1. はじめに
Unityでゲーム開発を進めていると、気づかないうちにプロジェクトがどんどん大きくなっていきます。最初は少なかったファイルやフォルダも、スクリプト、画像、サウンド、アニメーションといった素材が積み重なり、やがて「どこに何があるのか分からない!」という状態に陥りがちです。
こうした整理不足は、作業スピードを落とすだけでなく、バグの原因やチーム開発でのトラブルにもつながります。だからこそ、プロジェクト管理の基本は“アセット整理”から始めるのが大切です。
本記事では、フォルダ構成や命名規則といった基礎的な整理術から、不要なアセットの削除方法、さらに作業効率をグッと高めてくれる便利なUnityアセットまで、幅広く解説していきます。 「これからUnityを学び始めた方」も、「チーム開発で管理ルールを整えたい方」も、ぜひ参考にしてみてくださいね。
2. 基本のアセット整理術
2-1. 用途別フォルダを作る
まずはフォルダ構成をきちんと分けることから始めましょう。UnityのAssetsフォルダはすべての素材が入る場所ですが、無造作にファイルを置いてしまうとすぐに混乱してしまいます。 用途ごとに以下のようなフォルダを作っておくのがおすすめです。
- Scripts:C#スクリプト
- Prefabs:プレハブ
- Materials:マテリアル
- Textures または Images:テクスチャや画像
- Scenes:シーンファイル
- Audio:効果音やBGM
- Animations:アニメーションデータ
- Editor:エディター用スクリプト
このようにあらかじめ整理しておけば、後からアセットが増えても迷子になりにくくなります。
2-2. 命名規則の統一
ファイル名やフォルダ名は命名規則をそろえることが大切です。特にチーム開発では「人によって名前の付け方がバラバラ」という状況を避けるだけで効率が大きく変わります。 おすすめは CamelCase(単語の頭を大文字にする書き方)です。
例としては、次のような名前付けが分かりやすいです。
- スクリプト名:PlayerController.cs、EnemyAIController.cs
- プレハブ名:PlayerCharacter.prefab
- マテリアル名:PlayerSkin.mat
- シーン名:MainMenuScene.unity
- オーディオ:BackgroundMusic.wav

また、スペースを入れないことも重要です。コマンドラインツールや一部スクリプトでは、スペースがあるとエラーの原因になることがあります。
2-3. 不要なアセットの削除
「使っていないけど残っているアセット」は、容量を圧迫したりビルドサイズを大きくする原因になります。 削除前に右クリックメニューから「Find References In Scene」を実行し、本当に使われていないか確認すると安心です。
おすすめアセット:vFolders 2
フォルダを整理するときにもっと便利にしてくれるのが vFolders 2 です。 Unityエディタのプロジェクトビューでフォルダに色やアイコンを付けられるので、一目で目的のフォルダを探せます。大量のアセットを扱う方にとって、作業効率がグンと上がるおすすめツールです。
3. チーム開発で役立つ整理術
3-1. サードパーティアセットと自作アセットを分ける
Asset Storeから購入したアセットと、自分やチームで作成したアセットを同じ場所に置いてしまうと混乱の原因になります。 「ThirdParty」フォルダなどを用意して分けておけば、アップデート時に修正部分を見つけやすくなり、プロジェクトの安全性も高まります。
3-2. フォルダ構成と命名規則を文書化する
フォルダの使い方や命名ルールはスタイルガイドとしてまとめ、チーム全体で共有しましょう。 文書化されていれば、新しく参加したメンバーも迷うことなく開発に加われます。
3-3. .metaファイルを必ずバージョン管理に含める
Unityではすべてのアセットに対して.metaファイルが生成されます。 これにはインポート設定や参照情報が含まれており、チーム全体で同じ結果を得るために必須です。Gitなどのバージョン管理には必ず含めるようにしましょう。
おすすめアセット:vHierarchy 2
チーム開発ではヒエラルキーがごちゃごちゃしがち。そこで便利なのが vHierarchy 2 です。 ヒエラルキー上のオブジェクトを色分け・アイコン表示・グループ化できるので、誰が見ても直感的に理解できる構造に整理できます。

特に複数人で同じシーンを編集する場合、作業効率とミス防止に大きく貢献してくれます。
4. 作業効率をさらに高める便利ツール
ここからは、プロジェクト整理をさらに一歩進めて、Unityエディタでの作業効率を高めてくれるツールを紹介します。 大規模な開発だけでなく、個人プロジェクトでも「これがあると快適!」と感じるアセットばかりです。
4-1. よく使うアセットへのアクセス効率化
大量のフォルダやアセットの中から、毎回よく使うファイルを探すのは手間ですよね。 そんなときに便利なのが vFavorites 2 です。 頻繁に使うアセットやフォルダをブックマーク登録できるので、ワンクリックでアクセス可能。特に大規模なプロジェクトでは作業時間の節約につながります。
4-2. インスペクタの使いやすさ改善
複数のオブジェクトを同時に編集したいときや、インスペクタをカスタマイズしたいときにおすすめなのが vInspector 2 です。 Unity標準のインスペクタを拡張し、一括編集・比較・カスタム表示が可能になります。細かい調整を頻繁に行う開発者にとっては、必須レベルの効率化ツールです。
4-3. タブ管理で複数ビューを快適に
シーン、ゲームビュー、インスペクタなど、Unityでは複数のウィンドウを開きながら作業しますが、画面がごちゃごちゃしがちです。 そんなときに役立つのが vTabs 2。 複数のエディタウィンドウをタブ化して切り替えられるので、作業スペースをすっきり保てます。

