はじめに
Unityでゲームを作っていると、ほぼ確実に必要になるのが「一時停止(ポーズ)」機能ですよね。
プレイヤーがトイレに行ったり、設定を変更したり、ちょっと一息ついたり…。 ポーズは遊びやすさを大きく左右する重要な機能です。
でも、いざ実装しようとするとこんな経験、ありませんか?
Time.timeScale = 0にしたのに Update が普通に動いている- ゲームは止まったのに BGMだけ鳴り続けている
- UIやアニメーションが なぜか動き続ける
実はこれ、Unityの仕様を知らないと必ずハマるポイントなんです。 Unityには「このボタンを押せばゲームが完全に止まる」という万能な仕組みは用意されていません。
つまりポーズ機能は、
「すべてを止める」のではなく、「止めるべきものを正しく制御する」
という設計が必要になります。
この記事では、
Time.timeScaleの正しい仕組み- なぜそれだけでは不十分なのか
- UI・音・アニメーションを含めた実践的なポーズ実装
- 中〜大規模開発でも破綻しない設計の考え方
を、解説していきます。
「とりあえず動いた」ポーズから、
「安心して使える」ポーズ機能へステップアップしたい方は、ぜひ最後まで読んでみてくださいね ✨
1. Unityにおける「ポーズ」の基本的な考え方
まず最初に大事なお話からしますね ☝️ Unityにおける「ポーズ」は、ゲーム全体を一瞬で完全停止する魔法ではありません。
ここを勘違いしたまま実装を進めると、あとで必ず混乱します。
Unityのポーズ実装で押さえるべき本質は、とてもシンプルで、
「Unityは時間の流れを止めるエンジンであって、処理そのものを止めるエンジンではない」
という点です。
つまり、
- 時間の影響を受ける処理
- 時間とは無関係に動く処理
この2つが、最初からはっきり分かれて存在しているんですね。
「止まる処理」と「止まらない処理」が存在する
Unityでは、ゲーム中の処理がすべて同じルールで動いているわけではありません。
代表的な例を挙げると、こんな感じです。
- 止まるもの:物理演算、
Time.deltaTimeを使った移動処理 - 止まらないもの:
Update()自体、UI操作、Time.unscaledDeltaTimeを使った処理
ここでよくある勘違いが、
「Time.timeScale = 0 にしたら Update が呼ばれなくなる」
というものですが、これは完全に誤りです。
Update は、時間が止まっていても毎フレーム必ず呼ばれ続けます。
だからこそ、
- 入力処理が動き続ける
- 条件分岐が実行され続ける
- 意図しない処理がポーズ中も進む
といった現象が起きるんですね。
Update と FixedUpdate の違いを理解することが第一歩
ポーズ実装を正しく理解するためには、 Update と FixedUpdate の役割の違いを避けて通れません。
ここが曖昧なままだと、
- 「なんでこれは止まって、こっちは止まらないの?」
- 「物理だけ止まって挙動がおかしい…」
と、原因不明のバグに見えてしまいます。
この2つの違いについては、こちらの記事でとても丁寧に解説しています👇
この記事を一度読んでおくと、 「ポーズ中に何が止まって、何が止まらないのか」が一気にクリアになりますよ。
ポーズは「状態管理」の問題でもある
もうひとつ大事なのが、 ポーズは時間制御だけの問題ではないという点です。
実際のゲームでは、
- ポーズ中は入力を受け付けない
- 敵AIの思考を止めたい
- 演出やSEは一部だけ動かしたい
といった状態による分岐が必ず発生します。
そのためポーズは、
「今、ゲームはプレイ中なのか?ポーズ中なのか?」
という状態管理(ステート管理)として考える必要があります。

この考え方ができるようになると、 後半で解説する「拡張性の高いポーズ設計」もスッと理解できるようになります 😊
2. Time.timeScaleとは?仕組みと影響範囲を正確に理解しよう
ここからは、Unityでポーズ実装を語るうえで避けて通れない存在、 Time.timeScale について詳しく見ていきましょう。
「ポーズ=Time.timeScaleを0にするもの」 というイメージを持っている方も多いと思いますが、 それは半分正解で、半分不正解です。
Time.timeScaleは「時間の速さ」を決める値
まず大前提として、Time.timeScale は
Unity内の「時間の進み方の倍率」を指定するプロパティ
です。
Time.timeScale = 1.0f→ 通常速度Time.timeScale = 0.5f→ 半分のスピード(スロー演出など)Time.timeScale = 0.0f→ 時間が進まない(ポーズ)
つまり、時間を止めているのではなく、0倍速にしている、 というイメージが一番しっくりきます。
Time.timeScaleの影響を受けるもの
では、Time.timeScale を0にすると、 具体的に何が止まるのでしょうか?
