✅ はじめに
Unityでゲームを作っていると、「イベント開始時間は〇時から!」とか、「ログインした時間を記録しよう!」なんてことがありますよね。でも、ここでちょっと待ってください。プレイヤーが日本だけじゃなく、アメリカやヨーロッパ、オーストラリアなど、世界中にいたらどうなるでしょう?
実は、「時間のズレ=タイムゾーンの違い」を意識しておかないと、いろいろと困ったことが起こってしまいます。
たとえば、日本時間の朝9時にイベントが始まる設定をしたのに、アメリカのプレイヤーには真夜中に表示されてしまう…なんてことも💦 これだと、せっかくのゲーム体験が台無しになっちゃいますよね。
そんなトラブルを防ぐために大事なのが、「タイムゾーンを考慮した日時管理」です!
この記事では、
- Unityで使われる
DateTime
の注意点 - 世界中のプレイヤーにも対応できる方法
- タイムゾーンを意識した正しい時間の扱い方
などを、やさしく丁寧に解説していきます!
グローバル対応のゲームを作るなら、必ず知っておきたい内容なので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね 😊
✅ UnityのDateTimeとその落とし穴
Unityで時間を扱うときに登場するのが DateTime
というクラスです。これは、「今の時間」や「何時にログインしたか」などを記録するための機能なんですが、使い方によっては大きなミスを招くことも…!
実は、DateTime
には大きく2つの取り方があります。
🔹 DateTime.Now
これは「いまのローカル時間(端末の時間)」を取得します。たとえば、日本のスマホで使えば日本時間、アメリカのスマホで使えばアメリカ時間が返ってきます。
🔹 DateTime.UtcNow
こちらは「世界で共通の時間(UTC)」を返してくれます。UTCというのは、ざっくり言うと「どこにいても同じ時間」なんです。
❗ここが落とし穴!
DateTime.Now
を使ってしまうと、プレイヤーの端末の時間に左右されるので、
- プレイヤーが時計をいじったら時間ズレちゃう
- 世界中の人が参加するイベント時間がバラバラになる
…といったトラブルが起こってしまいます。
たとえば「毎朝9時にログインボーナスを出す」として、DateTime.Now
で判定していると、時差のある国ではバラバラなタイミングでボーナスが配られちゃうことも。
✅ 正しく使うには?
ゲームの内部処理やサーバーとのやりとりでは、必ずDateTime.UtcNow
を使うのが基本です。これを基準にして、最後にユーザーの画面に表示するときだけ、ローカル時間に変換すればOK!
これで、
- 全プレイヤーに同じ基準の処理ができる
- サーバーとクライアントの時間ずれを防げる

という超大事なメリットが得られます✨
✅ タイムゾーンを考慮した正しい日時の扱い方
ここまで読んで、「じゃあ実際にどうすればいいの?」と思った方も多いはず。安心してください!Unityではちゃんとタイムゾーンを意識した書き方ができますよ。
🔹 基本は「UTC」を使うのが鉄則!
まず、時間を取得するときは DateTime.UtcNow
を使って「世界で共通の時間」を基準にします。これをゲームの中で「正しい時間」として扱うことで、全世界のプレイヤーに公平な処理ができるようになります。
DateTime utcTime = DateTime.UtcNow;
これで、どこの国でも同じ「基準時間」が得られます!
🔹 表示はプレイヤーの現地時間で
でも、表示される時間が「午前3時」みたいな謎の時刻だったら、プレイヤーも「え?なにこれ?」ってなりますよね。そこで必要なのが、UTCからプレイヤーの**ローカルタイム(端末の時間)**への変換です。
Unityではこんなふうに書きます👇
DateTime utcTime = DateTime.UtcNow;
TimeZoneInfo localZone = TimeZoneInfo.Local;
DateTime localTime = TimeZoneInfo.ConvertTimeFromUtc(utcTime, localZone);
これで、プレイヤーが日本にいれば日本時間、アメリカにいればアメリカ時間に変換されます!
📝 ポイントまとめ
項目 | やること | コード例 |
---|---|---|
ゲーム内部処理 | UTC時間で統一 | DateTime.UtcNow |
プレイヤー表示用 | ローカル時間に変換 | ConvertTimeFromUtc |
このやり方を覚えておけば、世界中どこからプレイされても、
- ログインボーナスがズレない
- イベント開始時間が全員同じ基準
- プレイヤーにはちゃんと現地時間で表示される

