります。
この記事では、
- チーム開発・中長期運用で破綻しにくいフォルダ構成の考え方
- 最低限決めておくべき命名規則の軸
- よくある失敗例と、その回避ポイント
を中心に解説します。
「この構成が絶対正解」という形を押し付けるのではなく、
なぜそう考えるのか、どういう状況で崩れやすいのかを整理する、実務寄りの記事です。
すでに少し荒れてしまったプロジェクトでも、
「今からでも最低限整えたい」「ルールを決め直したい」という人に、判断の軸として役立つ内容を目指しています。
結論:チーム開発で破綻しないための最重要ポイント
先に結論からお伝えします。
チーム開発におけるフォルダ構成・命名規則で最も大切なのは、
「綺麗さ」や「オシャレさ」ではなく、「迷わなさ」です。
つまり、
- どこに何があるか、名前を見ただけで分かる
- 触っていい範囲・触ると危険な範囲が直感的に伝わる
- 途中参加のメンバーでも、説明なしで把握できる
この状態を作れているかどうかが、プロジェクトが長期的に破綻するかどうかを大きく左右します。
よく「Unityの正しいフォルダ構成」「おすすめの命名規則」を探したくなりますが、
残念ながら、すべてのプロジェクトに当てはまる正解は存在しません。
ただし、
- 最低限守るべき共通ルール
- 多くの現場で実際に問題になるポイント
- 規模が大きくなると破綻しやすい構成
こうした「避けるべき地雷」や「判断の軸」ははっきりしています。
この記事では、
- まず何を揃えれば“事故が起きにくくなる”のか
- どこから先はプロジェクト規模に応じて考えればいいのか
を切り分けて解説していきます。

完璧な設計を目指す必要はありません。
「迷わない」「怖くない」状態を作ること。それがチーム開発における最優先事項です。
なぜフォルダ構成と命名規則が「開発効率そのもの」になるのか
「多少フォルダが散らかっていても、動いているなら問題ないのでは?」
チーム開発を始めたばかりの頃は、こう感じる人も少なくありません。
でも実際には、フォルダ構成と命名規則の乱れは、
じわじわと、しかし確実に開発効率を奪っていきます。
まず起きるのが、探す時間の増加です。
PrefabやScriptを探すたびに、
- 「これ、どのフォルダだったっけ?」
- 「同じような名前のファイルが多すぎる…」
と迷う時間が積み重なります。 1回あたりは数十秒でも、人数×作業回数で見ると、かなりのロスになります。
次に深刻なのが、心理的なブレーキです。
構成や命名が曖昧だと、
- このPrefabを編集して大丈夫か分からない
- 影響範囲が読めず、変更が怖い
- 結果的に「触らない」という選択をしてしまう
こうした状態が生まれます。 これはスキルの問題ではなく、情報が構造として整理されていないことが原因です。
さらに厄介なのが、仕様変更やバグ修正時の影響範囲が見えなくなる点です。
役割が名前から判断できないファイルが増えると、 「この修正でどこが壊れるか分からない」状態になります。 その結果、
- 変更をためらって後回しにする
- 小さな修正のはずが、大きな不具合につながる
といった悪循環に入りがちです。
つまり、フォルダ構成と命名規則は「整理整頓」の話ではありません。
判断を早くし、安心して手を入れるための土台なんです。

次の章では、その土台となる
Unityフォルダ構成の基本思想から整理していきます。
Unityフォルダ構成の基本思想(考え方の土台)
Unityのフォルダ構成について調べると、
「この形が正解」「この構成がおすすめ」といった例をよく見かけます。
ですが、チーム開発を前提に考えるなら、
まず押さえるべきなのは具体例よりも“考え方”です。
なぜなら、プロジェクトの規模・人数・期間によって、
最適なフォルダ構成は必ず変わるからです。
フォルダ構成に正解はないが、NGパターンは存在する
Unityにはフォルダ構成を強制するルールがありません。 そのため、極端な話、どんな構成でも動いてしまいます。
ただし、実務でよく問題になるNGパターンははっきりしています。
- Assets直下に大量のフォルダやファイルが並んでいる
- フォルダ名が抽象的で、中身を開かないと役割が分からない
- 同じ種類のアセットが、あちこちに点在している
この状態になると、「探す」「判断する」「変更する」すべてのコストが跳ね上がります。
「誰が見ても役割が分かる」構成を目指す
チーム開発では、フォルダ構成は自分のためではなく、
他人のために作るものだと考えると判断しやすくなります。
理想は、
フォルダ名・ファイル名を見ただけで8割くらい状況が分かる状態です。
たとえば、
- ここはUI関連が入っていそう
- ここはプレイヤー機能専用っぽい
- ここは外部アセットだから触らない方がよさそう
といった判断が、説明なしでできるかどうかが重要です。
この「名前を見ただけで判断できる」という感覚は、
途中参加のメンバーや、久しぶりに触る自分自身を確実に助けてくれます。