代表的なのは、次のような処理です。
- 物理演算(Rigidbody / Collider)
- FixedUpdate()
- Time.deltaTime を使った移動・処理
たとえば、
transform.Translate(speed * Time.deltaTime)- Rigidbody に力を加える処理
こういった処理は、Time.timeScale = 0 にすると 見事にピタッと止まります。
「お、ちゃんと止まったじゃん!」 と、ここで安心してしまう人がとても多いです 😅
Time.timeScaleの影響を受けないもの(超重要)
ここが最大の落とし穴です。
Time.timeScale はすべての処理に影響するわけではありません。
影響を受けない代表例はこちら。
- Update() メソッド自体
- UI操作(Button / EventSystem)
- Time.unscaledDeltaTime を使った処理
- 一部のアニメーション・Tween
特に重要なのが、もう一度言いますが、
Update() は timeScale が 0 でも毎フレーム呼ばれ続けます
という点です。
なので Update の中に、
- 入力判定
- 状態更新
- 条件分岐による処理
が書かれていると、 ポーズ中でも普通に実行されてしまうんですね。
これが、
- ポーズ中に操作できてしまう
- 内部的な状態だけ進んでしまう
といった「見えないバグ」の正体です。
unscaledDeltaTimeという「別の時間軸」
Unityには、Time.deltaTime とは別に
Time.unscaledDeltaTime
という値が用意されています。
これは、
Time.timeScaleの影響を受けない「リアル時間ベースのdeltaTime」
です。
そのため、
- ポーズ中でも動くUIアニメーション
- フェードイン・フェードアウト
- ポーズメニューの演出
といった処理では、 あえて unscaledDeltaTime を使うケースが多くなります。
この「時間が2系統ある」という考え方を理解すると、 ポーズ設計が一気に楽になりますよ。
Time.timeScaleはシーンを跨いでも保持される
これも実務でよく事故るポイントです。
Time.timeScale の値は、 シーンをロードしても自動では元に戻りません。
つまり、
- ポーズ中にタイトルへ戻る
- 次のシーンをロードする
といった場面で Time.timeScale = 1 に戻し忘れると、
「次のシーンが完全に止まったまま」
という恐ろしい状態になります…。
このあたりの時間管理を含めて、 Time系を体系的に理解したい方は、こちらも参考になります👇
ここまでで、
- なぜ
Time.timeScaleだけでは不十分なのか - なぜ「止まるもの」と「止まらないもの」が出てくるのか
が、かなりクリアになったと思います。

次は、 「じゃあ実際どうやってポーズを作るの?」 という疑問に答えるため、
👉 Time.timeScaleを使った基本的なポーズ実装 を、コード付きで解説していきますね 😊
3. 基本実装:Time.timeScaleを使ったシンプルなポーズ機能
ここからは、いよいよ実装に入っていきます ✨ まずは一番シンプルで、多くの人が最初に採用する Time.timeScale を使ったポーズ実装から作ってみましょう。
この章の目的は、
- 最低限「ポーズ/再開」ができる状態を作る
- 後の改善ポイントを理解しやすくする
という土台作りです。
① PauseManagerスクリプトを作成する
まずはポーズ状態を管理する専用スクリプトを用意します。
プロジェクトウィンドウを右クリックし、 「Create」→「C# Script」 を選んで、
PauseManager
という名前のスクリプトを作成してください。
このスクリプトが、 「今ゲームがポーズ中かどうか」を管理する中枢になります。
② ポーズ状態を管理する変数を用意する
次に、ポーズ中かどうかを判定するための変数を用意します。
基本はとてもシンプルで、 bool を1つ持たせるだけです。
bool isPaused = false;
この変数が、
true→ ポーズ中false→ プレイ中
という状態を表します。
「Time.timeScale を見るんじゃダメなの?」 と思うかもしれませんが、 状態管理用の変数は必ず別に持つのがおすすめです。
