1. はじめに
Unityでゲームを開発していて、いざAndroid実機で動作を確認しようとしたときに、「Build & Runで実機に転送されない!」というトラブルに出会ったことはありませんか?
この問題、実は初心者だけでなく、ある程度慣れてきた人でもハマりがちなんです。
エラーも出ないし、ビルドは一見成功してるのに、なぜかスマホ側にアプリが届かない…そんなときって本当に困りますよね。
この記事では、そんな**「Build & RunでAndroid実機に転送できない問題」**に悩む方のために、確認すべき設定ポイントをわかりやすくまとめて紹介していきます!
「SDKとかNDKってなに?」「USBデバッグってどうやるの?」といった疑問にも、やさしく丁寧に答えていくので、初心者の方でも安心してくださいね😊
それでは、ひとつずつチェックして、転送できるようにしていきましょう!
2. Build & Runが失敗する主な原因まとめ
まずは、Unityで「Build & Run」を実行したときにAndroid実機に転送されない主な原因をざっくり一覧で見てみましょう。
これらのポイントを順番にチェックしていくことで、原因が絞れて解決への近道になりますよ!
💡 よくある原因一覧
原因 | 内容 |
---|---|
✅ Android SDKやNDKが正しく設定されていない | UnityがAndroid用にビルドするための開発キットがうまく認識されていないことがあります。 |
✅ 実機のUSBデバッグがオフになっている | 実機の開発者モードがオンになっていないと、PCからの転送ができません。 |
✅ USB接続の問題 | ケーブルの不良や「充電のみモード」になっていて、データ転送ができないことも。 |
✅ Player Settingsの設定ミス | パッケージ名や最小APIレベルなどが正しくないと、ビルドに失敗します。 |
✅ ADBが実機を認識していない | Unity内部ではなく、AndroidのADBツールで認識されていないケースも多いです。 |
✅ セキュリティ設定による制限 | 一部のスマホでは、初めて接続するPCに確認が必要です(「このPCを信頼しますか?」など)。 |

この中でひとつでも当てはまりそうなものがあれば、次の章から詳しく確認方法を解説していくので、一緒にチェックしてみましょう!
3. Android環境の事前準備チェック
UnityでAndroid向けにビルドするには、いくつか開発環境の設定が正しくされている必要があります。
まずは、パソコン側(UnityとAndroidの開発キット)でよくある設定ミスをチェックしていきましょう!
✅ 3-1. UnityにAndroid SDK/NDK/JDKが正しく認識されているか
UnityがAndroidアプリをビルドするには、以下の3つの開発キットが必要です:
- Android SDK(ソフトウェア開発キット)
- NDK(ネイティブ開発キット)
- JDK(Java開発キット)
これらはUnity Hub経由でインストールできますが、時々パスが通っていなかったり、バージョンが合っていなかったりすることがあります。
🔍 設定確認の手順
- Unityを開いて、上部メニューから
「Edit」→「Preferences」(Macの場合は「Unity」→「Preferences」)を開きます。 - 左メニューから「External Tools」を選びます。
- 「Android」セクションで、以下のパスが正しく設定されているかを確認してください:
- SDK Path(例:
C:\Users\ユーザー名\AppData\Local\Android\Sdk
) - NDK Path
- JDK Path
- SDK Path(例:
💡 パスが空だったりエラー表示されている場合は、Unity Hubで再インストールするのが一番確実です。
✅ 3-2. Unity HubでAndroid Build Supportがインストールされているか
Unityをインストールしたときに「Android Build Support」を入れ忘れていると、当然ですがビルドできません。
🔍 確認&追加手順
- Unity Hubを開く
- 左メニューから「インストール済みのUnityバージョン」を選択
- 該当バージョンの横にある「歯車アイコン」→「モジュールを追加」をクリック
- 「Android Build Support」「SDK & NDK Tools」「OpenJDK」にチェックを入れてインストール
✅ 3-3. UnityのバージョンとNDKの互換性に注意
NDKのバージョンが合っていないと、ビルドエラーや予期しない動作になることがあります。基本的にはUnityが推奨するNDKを使いましょう。
✅ Unityが自動でインストールしたNDKは基本的に安全なので、自前でダウンロードして入れ替えた場合は注意が必要です!