という安心・安定の日時管理ができますよ!
✅ 実装例:Unityで世界中のプレイヤーに正しい時刻を表示する
ここでは、実際にUnityで「世界中のどこにいるプレイヤーにも、現地時間で正しく時刻を表示する」方法を紹介していきます!
🔸 手順1:スクリプトを作成しよう
まずはスクリプトを作成します。
プロジェクトウィンドウを右クリック「Create」→「C# Script」を選んで、新しいスクリプトを作成し、「TimeZoneDisplay」と名前を付けます。
using System;
using UnityEngine;
using TMPro; // TextMeshProを使う場合
public class TimeZoneDisplay : MonoBehaviour
{
[SerializeField] private TextMeshProUGUI timeText;
void Update()
{
// UTCの現在時刻を取得
DateTime utcNow = DateTime.UtcNow;
// プレイヤーのローカルタイムゾーンを取得して変換
TimeZoneInfo localZone = TimeZoneInfo.Local;
DateTime localTime = TimeZoneInfo.ConvertTimeFromUtc(utcNow, localZone);
// UIに表示(例:2025/04/12 18:00:00)
timeText.text = localTime.ToString("yyyy/MM/dd HH:mm:ss");
}
}
🔸 手順2:UIテキストを準備しよう
- ヒエラルキーウィンドウを右クリック
- 「UI」→「Text – TextMeshPro」を選んでテキストを作成
- 名前を「TimeText」に変更し、画面の見やすい位置に配置
💡 TextMeshProがまだ使えない場合、「Window」→「TextMeshPro」→「Import TMP Essential Resources」でセットアップできます!
🔸 手順3:スクリプトをアタッチしよう
作成した「TimeZoneDisplay」スクリプトを、空のGameObjectなどにドラッグ&ドロップでアタッチします。
その後、インスペクターでtimeText
フィールドに、先ほど作成したTextMeshProオブジェクト(TimeText)をドラッグして紐付ければOK!
✅ 実行してみよう!
プレイボタンを押すと…画面にリアルタイムで現地の時刻が表示されます!
これなら、アメリカのプレイヤーでも、日本のプレイヤーでも、それぞれのタイムゾーンに合わせた正しい時刻が見えるのでとっても親切ですよね。

AM / PM表示にしたい場合
→ localTime.ToString("tt hh:mm")
に変更すると、午前午後付きの12時間表記になります!
✅ よくあるミスとデバッグのコツ
タイムゾーンを考慮した日時管理を実装しても、思わぬところでミスやバグが起こることもあります。ここでは、Unityでありがちな「あるあるミス」と、それをどうやってデバッグ(確認・修正)すればいいかを紹介していきます!
❌ ミス①:DateTime.Nowを使ってしまう
ありがち度:★★★★★
「とりあえず現在時刻を取っておこう」と思って DateTime.Now
を使ってしまうと、端末のローカル時間が基準になってしまい、国ごとにズレが出てしまいます。
✅対処法: DateTime.UtcNow
を使うように統一しましょう!
❌ ミス②:ローカルタイムへの変換を忘れる
ありがち度:★★★★☆
UTCで取得した時刻をそのままUIに表示して、「なんか変な時間が出てる…?」とびっくりすることも。
✅対処法:
DateTime localTime = TimeZoneInfo.ConvertTimeFromUtc(DateTime.UtcNow, TimeZoneInfo.Local);
を使って、表示する時だけ変換するのがコツです!
❌ ミス③:スマホ端末で挙動が違う
ありがち度:★★★☆☆
Unityエディタでは正しく動いてるのに、AndroidやiOS端末で試すと表示がおかしい…。これもよくあるトラブルです。
✅対処法:
- 実機でのテストは必ず行う
TimeZoneInfo.Local
が一部端末で正確に取得できないこともあるので注意Application.systemLanguage
やSystem.Globalization.CultureInfo
も組み合わせてチェックするとより安心
❌ ミス④:JSON APIのパース失敗
ありがち度:★★★☆☆
外部APIから取得したJSONデータがうまく読み込めないケース。Unityの JsonUtility
は柔軟性が低めなので、構造が複雑なAPIには向いていません。
✅対処法:
SimpleJSON
やNewtonsoft.Json
(Json.NET for Unity)などのアセットを使うと、かなりラクになります。- デバッグ時に
Debug.Log(request.downloadHandler.text);
で中身を必ずチェック!
❌ ミス⑤:時間表示のフォーマットがおかしい
ありがち度:★★☆☆☆
「12時間表示にしたかったのに、24時間になってる…」など、表示のフォーマットで混乱することも。
✅対処法:
localTime.ToString("yyyy/MM/dd hh:mm tt"); // → 2025/04/12 06:30 PM
など、表示したい形式にあわせて書式をカスタマイズしましょう!
🛠 デバッグのコツまとめ
チェック項目 | ポイント |
---|---|
エディタと実機で差が出るか? | 実機ビルドで確認! |
APIのデータ構造 | JSONの中身をログでチェック |
表示形式 | ToString() の書式指定を見直そう |
時刻の取得方法 | Now じゃなくて UtcNow を使おう |