理由は、後半の拡張設計でハッキリしてきます 😊
③ ポーズ/再開を切り替えるメソッドを作る
次に、ゲームを止める処理と、再開する処理をそれぞれ用意します。
public void PauseGame()
{
Time.timeScale = 0f;
isPaused = true;
}
public void ResumeGame()
{
Time.timeScale = 1f;
isPaused = false;
}
やっていることはとても単純で、
- ポーズ時:timeScale を 0 にする
- 再開時:timeScale を 1 に戻す
それに合わせて、 isPaused の状態も更新しています。
この2つのメソッドがあれば、 「止める」「戻す」という基本動作は完成です。
④ キー入力でポーズを切り替える
次は、実際にポーズを切り替えるきっかけを作ります。
今回は例として、 Escapeキー を押したらポーズ/再開を切り替えるようにしてみましょう。
void Update()
{
if (Input.GetKeyDown(KeyCode.Escape))
{
if (isPaused)
{
ResumeGame();
}
else
{
PauseGame();
}
}
}
ここで大事なのが、
Updateはポーズ中でも動き続ける
という前提を、あえて利用している点です。
だからこそ、 ポーズ中でもキー入力を受け取って「再開」できるわけですね。
⑤ GameObjectにアタッチする
最後に、このスクリプトをシーンに配置します。
Hierarchyウィンドウを右クリックして、
「Create Empty」
で空のGameObjectを作成し、
GameManager や PauseManager
といった分かりやすい名前を付けましょう。
そこに、作成した PauseManager スクリプトを ドラッグ&ドロップ でアタッチします。
これで、
- Escapeキーでポーズ
- もう一度押すと再開
という最低限のポーズ機能が完成しました 🎉
ただし……ここで終わりではありません。
この状態だと、
- Update内の処理は動き続ける
- BGMやSEは止まらない
- アニメーションが暴れることがある
といった実戦では困る問題がまだ山ほど残っています。

次は、 👉 ポーズ中であることが一目でわかる「UI」の作成 に進んでいきましょう 😊
4. ポーズメニューUIの作成と連携方法
ポーズ機能を実装したら、次に必要になるのが 「今ポーズ中ですよ」とプレイヤーに伝えるUIです。
キー操作だけで止まる仕組みはできましたが、 画面に何も表示されなければ、
- 本当に止まっているのか分からない
- どうやって再開すればいいか迷う
という状態になってしまいます。
ここでは、 ポーズメニュー用のUIを作り、PauseManagerと連携する ところまでを解説します。
① CanvasとPanelを作成する
まずはポーズメニュー用のUIを配置するための土台を作ります。
Hierarchyウィンドウを右クリックして、
「UI」→「Canvas」
を選択してください。
Canvasが作成されたら、その子オブジェクトとして、
「UI」→「Panel」
を追加します。
この Panel が、 ポーズ中に表示されるメニュー全体になります。
② テキストとボタンを配置する
次に、Panelの中に必要なUI要素を配置していきます。
- 「PAUSED」などのテキスト
- 再開用のボタン(Resume)
- 終了用のボタン(Quit)
最低限、このあたりがあれば十分です。
UIの見た目は、 ゲームの印象を大きく左右するポイントなので、
「自分で作るのが大変だな…」 「それっぽいデザインにしたいな…」
と感じたら、 既製のUIアセットを使うのも全然アリですよ。
特に、カジュアルゲーム系のポーズメニューなら、 こちらのアセットはかなり使いやすいです👇
GUI Pro – Casual Game
ボタンやパネルが一式そろっているので、 配置するだけで「ちゃんとしたゲーム感」が出ます 😊
③ ポーズメニューを初期状態で非表示にする
次に、とても重要な設定です。
ポーズメニューは、 ゲーム開始時は表示されていてはいけません。
そのため、Hierarchy上で
