はじめに|なぜローディング画面が必要なのか?
ゲームをプレイしていて、突然画面がフリーズしたように見えて「え?バグった?」と思ったことはありませんか?
実はこれ、多くの場合「次のシーンを読み込んでいる」だけなんです。
でも、プレイヤーからすると、何も表示されない時間ってとても不安。
だからこそ、**「ローディング画面」**は、ゲームの完成度をグッと高めてくれる大切な要素なんです。
特にUnityでは、SceneManager.LoadScene()
を使ってシーンを切り替えるときに、画面が真っ白になったり一瞬止まったように見えたりします。
これを防ぐには、「非同期読み込み(Async)+進捗バーの表示」がとても効果的です。
この記事では、Unity初心者でもわかるように、
「ローディング中に画面を表示して、進捗をバーで見せる方法」をやさしく解説していきます。
👇 こんな方におすすめ!
- Unityを始めたばかりで、ローディング画面の作り方がわからない方
- シーン切り替え中に進行状況を見せたい方
- プレイヤーのストレスを軽減したい方
それでは一緒に、かっこいいローディング画面を作っていきましょう!
1. ローディング画面の基本構成とは?
Unityでローディング画面を作るには、以下の3つの要素を組み合わせて構成するのが一般的です。
✅① 非同期でシーンを読み込む(LoadSceneAsync)
通常のSceneManager.LoadScene()
では、読み込み中に処理が止まってしまいます。
代わりにSceneManager.LoadSceneAsync()
を使うことで、裏で次のシーンを読み込みながらUIを動かし続けることができます。
AsyncOperation async = SceneManager.LoadSceneAsync("GameScene");
✅② スライダーUIで進捗バーを表示する
読み込みの進み具合をSlider
(スライダー)で見せてあげると、プレイヤーも「ちゃんと動いてる!」と安心します。
このスライダーには、AsyncOperation.progress
の値(0〜0.9)を反映させるのがポイントです。
progressBar.value = async.progress;
✅③ ロゴ・Tipsなどを表示して飽きさせない
ゲームロゴや「ヒントを表示する」テキストがあると、見た目もよくなります。
特にロードが長いゲームほど、Tips表示やアニメーション演出があると退屈せずに待ってもらえます。
💡補足:progressは0.9までしか進まない?
実は、AsyncOperation.progress
の値は 最大0.9までしか上がりません。
100%に到達するには、allowSceneActivation = true
を設定して、シーン切り替えの許可を出す必要があります。
async.allowSceneActivation = false;
// 進捗が0.9になったら演出などを終えてから…
async.allowSceneActivation = true;
2. ステップバイステップで作ってみよう
ここからは、実際にUnity上でローディング画面を作る方法を、初心者でもわかるように順番に解説します!
ゲームを作っている途中に「別のシーンへ移動するとき」にこのローディング画面が登場するようにしていきます。
🧱 Step 1:UIスライダーを用意する
まずは、ローディング中に進捗を表示するスライダーを作ってみましょう。
- Hierarchyウィンドウで右クリック →「UI」→「Slider」を選択
Canvas
とEventSystem
が自動で作成されます- スライダーが大きすぎる場合は、RectTransformでサイズや位置を調整します
たとえば「Width: 400」「Height: 30」などがおすすめです
🎨 進捗バーの色やデザインはFill Area
→Fill
を選んで自由にカスタマイズできます!
📜 Step 2:ローディング処理用のスクリプトを作成
続いて、シーンの読み込みとスライダーに値を反映するスクリプトを作ります。
- プロジェクトウィンドウを右クリック →「Create」→「C# Script」
- 名前は「LoadingManager」にしましょう!
以下のコードを貼り付けてください👇
using UnityEngine;
using UnityEngine.UI;
using UnityEngine.SceneManagement;
public class LoadingManager : MonoBehaviour
{
public Slider progressBar;
void Start()
{
StartCoroutine(LoadSceneAsync());
}
IEnumerator LoadSceneAsync()
{
AsyncOperation operation = SceneManager.LoadSceneAsync("GameScene");
operation.allowSceneActivation = false;
while (!operation.isDone)
{
float progress = Mathf.Clamp01(operation.progress / 0.9f);
progressBar.value = progress;
if (progress >= 1f)
{
// ここで少し待ったり演出したりできる
yield return new WaitForSeconds(1f);
operation.allowSceneActivation = true;
}
yield return null;
}
}
}
📌 SceneManager.LoadSceneAsync("GameScene")
の部分は、実際に読み込みたいシーン名に変更してください。
🧲 Step 3:スクリプトをUIに接続しよう
次は、スクリプトをUIとつなげます!
- スクリプト「LoadingManager」を
Canvas
オブジェクトにドラッグ&ドロップ - インスペクターで「Progress Bar(Slider)」の欄に、作成したスライダーをドラッグして設定します
これで連携完了!🎉
🧪 Step 4:シーン遷移元からローディングシーンへ移動させる
ローディング画面を使うには、「今のシーン → ローディングシーン → ゲーム本編シーン」という順番で移動させます。
たとえば、ボタンを押したときにローディングシーンに移動させたい場合は以下のコード👇
public void OnStartGameButton()
{
SceneManager.LoadScene("LoadingScene");
}