このあたりを意識しておけば、「なんか時間表示がおかしい!」というトラブルはかなり減らせるはずです 😊
✅ おすすめアセット紹介(I2 Localization)
タイムゾーンや日付の扱いをより便利に、そして多言語対応も含めて柔軟にしたいなら、I2 Localization というアセットがとてもおすすめです!
🌍 I2 Localizationとは?
I2 Localizationは、Unityで多言語表示や地域ごとのフォーマット管理を簡単にできるアセットです。とくに、日付や時刻の表示形式を国や文化に合わせて切り替えられる機能が魅力!
🔧 主な機能と特徴
- 日本・アメリカ・ヨーロッパなど、**国ごとに異なる日付フォーマット(例:YYYY/MM/DD vs MM/DD/YYYY)**へ自動対応
DateTime.ToString()
のようなC#のフォーマットにローカリゼーションを適用可能- Google Sheetsとの連携で、ローカライズデータの一括管理が可能
- テキストの翻訳・切り替えもリアルタイムで反映可能(ゲーム中に言語を切り替えるUIも作れます)
🧪 こんなときに活躍!
イベントの残り時間などを多言語&現地形式で表現したいとき
世界中のプレイヤーに向けて、正しい形式の日時を見せたいとき
UIに表示する時間を、その国の文化・習慣に合わせて見やすく整えたいとき

タイムゾーンだけでなく、「見え方」まで考えたローカル表示をしたいなら、I2 Localizationは本当に便利です。
特に、多言語ゲームや世界展開を考えているなら、このアセットは入れておいて損はありません!
✅ まとめ:グローバル時代の日時管理、ここがポイント!
Unityでゲームを作るうえで、タイムゾーンの違いを考慮した日時管理はもはや必須のスキルです。
特に世界中のプレイヤーに向けたゲームでは、
✅ イベント開始のタイミング
✅ ログインボーナスの配布時間
✅ プレイヤー同士のランキングやチャット
など、「時間のズレ」がトラブルの原因になりがちです。
今回紹介したポイントをおさらいすると:
🎯 内部処理は UTC(世界標準時間)で統一!
🎯 表示のときだけローカル時間に変換!
🎯 TimeZoneInfo や I2 Localization で見た目もスマートに!

正しい日時管理は、ユーザー体験を大きく向上させます。
ちょっとした気配りが、世界中のプレイヤーに「わかってるな!」と思ってもらえるコツですよ 😊
よくある質問(FAQ)
- Q
DateTime.Now
とDateTime.UtcNow
の違いって? - A
DateTime.Now
はプレイヤーの端末のローカル時間、DateTime.UtcNow
は世界共通の標準時間(UTC)です。ゲーム内処理ではUtcNow
を使うのが安全です!
- Qタイムゾーンの変換って難しくない?
- A
Unityでは
TimeZoneInfo.ConvertTimeFromUtc()
を使えば簡単に変換できます。表示時だけ変換すればOK!
- Qサマータイム(DST)にも対応できますか?
- A
対応できます!
TimeZoneInfo
はサマータイム込みの情報を持っているので、特別な処理なしでOKです。