ポーズメニュー用の Panel(または Canvas)を非アクティブ
にしておきます。
チェックボックスをオフにするだけでOKです。
④ PauseManagerからUIを制御する
次に、スクリプトからUIを操作できるようにします。
PauseManagerに、 ポーズメニュー用のGameObjectを参照する変数を追加しましょう。
[SerializeField]
GameObject pauseMenuUI;
Inspector上で、 先ほど作成した Panel(または Canvas)を この変数にドラッグ&ドロップします。
そして、ポーズ/再開のメソッドを少しだけ修正します。
public void PauseGame()
{
Time.timeScale = 0f;
isPaused = true;
pauseMenuUI.SetActive(true);
}
public void ResumeGame()
{
Time.timeScale = 1f;
isPaused = false;
pauseMenuUI.SetActive(false);
}
これで、
- ポーズ時にメニュー表示
- 再開時にメニュー非表示
が自動で切り替わるようになりました。
⑤ ボタンとスクリプトを紐付ける
最後に、UIのボタンとスクリプトをつなげます。
Resumeボタンを選択し、 Inspectorの Button コンポーネントにある
On Click()
に、PauseManagerをアタッチします。
そして、関数として
ResumeGame()
を指定してください。
これで、
- Escapeキーでポーズ
- ボタンで再開
という、実用的なポーズメニューが完成です 🎉

ただし、この段階でもまだ完璧ではありません。
次は、👉 「Time.timeScaleだけでは足りない理由」 を、実際に起こりがちなトラブルと一緒に見ていきましょう。
5. Time.timeScaleだけでは足りない理由(よくある落とし穴)
ここまでで、
- Time.timeScale を使ったポーズ切り替え
- ポーズメニューUIの表示・非表示
は一通り実装できました。
「もうこれで完成でしょ?」 と思いたくなるところですが…… 実はここからが本番です 😅
実務や公開レベルのゲームでは、 Time.timeScale だけに頼ったポーズ実装は、 ほぼ確実に問題を引き起こします。
落とし穴① Update内の処理が動き続ける
何度も出てきていますが、 Update() はポーズ中でも止まりません。
たとえば Update の中に、
- プレイヤー入力
- 状態遷移
- フラグの切り替え
が書かれていると、
見た目は止まっているのに、内部の状態だけ進む
という非常に厄介な状態になります。
これが原因で、
- ポーズ解除後に突然ワープする
- 敵の状態が壊れる
といった「再現しづらいバグ」が生まれます。
落とし穴② オーディオが止まらない
Time.timeScale は、
オーディオの再生には影響しません。
そのため、
- BGMが鳴り続ける
- 環境音だけ流れ続ける
といった状態になります。
「ポーズなのに音が鳴っている」という違和感は、 体験としてかなりマイナスです。
落とし穴③ アニメーションが止まらない/止まり方がおかしい
Animator や Tween 系のアニメーションは、
- 設定次第で timeScale の影響を受ける
- 逆に影響を受けないものもある
という、少しややこしい挙動をします。
結果として、
- キャラだけ固まってUIは動いている
- 一部の演出だけ止まらない
といった「チグハグなポーズ」になりがちです。
落とし穴④ Rigidbody再開時の挙動が不自然になる
物理演算を使っているゲームでは、 ポーズ解除時に
- 急に勢いよく動き出す
- 位置がズレる
といった現象が起きることがあります。
これは、
時間が止まっている間に「力」や「状態」が溜まる
ことが原因です。
落とし穴⑤ シーン遷移時のtimeScaleリセット忘れ
これも本当に多いミスです。
ポーズ中にシーンを切り替えた結果、
次のシーンが最初から止まっている
という事故、かなりの確率で一度は経験します…。
Time.timeScale は 自動では元に戻らない という点を、必ず覚えておきましょう。
ここまで読んで、
「じゃあ、どうすればいいの?」 「全部自分で止めるしかないの?」