ここまでで環境が整っていれば、Unity側の準備はOKです!
次は実機側(スマートフォン)の設定もチェックしていきましょう。
4. 実機側の設定チェックポイント
Unityでのビルド環境が整っていても、スマートフォン側の設定が不完全だと「Build & Run」で転送されないことがあります。
ここでは、Android実機で必ずチェックしておきたい設定ポイントを紹介します!
✅ 4-1. 開発者モードをオンにする
Android端末でUnityからのアプリ転送を受け取るには、まず「開発者モード」を有効にする必要があります。
🔧 開発者モードの有効化手順(Android共通)
- 「設定」アプリを開く
- 「デバイス情報」または「端末情報」に進む
- 「ビルド番号」を7回連続でタップ
- 「これでデベロッパーになりました!」と表示されればOK!
✅ 4-2. USBデバッグを有効にする
開発者モードをオンにしたあとは、USBデバッグも忘れずに有効化しましょう。
これがオフのままだと、UnityやADBから端末が認識されません。
🔧 USBデバッグの有効化手順
- 「設定」アプリ → 「システム」→「開発者向けオプション」へ進む
- 「USBデバッグ」をオンにする
- パソコンと接続した際、「このPCを信頼しますか?」と聞かれたら「許可」してください
✅ 4-3. USB接続モードを「ファイル転送」にする
スマホとPCをUSBで接続するとき、接続モードが「充電のみ」になっているとUnityが端末を認識できません。
🔍 確認&変更方法
- USBでPCに接続すると、通知バーに「USB設定」の通知が表示されます
- それをタップして、「ファイル転送(MTP)」または「データ転送モード」に変更しましょう
✅ 4-4. 一度ADBから接続を確認してみる
どうしてもUnityが実機を認識しないときは、**ADB(Android Debug Bridge)**で接続確認してみるのも手です。
🔧 ADBで接続確認する方法
- コマンドプロンプト(またはターミナル)を開く
- 以下のコマンドを実行: nginxコピーする編集する
adb devices
- 「List of devices attached」の下に端末名と「device」と表示されていれば認識OK!
⚠ 表示されない場合は、USBドライバーが正しくインストールされていない可能性があります。

実機の設定がここまで整っていれば、Unityからの転送が通るはずです!
それでもまだダメな場合は、次にUnity側のビルド設定を見直してみましょう。
5. Unity側のビルド設定を再確認
実機の設定もバッチリなのに、まだ「Build & Run」で転送できない…。
そんなときは、Unityプロジェクト内のビルド設定に問題があるかもしれません!
この章では、Build SettingsとPlayer Settingsの重要ポイントをチェックしていきましょう。
✅ 5-1. プラットフォームが「Android」になっているか確認
まずはUnityのビルド対象がちゃんとAndroidになっているかを確認しましょう。
🔧 チェック手順:
- 上部メニューから「File」→「Build Settings」を開く
- 左側のプラットフォーム一覧から「Android」を選択
- まだ選択されていない場合は「Switch Platform」をクリック
⏳ 少し時間がかかることがありますが、完了すればビルド対象がAndroidに切り替わります!
✅ 5-2. Build Settings内のチェックポイント
「Build Settings」ウィンドウ内にも確認すべきポイントがあります:
- ✅ Run Device:接続中のAndroid端末名が表示されているか?
- ✅ Build System:通常は「Gradle(Recommended)」でOK
- ✅ Development Build:必要に応じてオン(デバッグ時のみ)
✅ 5-3. Player Settingsでの重要設定
「Build Settings」内の右下にある「Player Settings」をクリックすると、細かいビルド設定ができます。
🔍 チェックすべき項目:
項目 | 内容 |
---|---|
Package Name | com.会社名.アプリ名 の形式になっているか(全て小文字で) |
Minimum API Level | 実機のAndroidバージョン以上になっているか |
Target API Level | 「Highest installed」が推奨 |
Internet Permission | ネット接続が必要な場合は「INTERNET」の許可を確認 |
💡「Minimum API Level」が端末より高すぎると、アプリがインストールされずに転送も失敗します。

