1. はじめに|読みやすいコードがゲーム開発をラクにする
ゲームを作っていると、気づけばスクリプトがどんどん長くなって、「あれ?この処理ってなんだっけ……」と悩んでしまうこと、ありませんか?
特にUnityでの開発では、シーンやオブジェクトが増えていくにつれて、スクリプトの複雑さもどんどん増していきます。
そんなときに大切なのが、「読みやすいコードを書く力」です。
難しいテクニックを使う必要はありません。ちょっとした工夫を取り入れるだけで、スクリプトは見違えるほどスッキリします。
読みやすいコードが書けるようになると、こんなメリットがあります:
- バグを見つけやすくなる
- 後から修正しやすい
- 他の人が見ても理解しやすい(チーム開発でも安心!)
この記事では、Unityでゲームを作り始めたばかりの方に向けて、「どうすればコードが読みやすくなるのか?」を実例付きでやさしく解説します。
読みやすいコードは、未来の自分へのプレゼントでもあります。今日から一緒に、“読むのが楽なコード”を目指していきましょう!
2-1. ネストは浅く!ガード節でスッキリ書こう
まず最初に意識したいのは、「ネストを深くしない」ことです。
ネストとは、ifやforなどの処理が何段にも重なっている状態のこと。コードが深く入り組むと、見ただけで「うっ…」となってしまいます。
🌀 ネストが深いコードの例
void CheckAndAttack()
{
if (enemy != null)
{
if (enemy.hp > 0)
{
if (player.CanAttack())
{
enemy.TakeDamage(10);
}
}
}
}
こういうコード、最初は普通に見えるかもしれません。でも、ネストが3段にもなると、読み手は「今どこの条件だっけ?」と迷いがちです。
✅ ガード節で書き直すと…
ネストを浅くするには、「ガード節(Guard Clause)」を使うのがおすすめです。
これは、「条件に合わない場合は先に抜ける」書き方です。
void CheckAndAttack()
{
if (enemy == null) return;
if (enemy.hp <= 0) return;
if (!player.CanAttack()) return;
enemy.TakeDamage(10);
}
こちらのほうが、コードの流れが一直線でシンプルですよね。
「この関数はなにをしているのか」が、上から順に読み進めるだけで理解できます。
💡 ポイントまとめ
returnやcontinueを早めに使うことで、ネストを深くしない- 条件が揃わないなら「先に抜ける」スタイルで書く
- 「ifの中にif、その中にさらにif…」を避けるだけで、読みやすさが段違い!

ネストを浅くするだけで、コードがかなりスッキリしますよ。
2-2. マジックナンバー禁止!定数化で意味を明確に
コードの中に、突然 5 や 100 といった数値がポンっと出てくること、ありませんか?
こういった意味がわからない数字は「マジックナンバー」と呼ばれ、可読性の大敵です。
🧙♂️ マジックナンバーの例
if (score >= 100)
{
Debug.Log("クリア!");
}
一見シンプルですが、「100って何の意味?」と疑問に思いませんか?
この「100」がクリア条件であることをパッと見で判断できないのが問題です。
✅ 定数を使った書き方
そこでおすすめなのが、「定数(const)」を使うことです。
const int CLEAR_SCORE = 100;
if (score >= CLEAR_SCORE)
{
Debug.Log("クリア!");
}
こうすることで、コードを読む人がその数字の意味を一目で理解できるようになります。
また、あとから条件を変更したいときも、定数を1か所変えるだけで済むのも大きなメリットです。
📌 enumも便利!