と思った方、大丈夫です 😊

次の章では、
👉 これらの問題を一つずつ解決する実践テクニック を、具体例付きで解説していきます。
ポーズ実装は、 ここから一気に「プロっぽく」なっていきますよ ✨
6. 各要素を正しく止める実践テクニック
ここからは、前の章で挙げた
- Updateが止まらない問題
- 音が鳴り続ける問題
- アニメーションが制御できない問題
を、ひとつずつ確実に解決していく方法を解説していきます。
「全部まとめて止める」ではなく、 役割ごとに正しく制御するのがポイントです ☝️
6-1. Update内の処理を安全に止める方法
まず最優先で対処すべきなのが、 Updateがポーズ中も動き続ける問題です。
一番シンプルで、かつ事故が少ない方法は、 Updateの冒頭で早期リターンする書き方です。
void Update()
{
if (isPaused) return;
// ここから下に通常時の処理を書く
}
これだけで、
- 入力処理
- 状態更新
- ゲームロジック
を、ポーズ中にまとめて無効化できます。
「Updateが止まらない」というUnityの仕様を、 コード側で正しく受け止めるイメージですね。
規模が大きくなってきたら、
- PauseManager.Instance.IsPaused を参照する
- 共通の基底クラスで制御する
といった設計に進化させるのもおすすめです。
6-2. オーディオを正しく停止・再開する
次は、ポーズ中も鳴り続けてしまう音の問題です。
Unityでは、 Time.timeScale はオーディオに影響しないため、
音は明示的に止める必要があります。
代表的な方法は、次の2つです。
- AudioListener.pause を使う方法
- AudioSource を個別に Pause / UnPause する方法
一括で止めたい場合は、こちらが一番シンプルです。
AudioListener.pause = true; // ポーズ時
AudioListener.pause = false; // 再開時
これだけで、 シーン内のすべての音をまとめて停止できます。
一方で、
- UIのクリック音だけ鳴らしたい
- 環境音は止めたくない
といった場合は、 AudioSource を個別に管理する方法が向いています。
オーディオ制御の基本や考え方については、 こちらの記事もあわせて読むと理解が深まります👇
6-3. アニメーション・Tweenを正しく制御する
最後に、アニメーション周りです。
Animator を使っている場合、 ポーズ時に一番手軽なのは
animator.speed = 0
にする方法です。
animator.speed = 0f; // ポーズ
animator.speed = 1f; // 再開
これで、 キャラクターや演出用アニメーションを 確実に停止できます。
ただし問題になるのが、
- ポーズ中も動かしたいUIアニメーション
- フェード演出やボタンの強調表示
といったケースです。
ここで活躍するのが、 Tween系ライブラリ、特にDOTweenです。
DOTweenでは、
- timeScaleの影響を受けるTween
- 影響を受けないTween
を明確に分けて扱うことができます。
ポーズ中もUIアニメーションを動かしたい場合は、 UpdateTypeをUnscaledに設定するだけでOKです。
実務レベルのポーズ演出を作るなら、 DOTween Proはほぼ必須と言っていい存在です👇
DOTween Pro
ここまでで、
- ロジック
- 音
- アニメーション
を個別に、かつ安全に止める方法が揃いました。

次は、 👉 さらに拡張性の高い「設計としてのポーズ管理」 について解説していきます。
中〜大規模開発を見据えるなら、 ここからが本当に重要です 😊
7. 一歩進んだ設計:拡張性の高いポーズ管理
ここまでの実装で、 「ちゃんと動くポーズ機能」は完成しました。
ただし、ゲームの規模が少し大きくなると、
- スクリプトごとに
isPausedを参照している - PauseManager に処理が集まりすぎる
- 後から機能追加すると破綻しそう
といった設計面の不安が出てきます。
ここでは、 中〜大規模開発でも破綻しにくいポーズ設計を紹介します。
7-1. ポーズは「イベント」として扱う
まず考え方を一段階レベルアップさせましょう。