効率と見やすさが両立する、便利な補助アセットです。
5. 標準化を維持するためのベストプラクティス
一度整理したプロジェクトも、開発を続けていくうちに再び乱れてしまうことがあります。 そこで大切なのは標準化を維持する仕組みを作っておくことです。ここでは長期的にきれいな状態を保つためのベストプラクティスを紹介します。
5-1. プリセットの活用
Unityのプリセット機能を使えば、コンポーネントやアセットの設定をテンプレート化できます。 新しい素材を追加するときも、自動的に同じ設定を適用できるので、チーム全体で一貫した品質を保てます。
5-2. コーディング規約とテンプレート
スクリプトに関しても、命名規則・名前空間・コメントの書き方をチームで統一することが重要です。 さらに Assets/ScriptTemplates フォルダを利用して、自分たち専用のスクリプトテンプレートを用意すれば、新しいコードもルールに沿って自動生成できます。
5-3. PrefabとAdditiveシーン分割
1つの大きなシーンにすべてを詰め込むのは避けましょう。 Prefabに分割したり、シーンをLoadSceneMode.Additiveで読み込む仕組みにすれば、バージョン管理の競合も減らせます。 チームメンバーが同時に作業しても衝突が少なくなり、コラボレーションがスムーズになります。
5-4. 空フォルダと.keepファイル
GitやPerforceといったバージョン管理システムは、通常は空のフォルダを無視します。 「将来ここにアセットを入れる予定」という場合は、.keepファイルを配置しておくと、リポジトリに残せて便利です。
さらに詳しい公式ガイドは、Unity公式の「プロジェクト整理方法」 も参考になります。

こうした小さな工夫を積み重ねることで、長期的に見ても整理されたプロジェクトを維持でき、開発効率を常に高い水準で保てます。
6. まとめ
Unityのプロジェクト整理は、ちょっとした工夫で開発効率を大きく変えてくれます。 今回ご紹介したのは、基本から応用まで幅広い整理術でした。
- フォルダを用途ごとに分けて見やすく整理する
- 命名規則をそろえて、誰が見ても分かる構造にする
- 不要なアセットは削除して、軽量なプロジェクトを保つ
- チーム開発ではルールを文書化し、.metaファイルも必ず管理する
- プリセットやテンプレートを活用して標準化を維持する
さらに、便利アセットを組み合わせることで、 エディタ内の作業が一気に快適になり、整理や管理のストレスから解放されます。
おすすめアセット一覧
| アセット名 | 説明 | アセットストアリンク |
|---|---|---|
| vFolders 2 | プロジェクトビュー内のフォルダに色やアイコンを付けられる。フォルダ整理を直感的に。 | ▶ ストアで見る |
| vHierarchy 2 | ヒエラルキー上のオブジェクトを色分けやアイコン表示で整理。チーム開発に最適。 | ▶ ストアで見る |
| vFavorites 2 | よく使うアセットやフォルダをブックマーク登録。すぐにアクセスできて時短に。 | ▶ ストアで見る |
| vInspector 2 | インスペクタを拡張し、一括編集や複数オブジェクトの比較が可能に。調整作業が楽になる。 | ▶ ストアで見る |
| vTabs 2 | 複数のUnityウィンドウをタブ化して整理。画面をすっきり保ち効率的に作業できる。 | ▶ ストアで見る |
初心者の方はまず「vFolders 2」でフォルダ管理を改善することから始めるのがおすすめです。 そこから必要に応じてヒエラルキー整理(vHierarchy 2)、お気に入り登録(vFavorites 2)、インスペクタ拡張(vInspector 2)、タブ管理(vTabs 2)を導入してみてください。

小さな改善の積み重ねが、長期的な開発効率とチームの生産性アップにつながりますよ。
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- 【チーム開発向け】Unityプロジェクトのフォルダ構成と命名規則のベストプラクティス
- Unityで効率的なデータ管理!リスト・辞書の活用法を徹底解説
よくある質問(FAQ)
- Qプロジェクト整理はいつ始めればいいですか?
- A
できるだけ開発初期から取り組むのが理想です。 小規模のうちは気にならなくても、後でアセットが増えると整理が大変になります。最初からフォルダ構成や命名規則を決めておけば、長期的に効率的なプロジェクトを維持できます。
- Q不要なアセットを削除するとエラーが出ることはありますか?
- A
はい、参照されているアセットを削除するとエラーが出る可能性があります。 削除前には必ず右クリックメニューから「Find References In Scene」を実行して、本当に使われていないかを確認しましょう。バックアップを取ってから削除するのも安心です。
- Qチームで整理ルールを徹底するコツはありますか?
- A
文書化されたスタイルガイドを用意し、メンバー全員が参照できるようにするのが効果的です。 さらに、vHierarchy 2 や vFolders 2 のような整理補助アセットを導入すれば、自然とメンバー全員が同じルールで作業できる環境を整えられます。







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