Unityの情報って本当に更新が早くて、気づいたら「あれ、これもう古いやり方だったんだ」なんてこと、ありますよね。エンジンのアップデートに、AIツール、広告SDKの仕様変更まで、追いかけるだけで一苦労だと思います。
この記事では、2026年時点でUnityのスマホゲーム開発に関わっている方向けに、今話題になっている技術トレンドを整理しています。それぞれのトレンドについて「今すぐ動くべきか」「もう少し様子を見てもいいか」を判断できるように、実務的な視点でまとめました。
2026年、Unityで今すぐ動くべきトレンドは?
結論からお伝えすると、すべてのトレンドに一斉に対応する必要はありません。中には「期限が決まっていて放置すると困るもの」もあれば、「まだ様子見で大丈夫なもの」もあります。まずは全体像をつかんでから、自分に関係が深いところだけじっくり読んでいただければと思います。
| トレンド | 対応の緊急度 | ひとことポイント |
|---|---|---|
| 広告収益化(LevelPlayへの移行) | 今すぐ対応が必要 | 従来の広告SDKはすでにサポート対象外 |
| Built-in Render Pipeline→URP移行 | 期限内に準備 | 新規プロジェクトは早めの移行が安心 |
| Unity 7への対応 | 様子見でOK | 正式リリースは2027年、今は焦らなくて大丈夫 |
| Unity AIの活用 | 任意で検討 | 向いている作業だけ使うのが現実的 |
| DOTS(ECS)の採用 | 任意で検討 | 対象になるジャンルはかなり限定的 |
この緊急度は、主に2つの軸で判断しています。ひとつは「対応の期限が明確に決まっているかどうか」、もうひとつは「対応しなかった場合にどれくらいの不利益があるか」です。期限があって、かつ放置した場合の影響が大きいものほど、優先度を高く設定しています。
たとえば広告収益化の部分は、すでにサポートが終了している仕組みを使い続けている可能性があるため、優先度がもっとも高くなっています。一方でUnity 7のように、まだベータ版すら始まっていない技術については、今この瞬間に対応を急ぐ理由はありません。
ワンポイント
もしまだUnityでのスマホゲーム制作自体に慣れていない場合は、トレンドを追うより先に基本的な作り方を押さえておくほうが遠回りになりません。
ここから先は、それぞれのトレンドについて「なぜその緊急度なのか」「自分のプロジェクトはどう判断すればいいか」を、ひとつずつ具体的に見ていきます。

気になるところから読んでいただいて大丈夫です。
広告収益化はLevelPlayへの移行が必須
結論からお伝えすると、広告による収益化の仕組みは、すでに「移行必須」の段階に入っています。以前から使われてきたUnity Ads Legacyという古い連携方法は、現在サポートの対象外となっているためです。もし今も古い仕組みのまま運用している場合は、早めに確認しておくことをおすすめします。
「今まで動いていたから、このままでも大丈夫だろう」と思ってしまいがちなのですが、この考え方には注意が必要です。動作すること自体は問題なくても、広告の配信効率が下がってしまい、収益に影響が出るリスクがあるからです。
Unity公式のドキュメントによると、Unity Adsネットワークは入札方式への移行を進めており、従来の連携パッケージを使った直接的な広告実装は、収益化の目的では非対応となったと案内されています。
まずは、自分のプロジェクトがこの対象に含まれているかどうかを確認してみましょう。
- ✅ プロジェクトに「Advertisement Legacy」という名前のパッケージが入っている
- ✅ 広告の実装をUnity Ads用の古いSDKで直接おこなっている
- ✅ 「LevelPlay」という名称の仕組みをまだ導入していない
このいずれかに当てはまる場合は、移行の準備を進めておくと安心です。ここでは全体の流れだけを簡単にご紹介します。
移行の大きな流れとしては、次のようなステップになります。
- 今使っている広告連携の仕組みが、古いUnity Ads Legacyかどうかを確認する
- 広告の仲介役となる「LevelPlay」という仕組みへの切り替えを検討する
- 切り替え後は、広告の表示方法が「順番に確認していく方式」から「複数の広告主に同時に競争させる方式」に変わることを理解しておく
この3つ目のステップにある「同時に競争させる方式」は、専門的にはビッディング方式と呼ばれています。1社ずつ順番に応答を待つ従来の方法よりも、広告が表示される確率や単価が上がりやすいという特徴があります。
なお、具体的な設定画面の操作や実装コードについては、内容がかなり細かくなるため、この記事では扱いきれません。すでにLevelPlayを導入していて、広告の売上をさらに伸ばす方法まで知りたい方は、こちらの記事もあわせて参考にしてみてください。
収益化の戦略全体について、もう少し詳しく知りたい方はこちらの記事も参考になります。
URPへの移行はいつまでに済ませるべき?
結論としては、今すぐ全員が移行しなければいけないわけではありませんが、放置してよいわけでもありません。従来から使われてきたBuilt-in Render Pipelineという描画方式は、すでに「非推奨」の扱いになっているためです。
ここで気をつけたいのが、「非推奨」という言葉の受け取り方です。非推奨と聞くと「もうすぐ使えなくなる」とイメージしてしまいがちですが、実際にはそこまで急を要する話ではありません。
ワンポイント
実際にBuilt-in Render Pipelineは、Unity 6.7 LTSというバージョンの中では引き続き利用できると案内されています。企業向けのライセンスであれば、2028年から2029年ごろまでサポートが続く見込みです。つまり「今すぐ移行しないと詰む」という状況ではなく、「計画的に移行を考えておく」段階にあるということですね。
とはいえ、対応の急ぎ具合は、今のプロジェクトの状況によって変わってきます。自分がどちらに当てはまるか、次の表で確認してみてください。
| プロジェクトの状況 | 移行の優先度 | 考え方 |
|---|---|---|
| これから新規開発を始める | 高い | 最初からURPで作り始めるほうが、後から作り直す手間がない |
| すでにBuilt-inで運用中のゲームがある | 中程度 | すぐに切り替える必要はないが、移行にかかる工数を見積もっておくと安心 |
| 個人開発でまだ小規模なプロジェクト | 低〜中程度 | プロジェクトの規模が小さいうちに移行したほうが、あとの手間が少なくて済みやすい |
特に新規プロジェクトの場合は、あとからURPへ移行する作業そのものが二度手間になってしまいます。これから新しくゲームを作り始めるのであれば、最初からURPを選んでおくほうが結果的にラクだと感じる方が多いはずです。
一方で、すでにBuilt-inで運用しているゲームをお持ちの場合は、すぐに慌てて移行する必要はありません。ただし、いずれは対応することになる前提で、移行にどれくらいの作業量がかかりそうか、早めに把握しておくと後で焦らずに済みます。
実際の移行手順や、URPとBuilt-inの具体的な違いについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
Unity 7への対応は今から準備すべき?
結論からいうと、今の時点で急いで何か準備をする必要はありません。Unity 7は2026年7月におこなわれたUnite Seoulというイベントで発表されたばかりの、次世代エンジンだからです。
スケジュールとしては、ベータ版の提供開始が2026年12月、正式リリースが2027年の第1四半期と発表されています。つまり、今このタイミングで慌てて対応を始めるフェーズではないということですね。
それでも「エンジンが新しくなる」と聞くと、今までのプロジェクトを作り直さなければいけないのではと不安になる方もいるかもしれません。ここは誤解しやすいポイントなので、少し詳しく見ておきましょう。
Unity公式の発表では、Unity 7への移行について次のように説明されています。
Unity 7はUnity 6のアーキテクチャをそのまま土台にした直系の進化版であり、既存のプロジェクトやコード資産は作り直しなしでそのまま引き継げると案内されています。
これは公式に「zero rebuilding(作り直し不要)」という言葉で説明されている内容です。Unity 7で追加される新機能の多くも、実はUnity 7が正式リリースされる前の段階から、Unity 6のアップデートの中で少しずつ検証・実装されていく形が取られています。
そのため、今のうちにできる準備があるとすれば「情報だけ頭の片隅に置いておく」くらいで十分です。具体的には、次のようなポイントを軽く押さえておくと、後で慌てずに済みます。
- ✅ ベータ版の提供が始まるのは2026年12月ごろになる見込み
- ✅ 正式リリースは2027年の第1四半期が予定されている
- ✅ 既存プロジェクトの作り直しは基本的に不要とされている
今、目の前のゲーム開発を止めてまでUnity 7の情報を追いかける必要はありません。