次は、こうした考え方を踏まえたうえで、
フォルダ構成の代表的なパターンを見ていきます。
フォルダ構成パターン別の考え方
ここからは、チーム開発でよく使われる
フォルダ構成の代表的なパターンを整理していきます。
大切なのは「どれが正解か」ではなく、
どの段階・規模で、どの考え方が合いやすいかを理解することです。
種類別フォルダ構成(小〜中規模向け)
Unityを触り始めた人が、まず採用しやすいのが
アセットの種類ごとに分ける構成です。
代表的には、次のような形です。
- Scenes
- Scripts
- Prefabs
- Materials
- Textures
- Audio
この構成は、
- プロジェクト初期
- 人数が少ないチーム
- 機能の境界がまだ曖昧な段階
では、とても扱いやすいのが特徴です。
「どこに何を置くか」で迷いにくく、
Unity初心者が混ざっていても理解しやすいのもメリットです。
ただし、プロジェクトが成長してくると、
- Scriptsフォルダが肥大化する
- 特定機能の関連ファイルが散らばる
といった問題が起きやすくなります。
機能・モジュール別フォルダ構成(中〜大規模向け)
プロジェクトがある程度育ってきたら、
機能単位でまとめる構成を検討するタイミングです。
例えば、
- Player
- Enemy
- UI
- Title
といったフォルダを作り、
その中に Scripts / Prefabs / Materials などをまとめます。
この構成のメリットは、
- 1つの機能に関わるファイルが1か所に集まる
- 影響範囲が把握しやすい
- 分業しやすく、触っていい範囲が明確になる
という点です。
また、機能単位で整理しておくと、
スクリプトの責務も自然と分かれやすくなります。
スクリプト設計とフォルダ構成は密接に関係しています。
責務分離の考え方については、こちらの記事も参考になります。
自作アセットと外部アセットを分離する考え方
チーム開発では、
自分たちで作ったものと、外部アセットを明確に分けることがとても重要です。
よく使われるのが、
- _Project
- ThirdParty
- Plugins
といったフォルダです。
こうしておくことで、
- 外部アセットを誤って編集する事故を防げる
- アップデート時の影響範囲が分かりやすい
- 「触っていい/触らない」が直感的に伝わる
特に、最初から構成が整理されたテンプレート系アセットは、
「良い構成の実例」として非常に参考になります。
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Warriors vs Orcs 2D – Complete Game Template
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次は、フォルダ構成とセットで考えるべき
命名規則のルールについて解説します。
命名規則で「触っていいか怖い」問題をなくす
フォルダ構成を整えても、
命名規則がバラバラだと、チーム開発の不安は残ったままです。
特に多いのが、
- このScript、何をしているのか分からない
- 似た名前のファイルが多くて区別できない
- 変更したらどこに影響するのか想像できない
といった「触っていいか怖い」状態です。
命名規則の目的は「検索性」と「安全性」
命名規則というと、
「見た目を揃えるためのルール」と思われがちですが、本質は違います。
チーム開発における命名規則の目的は、
- 検索しやすくすること
- 不用意な変更を防ぐこと
この2点に集約されます。
例えば Manager.cs のような名前は一見便利ですが、
プロジェクトが進むほど「何のManagerなのか分からない」地雷になります。
代わりに、
- AudioManager
- SaveDataManager
- UIInputManager
のように、
責務が名前から特定できることが重要です。
最低限決めておきたい命名ルール
すべてを厳密に決める必要はありません。
まずは、チーム全体で最低限ここだけは揃えるというラインを決めましょう。
- 英数字のみを使用する(日本語・全角は使わない)
- クラス名・ファイル名は PascalCase
- フォルダ名は複数形で統一(Scripts / Prefabs など)
これだけでも、可読性と安全性は大きく向上します。
接頭辞(Prefix)はいつ使うべきか?
接頭辞は、使いすぎると逆に読みづらくなりますが、
アセット系には非常に効果的です。
例えば、
- T_〇〇(Texture)
- M_〇〇(Material)
- P_〇〇(Prefab)
のようにしておくと、
- 検索結果で一瞬で判別できる
- 差分レビューや整理作業が楽になる
といったメリットがあります。
逆に、Scriptには無理にPrefixを付けず、
名前そのものに役割を含める方が実務では扱いやすいケースが多いです。