ポーズは、
「PauseManagerが全部止める」ものではなく、
「ポーズが発生したことを通知するイベント」
として扱うのが理想です。
つまり、
- PauseManager は「今ポーズになったよ」と知らせるだけ
- 各オブジェクトは自分で止まり方を決める
という責務分離を行います。
7-2. インターフェース(IPausable)を使う設計
よく使われる方法が、 ポーズ用インターフェースを定義するやり方です。
public interface IPausable
{
void OnPause();
void OnResume();
}
ポーズが必要なクラスは、 このインターフェースを実装します。
public class EnemyController : MonoBehaviour, IPausable
{
public void OnPause()
{
// AI停止処理
}
public void OnResume()
{
// AI再開処理
}
}
PauseManager 側では、
- IPausable を実装しているオブジェクトを管理
- ポーズ時に一括で OnPause() を呼ぶ
だけで済みます。
これにより、
- 新しい機能を追加しても既存コードを壊しにくい
- 止め方がオブジェクトごとに最適化できる
というメリットがあります。
7-3. イベント駆動(Observerパターン)でさらに柔軟に
もう一段階洗練された方法が、 イベント駆動でポーズを管理する設計です。
PauseManager が、
- ポーズ開始イベント
- ポーズ解除イベント
を発行し、 各オブジェクトがそれを購読します。
この形にすると、
- PauseManager は存在を知らなくていい
- 依存関係が一方向になる
という、かなり強い設計になります。
イベントやActionを使った設計については、 こちらの記事がとても参考になります👇
7-4. シングルトンPauseManagerは「使いどころ」を選ぶ
PauseManager をシングルトンにするのも、 選択肢としてはアリです。
特に、
- 小〜中規模ゲーム
- 個人開発
では、
PauseManager.Instance.IsPaused
を参照するだけで済むのは、とても楽です。
ただし、
- どこからでもアクセスできてしまう
- 責務が肥大化しやすい
というデメリットもあるので、 「便利だから」だけで選ばないのが大切です。
ここまでで、
- 実装としてのポーズ
- 設計としてのポーズ
の両方が見えてきたと思います。

次は、 👉 シーン遷移や外部アセット使用時の注意点 をまとめて確認していきましょう。
ここを押さえておくと、 「なぜか止まる/動かない」事故をほぼ防げますよ 😊
8. シーン遷移・外部アセット使用時の注意点
ポーズ機能が一通り完成しても、 実際のゲームでは「想定外の場面」が必ず出てきます。
特にトラブルが起きやすいのが、
- シーン遷移を伴う場合
- 外部アセットやライブラリを使っている場合
この章では、 実務でよく起きる事故ポイントをまとめて確認していきましょう。
8-1. シーン遷移時は必ずTime.timeScaleをリセットする
何度も触れていますが、 これは本当に重要なので改めて書きます。
Time.timeScale は、
シーンをロードしても自動では元に戻りません
そのため、
- ポーズ中にタイトルへ戻る
- ポーズ中にリトライする
といったケースでは、 次のシーンが最初から止まったままになります。
これを防ぐために、
- シーン遷移前
- シーン開始時(Awake / Start)
のどちらかで、必ず
Time.timeScale = 1f;
を実行するクセをつけましょう。
特にタイトルシーンやリトライ処理では、 「保険」として必ず書くのがおすすめです。
8-2. ポーズ中にシーンを切り替える設計に注意
ポーズメニューには、よく
- 「タイトルへ戻る」
- 「ステージ選択へ」
といったボタンが用意されます。
このとき注意したいのが、
ポーズ解除 → シーン遷移
の順番です。
いきなりシーンをロードするのではなく、
- ポーズを解除する
- timeScaleを1に戻す
- シーンをロードする
という流れを、 必ず1セットにしておきましょう。
これを関数化しておくと、 事故がかなり減ります。