これで完成!ゲームプレイ中に自然なロード画面が表示されるようになります。
👉 ローディングの前後でスムーズにシーンを切り替える方法については、Unityでシーンを切り替える簡単な方法もチェックしておきましょう。
3. コツ・注意点|ローディング画面をもっと快適にする工夫
ローディング画面はただの「待ち時間」ではありません。
**ユーザー体験を良くするための「見せ場」**でもあるんです!
ここでは、初心者がよくハマりがちなポイントや、実際にゲームに組み込むときのテクニックを紹介します。
🎯 コツ①:AsyncOperation.progressは最大で0.9止まり!
Unityの非同期読み込みでは、progress
の最大値は0.9です。
「え?なんで100%にならないの?」と思った方、安心してください。これは仕様です。
// 最大で0.9までしか上がらない!
float progress = Mathf.Clamp01(operation.progress / 0.9f);
そのため、進捗バーを「100%」に見せたい場合は、0.9を割り算して正規化する必要があります。
🎯 コツ②:ロード完了後、少しだけ演出を入れよう
進捗が100%になった瞬間にすぐシーンを切り替えると、「パッ」と画面が変わって違和感があります。
if (progress >= 1f)
{
yield return new WaitForSeconds(1f); // ← ここで演出タイムを入れる
operation.allowSceneActivation = true;
}
✅ 例えば…
- 「Now Loading…」を1秒だけ点滅させる
- 「ゲームスタート!」と出してフェードアウト
などの演出を加えると、「おぉ!」と感じるローディング画面にできます。
🎯 コツ③:Tipsやロゴで退屈させない工夫を
ロード時間が長くなると、プレイヤーが飽きてしまいますよね?
そんなときは…
- ヒント・操作説明をランダム表示
- かわいいマスコットキャラのアニメーション
- ストーリーの補足テキスト
こういった「ちょっとした要素」をローディング中に入れることで、プレイヤーを待たせている感覚を減らすことができます!
🎯 コツ④:シーン切り替え時にBGMを止めたくない?
DontDestroyOnLoad()
を使えば、BGMだけを別オブジェクトとして保持することが可能です!
void Awake()
{
DontDestroyOnLoad(this.gameObject);
}
これでローディング中も音楽が途切れずに流れ続けるので、より一体感のある演出になります。
🎵 シーン間でBGMを途切れさせたくないときの詳しい解説は、Unityでシーンを移動してもBGMを止めない方法をご覧ください。
🎁 おすすめアセット紹介
- 「ローディングバーのデザインがしっくりこない…」
- 「アニメーションやTips切り替えも入れたいけど、スクリプトが難しい!」
そんなときに便利なのが、Unity Asset Storeで手に入るローディング画面専用のアセットです👇
🔧 Loading Screen Pro
進捗バー・Tips表示・アニメーションなど全部入り!プロ品質のローディング画面がノーコードで作れます。
✅ 非同期読み込み対応 / スキップ機能あり / 多言語Tips表示可能
🎨 デザインテンプレートも豊富なので、世界観に合わせやすい!

ゲームの第一印象を左右するローディング画面。
ちょっとしたアセットの導入で、「おっ、ちゃんとしてる!」と思わせる仕上がりにできますよ!
4. まとめ|ローディング画面を入れるとゲームがグッと引き締まる!
ローディング画面って、ゲーム開発の中ではちょっと地味な存在かもしれません。
でも、プレイヤーにとっては**「ちゃんと動いてる!」と安心できる大事な時間**なんです。
今回ご紹介したように、UnityではSceneManager.LoadSceneAsync()
を使えば簡単に非同期ロードができて、スライダーで進捗を見せることもできます。
さらにTipsやアニメーションを入れれば、ゲームの世界観もグッと引き立ちますよ。
✅ 初心者でもできるローディング画面のポイント
- スライダーUIを設置するだけでも印象が変わる!
AsyncOperation
の進捗値に注意(0.9が最大)- ロゴやTips、BGMなども工夫すれば「待つ時間」が楽しくなる!

ローディング画面があることで、ゲームの完成度も信頼感も大きくアップします。
ぜひあなたのUnityプロジェクトにも、**「魅せるローディング画面」**を取り入れてみてくださいね!
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🎮 シーン遷移・演出に関する記事
- 🔁 初心者向け!Unityでシーンを切り替える簡単な方法
┗ ローディング画面と一緒に使いたい基本の「シーン切り替え」をやさしく解説 - 🎵 Unityでシーンを移動してもBGMを止めない方法!初心者向け解説
⚙ 非同期・演出の技術
- 🌀 【完全解説】Unityの非同期処理!Coroutineとasync/awaitの違いと使い方
┗ ローディング以外にも使える!非同期の動きをスムーズにするテクニック - 💡 [Unityで簡単にフェードイン・フェードアウトを実装する方法]
┗ ローディング画面の入り・終わりにおすすめの視覚演出!
🔧 UI・表示テクニック
- 🎛 Unity初心者必見!PanelでUIをスッキリ管理するスクリプト解説
┗ ローディング画面の表示・非表示の切り替えに便利なUI管理術
よくある質問(FAQ)
- Qローディングバーが100%にならず止まってしまいます。どうすればいいですか?
- A
AsyncOperation.progress
は最大で0.9までしか上がらない仕様です。
100%に見せたいときは、Mathf.Clamp01(operation.progress / 0.9f)
で正規化し、operation.allowSceneActivation = true
を明示的に設定してください。
- Qローディング画面が一瞬で終わることがあります。最低でも数秒表示させるには?
- A
WaitForSeconds()
で強制的に表示時間を確保しましょう。
ユーザー体験を考えると、1~2秒程度の最低表示時間を設けると自然な演出になります。
- Qローディング中にBGMが止まってしまいます。対処法はありますか?
- A
BGMを管理するオブジェクトに
DontDestroyOnLoad(this.gameObject)
を使いましょう。
これでシーンをまたいでもBGMが継続して再生されます。