状態の切り替えなどに数字を使っているなら、enum(列挙型)を使うとさらに読みやすくなります。
enum GameState
{
Title,
Playing,
GameOver
}
// 使用例
if (currentState == GameState.GameOver)
{
ShowRetryButton();
}
数値の 2 で「GameOver」を表すより、名前付きで管理した方が圧倒的にわかりやすいですよね。
💡 ポイントまとめ
- 数字だけでは意味が伝わらない → 定数名を付けよう
- 変更があっても、定数なら一括で修正できる
- 状態やカテゴリには
enumを活用して、意味を持たせる
2-3. 長い計算式はローカル変数で分かりやすく
コードを書いていると、「何やってるかはわかるけど…長すぎて読みにくい!」という場面に出くわします。
特に条件式や計算式が横にズラーっと並んでいるコードは、初心者にとってかなりの威圧感があります。
🌀 読みにくい計算式の例
if ((player.hp + player.defense) * 1.5f > enemy.attackPower + enemy.criticalBonus - 10)
{
player.TakeDamage();
}
式が長すぎて、「えーと、これは何を比べてるんだっけ…?」と迷ってしまいますよね。
✅ ローカル変数で読みやすく分割
そんなときは、計算式をいくつかのローカル変数に分けて書くのがオススメです。
float playerPower = (player.hp + player.defense) * 1.5f;
float enemyPower = enemy.attackPower + enemy.criticalBonus - 10;
if (playerPower > enemyPower)
{
player.TakeDamage();
}
どうですか?すごく見通しが良くなりましたよね。
それぞれの式に名前が付くことで意味が明確になり、他の人が読んでも理解しやすいコードになります。
💡 ポイントまとめ
- 長い式は分割してローカル変数に代入しよう
- 式に名前を付ける=意味を付けること
- ローカル変数は1回しか使わなくてもOK!読みやすさ優先でOK!
2-4. 条件式の意味は関数名で説明しよう
コードの中でif文が出てきたとき、その条件が何を表しているかすぐにわかるようにしたいですよね。
でも、こんな風に複雑な条件式がズラリと並んでいたら、どうでしょう?
🌀 読みにくい条件式の例
if (player.hp <= 0 && !player.isInvincible && !gameManager.isGameOver)
{
player.Die();
}
たしかに意味は通じますが、ひと目で「どんなときに死ぬのか」パッと理解するのは難しいですよね。
そんなときは、関数に分けて名前をつけることで、読みやすさがぐっと上がります。
✅ 関数名で「意味」を伝える
if (CanPlayerDie())
{
player.Die();
}
bool CanPlayerDie()
{
return player.hp <= 0 && !player.isInvincible && !gameManager.isGameOver;
}
こう書くと、「プレイヤーが死ぬ条件かどうか」という意図が一目で伝わるようになります。
関数名はまるで文章のように読めるのが理想です。
💡 ド・モルガンの法則ってなに?
条件を扱っているときに出てくる**「ド・モルガンの法則」**も、覚えておくと便利です。
これは、複雑な否定条件をシンプルに書き換えるためのルールです。
例:これを
if (!(isJumping || isFalling))
こう書ける
if (!isJumping && !isFalling)
両方意味は同じですが、状況によって読みやすくなる形を選べるのがポイントです。
💡 ポイントまとめ
- 条件式は関数にして名前をつけると読みやすい
- 関数名だけで「何を判断しているか」が伝わるようにしよう
- 複雑な否定条件はド・モルガンの法則でスッキリ!
2-5. 配列の範囲外アクセスを防ぐには?
UnityでもC#でも、配列(やリスト)を使っているときにありがちなミスが、「存在しない要素にアクセスしてしまうこと」です。
エラーになるどころか、C++のような低レベル言語ではエラーすら出ず、予期せぬ動作になることもあります。
🌀 危ないコードの例
int[] scores = {100, 200, 300};
Debug.Log(scores[3]); // ← 存在しない!
このように、scores[3]は存在しない要素へのアクセス。Unityなら例外が出て止まりますが、気づかないまま本番に入るとバグの温床になります。
✅ 安全にアクセスする関数を用意しよう
以下のように、安全にアクセスする専用関数を作っておくと安心です。
int GetScoreSafe(int[] array, int index)
{
if (index < 0 || index >= array.Length)
{
Debug.LogWarning("配列の範囲外アクセス:" + index);
return -1; // 無効値を返す
}
return array[index];
}
これを使えば、いきなり落ちたりせず、予期しないアクセスを検知して対処することができます。
💣 assertでバグを強制的に止める方法も
「ここで配列外アクセスが起きるのは絶対におかしい!」という場合は、Debug.Assert を使って、開発中にプログラムを強制ストップさせることもできます。
Debug.Assert(index >= 0 && index < array.Length, "配列の範囲外アクセス!");
本番ではオフになりますが、テスト時に問題にすぐ気づけるので安心です。
💡 ポイントまとめ
- 配列にアクセスする前に
indexが範囲内かチェックする - 使い回すなら 安全なアクセス関数を作るのがおすすめ
- 開発中のミスは
Debug.Assert()で早めに見つけよう
2-6. 関数は短く!機能ごとに分けて見通しを良く
関数の中に処理をどんどん詰め込んでいくと、いつの間にか100行超えの巨大関数ができあがってしまうことがあります。
たとえそれが正しく動いていたとしても、あとから読むのがとにかく大変になります。
「この処理、どこからどこまで?」と悩む時間が増えてしまい、ミスやバグの原因にもなります。
🌀 長すぎる関数の例
void UpdateCharacter()
{
// 入力を処理
// 位置を更新
// 衝突チェック
// アニメーション変更
// 状態遷移
// エフェクト再生
// サウンド再生
// デバッグ用の表示
// さらに別の条件処理...