これらの設定を丁寧に見直すことで、Unityが正しくビルド&転送できるようになるはずです!
それでもダメなときは、もしかするとUSBケーブルや接続自体の問題かもしれません。
6. USB接続の問題かも?
Unityや実機の設定が完璧でも、意外と見落としがちなのがUSB接続そのもののトラブルです。
「ちゃんと挿してるのに転送できない…」というときは、物理的な原因やドライバの問題も疑ってみましょう。
✅ 6-1. USBケーブルを疑ってみよう
まずは一番単純だけど重要なポイント。
📌 「充電専用ケーブル」を使っていませんか?
最近は100円ショップなどで買える安価なUSBケーブルの中には、「充電専用(データ転送不可)」のものがあります。
このケーブルだと、PCとスマホがデータ通信できないため、Unityは端末を認識できません。
🔍 チェックポイント
- パソコンとスマホを繋いだとき、スマホ側に「USBデバッグを許可しますか?」と出るか?
- ファイル転送モードに切り替えられる通知が出るか?
💡 出ない場合は、別のケーブルを使ってみるのが確実です!
✅ 6-2. USBポートを変えてみる
パソコンのUSBポートにも相性があります。特にフロント側(前面)のUSBポートより、背面のUSBポートの方が安定することが多いです。
🔁 他のポートに挿し直すだけで突然認識されることもあります!
✅ 6-3. ADBドライバーが壊れていないか
USBでつないでもUnityやADBが端末を認識しない場合、**Android USBドライバー(ADBドライバー)**が壊れていたり古かったりする可能性もあります。
🔧 ドライバーを再インストールする手順(Windowsの場合)
- デバイスマネージャーを開く(スタートメニューで「デバイス」と検索)
- 「ポータブルデバイス」や「Android Device」などの中にあるスマホを右クリック
- 「デバイスのアンインストール」を選ぶ
- ケーブルを抜き差しして、再認識させる
💡 自動で正しいドライバーが再インストールされるはずです。
✅ 6-4. ADBコマンドでの認識確認
念のため、コマンドラインで端末がADBに認識されているかをチェックしましょう。
🔍 やり方
- ターミナルやコマンドプロンプトを開く
- 以下のコマンドを実行: nginxコピーする編集する
adb devices
- 出力に端末のシリアル番号と「device」と表示されていればOK!
⚠ 「unauthorized」や「offline」と表示される場合は、スマホ側でUSBデバッグの許可をし忘れている可能性があります。

USB接続のトラブルは、物理的な要因とソフト的な認識問題の2つが混ざっているので、ひとつずつ冷静に確認していきましょう!
それでも転送できない場合は、最後の手段として「ビルドしてから手動で転送する」方法があります。
👇 補足:デバッグをもっと便利にしたい方へ
実機での動作確認やエラーの発見が大変…という方には、
✅ Lunar Mobile Console PRO がおすすめです!
このアセットを使えば、スマホ画面上にログやエラー情報を表示できるので、PCにつながなくても原因の特定がめちゃくちゃ楽になります✨
Unityの「Debug.Log」などもすべて見られるので、特に実機転送が不安定なときには大助かりですよ!
7. 最終手段:Buildしてから手動で転送する方法
ここまでいろいろ設定を見直しても「Build & Run」で実機にアプリが転送されない…。
そんなときは、Build(APK出力)だけを行い、自分で端末に転送してインストールする方法を使ってみましょう!
これならUnityの自動転送機能に頼らず、自力でアプリを実行できます✨
✅ 7-1. APKファイルを出力する手順
まずはUnityでAndroid用のインストールファイル(.apk)を作りましょう!
🔧 ビルド手順:
- Unityの上部メニューから「File」→「Build Settings」を開く
- プラットフォームを「Android」にして、「Switch Platform」をクリック(未設定なら)
- 「Build」ボタンをクリック(※「Build and Run」ではなく)
- 保存先を指定してAPKファイルを出力
💡 通常、
YourAppName.apk
のようなファイルが生成されます。
✅ 7-2. APKを実機に転送する
次に、このAPKファイルをAndroid端末にコピーします。
以下の方法のどちらかでOKです。
🔸 方法①:USBケーブルで転送
- スマホとPCをUSBで接続
- 接続モードを「ファイル転送(MTP)」にする
- エクスプローラーでスマホのストレージを開く
- 任意のフォルダ(例:Download)にAPKファイルをコピー
🔸 方法②:Googleドライブやメールで送信
- APKファイルをGoogleドライブにアップロード
- スマホでドライブを開いてダウンロード
- または自分のメールに添付して送る方法もOK
✅ 7-3. APKを実行してインストール
最後に、スマホでAPKファイルを開いてインストールします。
🛡 事前に「提供元不明のアプリの許可」が必要!
- スマホの「設定」→「セキュリティ」→「提供元不明のアプリを許可」または「この提供元を許可」にチェック
- ダウンロードしたAPKをタップしてインストール
- 「インストール完了」が表示されたら成功!
⚠ 一部のAndroidでは「このアプリは安全ではない可能性があります」と警告が出ますが、自分で作ったアプリなら無視してOKです。