8-3. 外部アセットは「timeScaleの影響」を必ず確認する
外部アセットやライブラリを使っている場合、 もうひとつ気をつけたいのが、
そのアセットが timeScale の影響を受けるかどうか
です。
特に、
- Tween系
- 演出用アニメーション
- UIエフェクト
は、設定によって挙動が大きく変わります。
たとえば DOTween では、
- 通常のTween → timeScaleの影響を受ける
- Unscaled設定 → ポーズ中も動く
と、明確に切り分けられています。
ポーズ中に
- UIだけ動かしたい
- 演出は完全に止めたい
といった要件がある場合は、 どの処理がどの時間軸で動いているかを 必ず意識しましょう。
8-4. ポーズ中の入力処理にも注意する
UIが表示されている間でも、
- ゲーム用の入力
- ショートカットキー
が反応してしまうことがあります。
これを防ぐために、
- ポーズ中は入力処理をスキップする
- UI操作専用の入力だけ通す
といった制御を入れておくと安心です。
特に新Input Systemを使っている場合は、 Action Mapの切り替えを使うと、 かなりスマートに制御できます。
まとめ
ここまで、Unityで「一時停止(ポーズ)」を正しく実装する方法を、 基礎から実践・設計まで順番に解説してきました。
最後に、この記事で特に大切だったポイントを振り返っておきましょう。
Time.timeScale = 0は「万能な停止スイッチ」ではない- Updateは止まらないため、コード側で明示的な制御が必要
- 音・アニメーション・UIは個別に止め方を考える
- ポーズは「時間制御」+「状態管理」の問題
Unityのポーズ実装でつまずく原因の多くは、 「全部まとめて止めようとする」発想にあります。
そうではなく、
「何を止めて、何を止めないのかを設計する」
という視点を持つことで、 バグが減り、拡張もしやすいコードになります。
私自身も、最初は Time.timeScale = 0 だけで済ませて 何度も痛い目を見てきました…😅 でも、仕組みを理解してからは、 ポーズ実装が一気に怖くなくなりました。
この記事の内容をベースにすれば、
- 小規模な個人ゲーム
- UIや演出にこだわった作品
- 後から機能追加する前提のプロジェクト
どれでも安心して使えるポーズ機能が作れるはずです。
ぜひ、ご自身のプロジェクトに合わせて 「ちょうどいい設計」を選んでみてくださいね 😊
よくある質問(FAQ)
- QTime.timeScaleを0にすればゲームは完全に止まりますか?
- A
結論から言うと、完全には止まりません。
Time.timeScale = 0は、- 物理演算
FixedUpdate()Time.deltaTimeを使った処理
を止めるだけで、
Update()自体- UI操作
Time.unscaledDeltaTimeを使った処理
は動き続けます。
そのため、 Update内の処理を自分で止める制御や、 音・アニメーションの個別制御が必要になります。
- Qポーズ中もUIアニメーションだけ動かしたい場合はどうすればいい?
- A
このケースでは、
timeScaleの影響を受けない時間軸を使う
のが基本方針です。
Time.unscaledDeltaTimeを使う- DOTweenなどで Unscaled Update を指定する
といった方法があります。
特に DOTween を使っている場合は、
- ゲーム本体の演出 → 通常のTween
- ポーズUIの演出 → Unscaled Tween
と分けるだけで、 自然なポーズ演出が作れます。
- Q小規模なゲームでもイベント方式やインターフェースは必要?
- A
必須ではありません。
個人制作や小規模ゲームであれば、
- PauseManager + bool管理
- Update冒頭での早期return
だけでも、十分に安定したポーズは作れます。
ただし、
- あとから機能追加する予定がある
- 敵・ギミック・演出が増えそう
という場合は、 早めにイベント駆動やIPausable設計にしておくと、 後でかなり楽になります。
「今はシンプルに、将来は拡張しやすく」 このバランスを意識して選ぶのがおすすめです 😊











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