}
これでは、1つの関数で全部をやりすぎです。
頭の中で処理の流れを追うのも一苦労ですよね。
✅ 機能ごとに関数を分けよう!
処理は、「これはこれ」「あれはあれ」と小さな関数に分けて定義しましょう。
void UpdateCharacter()
{
HandleInput();
MoveCharacter();
CheckCollision();
UpdateAnimation();
}
このように分けるだけで、全体の流れがパッと見で理解できるようになります。
そしてそれぞれの関数の中身も短くなるので、修正や機能追加がしやすくなります。
🧩 switch文も関数化しよう!
ゲームの状態管理などでよく使うswitch文も、長くなりやすいポイント。
それぞれのcaseごとに関数へ切り出すのが効果的です。
switch (gameState)
{
case GameState.Title:
ShowTitleScreen();
break;
case GameState.Playing:
RunGameplay();
break;
case GameState.GameOver:
ShowGameOver();
break;
}
**見通しが良く、保守性もアップ!**状態が増えても怖くありません。
💡 ポイントまとめ
- 関数は 1つの目的だけに絞るのが鉄則!
- 機能単位で分割して、全体の流れを把握しやすくする
switch文は それぞれの処理を関数化するとベスト
3. まとめ|コードの見た目が変われば、開発効率が変わる
ここまで、Unity初心者でもすぐ実践できる「読みやすいコードの書き方」を紹介してきました。
どれも特別なスキルは必要なく、ちょっとした意識と工夫でコードがグッと見やすくなります。
改めて、今回のポイントをおさらいしておきましょう。
✅ 今すぐできる7つの読みやすくなる工夫
- ネストを浅くする:ガード節で早めに抜ける
- 定数を使う:マジックナンバーをなくそう
- ローカル変数で式を分割:横に長い計算式は名前付きで整理
- 条件式を関数にする:関数名で意図を伝える
- 配列の安全なアクセス:範囲外チェックで安心
- 関数を短く分ける:1つの役割に集中させる
- switch文も関数化:状態ごとに見通しよく管理
読みやすいコードにすることで、自分も他の人もスムーズに作業できるようになります。
また、バグが起きても早く見つけやすくなり、機能追加もラクになります。
つまり、**コードの読みやすさは「将来の自分を助ける最大の武器」**なんです。

今後はさらに、「良い命名」「コメントの書き方」「設計の工夫」なども意識していくと、より上級者に近づけますよ。
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よくある質問(FAQ)
- Qコードを関数に分けすぎると、かえって読みにくくなりませんか?
- A
分け方に迷ったら、「1つの関数=1つの目的」を意識しましょう。
関数名を見ただけで「何をする処理か」がわかるようにしておけば、関数が増えても読みやすさは保てます。逆に、あいまいな名前のまま分けてしまうと読みにくくなるので、名前のつけ方がカギです。
- Qマジックナンバーって本当に使っちゃダメ?
- A
小さな値(例:
i < 3などのループ内)ならOKな場面もありますが、意味を持つ数値には必ず名前をつけるようにしましょう。
「クリアスコア」「最大HP」「攻撃力の上限」など、ゲームルールに関わる値は定数で管理しておくのが安全です。
- Q初心者のうちは、とにかく動けばいいと思ってしまいます…。
- A
その気持ち、よくわかります!
最初は動かすだけでも充分すごいこと。でも、読みやすさを少し意識するだけで、後からの修正やバグ修正がラクになるので、少しずつ「キレイに書く」習慣を取り入れていくのがおすすめです。未来の自分が助かります!







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