次は、こうしたルールを
形骸化させずに運用するためのポイントを見ていきます。
チーム開発で必須の「運用ルール」
フォルダ構成や命名規則は、
決めただけでは意味がありません。
実際のチーム開発では、
「ルールはあるけど守られていない」という状態が一番危険です。
ここでは、構成や命名を形骸化させないための最低限の運用ルールを整理します。
フォルダ・ファイル操作は必ずUnityエディタ内で行う
チーム開発で最も多い事故のひとつが、
エクスプローラー/Finder上での移動・リネームです。
Unityでは、すべてのアセットに .meta ファイルが紐づいています。 エディタ外で操作すると、この対応関係が壊れ、
- 参照切れ
- Prefabのリンク崩壊
- 原因不明のエラー
といったトラブルにつながります。
そのため、
フォルダ作成・移動・リネームは必ずUnityエディタ内で行うことを、
チームの共通ルールとして明文化しておくのがおすすめです。
また、こうした問題はGitなどのバージョン管理と強く関係しています。 UnityプロジェクトをGitで扱う際の注意点については、 以下の記事で詳しく解説しています。
ルールは最初に決めて、後から厳しくしすぎない
もうひとつ重要なのが、
最初から完璧なルールを作ろうとしないことです。
あまりに細かい命名規則やフォルダルールを決めると、
- 覚えきれない
- 守るのが面倒になる
- 結果的に無視される
という状態になりがちです。
おすすめなのは、
- まずは「事故を防ぐ最低限」だけ決める
- プロジェクトの成長に合わせて見直す
というスタンスです。
フォルダ構成も命名規則も、
プロジェクトと一緒に育てていくものだと考えると、
無理なく運用しやすくなります。

次は、実際によく見かける
失敗例と、その回避策を整理していきます。
よくある失敗例と回避策
ここでは、チーム開発のUnityプロジェクトで
実際によく起きる失敗例と、その回避策をまとめます。
どれも「最初は問題なかったけど、途中から地獄になる」パターンなので、
心当たりがあれば早めに手を打つのがおすすめです。
Manager.csが量産される
とりあえず Manager を付けておけばよさそう、という判断は、
ほぼ確実に後で後悔します。
- Managerが何を管理しているのか分からない
- 責務が肥大化しやすい
- 誰が触っていいのか判断できない
回避策としては、
- 役割を名前に含める(AudioManager / InputManager など)
- 管理対象が増えたら分割する前提で設計する
フォルダを細かく分けすぎて迷子になる
整理しようとして、
フォルダ階層を深くしすぎるのもよくある失敗です。
- 1フォルダに1〜2ファイルしかない
- 何階層も掘らないと目的のファイルに辿り着けない
この状態になると、
逆に探すコストが増えてしまいます。
目安としては、
- 1フォルダに3〜5ファイル程度
- それ以上増えたら分割を検討
という感覚が、実務では扱いやすいです。
日本語(全角)ファイル名を使ってしまう
Unity自体は日本語ファイル名を扱えますが、
チーム開発・長期運用ではトラブルの元になりやすいです。
- 外部ツールでエラーになる
- ビルド環境差で問題が出る
- OS依存の不具合が発生する
回避策としてはシンプルで、
英数字のみを使用すると決めておくことです。
1つのシーンを複数人で触ってしまう
巨大なシーンを複数人で編集すると、
Gitのコンフリクトが頻発します。
- 誰かの作業を上書きしてしまう
- マージが地獄になる
回避策としては、
- シーンを機能ごとに分割する
- Additive読み込みを使う
- Prefab単位で作業を分担する
といった方法があります。