この方法なら、Unityの転送機能がうまく動かなくても、自力で動作確認ができます!
ただし、毎回手動でインストールするのは面倒なので、最終手段として活用しましょう💡
8. まとめ:失敗しないためのチェックリスト
ここまで紹介してきた内容を、最後にチェックリスト形式でまとめました!
このリストに沿って確認すれば、「Build & RunでAndroid実機に転送できない」問題の多くは解決できます✨
📝 Androidビルド&実機転送 チェックリスト
🔧 Unity環境編
- Unityに「Android Build Support」がインストールされている
- SDK / NDK / JDK のパスが「Preferences」→「External Tools」で正しく設定されている
- 対象プラットフォームが「Android」に設定されている(Build Settings)
- Package Name(パッケージ名)が正しく設定されている(Player Settings)
- Minimum API Levelが実機のAndroidバージョン以下になっている
- Build System は「Gradle(Recommended)」になっている
📱 実機設定編
- 開発者モードを有効にしている
- USBデバッグをオンにしている
- USB接続時に「ファイル転送モード」になっている
- 「このPCを信頼しますか?」に「許可」を押している
- ADBコマンドで
adb devices
を実行して端末が認識されている
🔌 USB接続編
- 「充電専用」ではなく「データ転送対応」のUSBケーブルを使っている
- パソコンのUSBポートを変えて試してみた(特に背面ポート)
- ADBドライバが正しくインストールされている(デバイスマネージャー確認)
💡 最終手段
- Unityで「Build」でAPKファイルを出力し、手動でスマホに転送・インストールできる

このリストを1つずつ丁寧にチェックしていけば、原因が必ず見つかるはずです!
それでもうまくいかない場合は、Unityのバージョンやスマホの機種による個別の不具合も考えられるので、別の端末やバージョンでのテストも試してみてくださいね。
よくある質問(FAQ)
- Qビルドは成功しているのに、Runだけ失敗します。なぜですか?
- A
考えられる原因:
- 実機がUnityに認識されていない(USBデバッグや接続モードの確認を)
- ADBドライバが壊れている、または古い
- USBケーブルが充電専用で、データ通信ができない
🔧 解決策:
adb devices
コマンドで実機が認識されているか確認してみましょう。
- Q「This device is unauthorized」と表示されます。どうすればいい?
- A
このメッセージは、PC側からのADB接続をスマホが許可していない場合に表示されます。
🔧 スマホの画面に「このPCを信頼しますか?」というポップアップが表示されたら、**「許可」**をタップしましょう。
もし出てこない場合は、一度USBケーブルを抜き差しして再接続してみてください。
- Q実機がまったく認識されません。別のスマホなら大丈夫でした。
- A
その場合は、実機側の相性問題やセキュリティ設定の影響が考えられます。
🔧 別のUSBケーブルを試す・PC側のUSBポートを変更する・実機のOSバージョンを確認するなど、複数の組み合わせを試すことで解決するケースがあります。