次は、プロジェクトウィンドウだけでなく、
シーン内のヒエラルキー整理についても触れていきます。
シーンとヒエラルキー整理も「構成の一部」
ここまでフォルダ構成と命名規則を中心に解説してきましたが、
チーム開発ではシーン内のヒエラルキー整理も同じくらい重要です。
プロジェクトウィンドウが綺麗でも、
ヒエラルキーが無秩序だと、結局「触るのが怖い」状態になります。
ヒエラルキーが荒れると何が起きるか
ヒエラルキーが整理されていないシーンでは、
- どのオブジェクトが何の役割なのか分からない
- 削除・移動していいか判断できない
- 実行中に生成されたオブジェクトで埋もれる
といった問題が起きやすくなります。
特にチーム開発では、
他人が作ったシーンを後から触るケースが多いため、
ヒエラルキーの分かりにくさはそのまま作業ストレスにつながります。
空オブジェクトを使って役割ごとにまとめる
ヒエラルキー整理でまずやっておきたいのが、
コンテナ役の空オブジェクトを用意することです。
例えば、
- @Systems
- World
- UI
- Lights
といった空オブジェクトをルートに置き、
その配下に関連オブジェクトをまとめます。
こうすることで、
- ヒエラルキーを一目で把握できる
- 不要なオブジェクトを誤って触りにくくなる
- 実行中に生成されるオブジェクトも整理しやすい
というメリットがあります。
ヒエラルキー整理を補助するツールを活用する
ヒエラルキーの整理はルールだけでも可能ですが、
補助ツールを使うと運用がかなり楽になります。
特にチーム開発では、「整理しやすい環境」を作っておくことが重要です。
Hierarchy Folders
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Hierarchy Organizer
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こうしたツールを使えば、
ヒエラルキー上で視覚的にグループ分けできるため、
ルールを意識せずとも「自然に整理された状態」を保ちやすくなります。
まとめ:完璧を目指さず「迷わない状態」を作る
チーム開発におけるフォルダ構成や命名規則は、
綺麗に揃えること自体が目的ではありません。
本当に大切なのは、
- どこに何があるか迷わない
- 触っていいかどうか判断できる
- 変更の影響範囲を想像できる
この「安心して作業できる状態」を作ることです。
正解のフォルダ構成や命名規則を探し続けるよりも、
チーム内で一貫したルールを決め、それを守ることの方が、
はるかにプロジェクトを安定させてくれます。
また、
- 最初から完璧を目指さない
- プロジェクトの成長に合わせて見直す
- 「事故を防ぐ最低限」を優先する
この考え方を持っておくと、
フォルダ整理や命名ルールが重荷になりにくくなります。
すでに少し荒れてしまったプロジェクトでも、
今から整えれば十分に立て直せます。
まずは「迷うポイント」を1つ減らすところから、
少しずつ整理していきましょう。
フォルダ構成・命名規則・運用ルールをまとめて見直したい場合は、
以下の記事も参考になります。
参考文献・参考リンク
- Organizing your project(Unity公式・日本語)
- Organizing your project(Unity公式・英語)
- Unityプロジェクトのフォルダ構成について考える(Qiita)
- Unityのフォルダ構成・命名規則の考え方(CEW Games)
- Unityプロジェクトのシーン・フォルダ構成整理メモ(Uhiyama Lab)
- Unity Folder Structure Best Practices(Anchorpoint)
- Unityプロジェクト整理のヒント(ONES)
- Unityプロジェクト構成・設計メモ(Zenn)
- UI Toolkit Naming Conventions(Unity公式ドキュメント)
- Unity Style Guide(GitHub)
- Unity3D Best Practices: Folder Structure & Source Control(LinkedIn)
- How do you organize your Assets folder in Unity?(Reddit)
よくある質問(FAQ)
- Q途中からフォルダ構成を変えても大丈夫?
- A
結論から言うと、大丈夫です。
ただし、一気に全体を変えようとすると混乱が起きやすいため、
- 新しく追加する機能から新ルールを適用する
- 触る予定のある範囲だけ整理する
といった形で、段階的に進めるのがおすすめです。
- Q小規模チームでも命名規則は必要?
- A
人数が少なくても、
期間が長くなるなら必須と考えた方が安全です。特に「数か月後の自分」は、
他人と同じくらいプロジェクトの内容を忘れています。未来の自分のためにも、
最低限の命名ルールは決めておく価値があります。
- Qルールを厳密にしすぎると開発が遅くならない?
- A
その通りで、
厳しすぎるルールは逆効果になることもあります。だからこそ、
- 最初は最低限だけ決める
- 問題が出たらルールを追加する
という運用がおすすめです。
ルールは守るためにあるもので、
縛るためのものではありません。










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