ベータ版が実際に公開されたタイミングで、あらためて使用感を確認してみるくらいの距離感がちょうどいいと思います。
Unity AIは実務に取り入れるべき?
結論としては、「すべての作業をUnity AIに任せる」という使い方はおすすめしません。得意な作業と、まだ人の手で仕上げたほうがいい作業を切り分けて使うのが、今のところ現実的なやり方だといえます。
まず前提として、Unity AIという名前を聞いて「以前あったUnity Museと同じもの」と思っている方もいるかもしれません。ですが、これは少し違います。
Unity Museという旧サービスはすでに廃止されており、AI関連の機能はUnity AIという形に統合し直されています。以前は別サービスだった推論エンジンのSentisも、現在はUnity AIの中の一機能として位置づけられています。
| 比較軸 | 向いている作業 | 注意が必要な作業 |
|---|---|---|
| コード生成 | 簡単な処理の下書きやサンプルコードの作成 | 複雑なロジックをそのまま丸ごと生成させること |
| アセット関連 | 仮配置用のプレースホルダー作成 | そのまま製品版として使う最終アセットの生成 |
| 作業の進め方 | 下書きをもらって自分で仕上げる | 生成された内容をノーチェックで採用する |
特にコード生成に関しては、開発者の間でも評価が分かれています。手軽に作れる分、品質にばらつきが出やすいという声がある一方で、思っていたより実用的だと感じている方もいるようです。
AIが生成したコードやアセットをそのまま製品に組み込むのは避けたほうが安心です。あくまで下書きとして受け取り、内容を自分の目で確認してから採用するようにしましょう。
この距離感を意識しておくと、Unity AIは「時間を短縮してくれる便利な相棒」として活用しやすくなります。

逆に、すべてを任せきりにしてしまうと、あとから見えないバグや品質のばらつきに悩まされる可能性があるので、そこだけは意識しておくといいですね。
DOTS(ECS)は自分のゲームに必要?
結論からお伝えすると、DOTSはすべてのゲームに必要な技術ではありません。対象となるゲームジャンルはかなり限定されていて、むしろ多くの個人開発のプロジェクトでは、無理に取り入れないほうがいい場合も多いです。
DOTSという言葉は「Data Oriented Technology Stack」の略で、ECS・C# Job System・Burst Compilerという3つの仕組みの組み合わせを指します。ざっくりいうと、大量のオブジェクトを効率よく動かすための、特殊な設計方法だとイメージしてもらえれば大丈夫です。
ここで多くの方が誤解しやすいのが「DOTSを使えば、とりあえずゲームが軽くなる」という考え方です。実際にはそう単純ではなく、向いているシーンと向いていないシーンがはっきり分かれています。
採用したほうがいいシーン・避けたほうがいいシーン
自分のゲームがどちらに当てはまるか、次の表で確認してみてください。
| ゲームの内容 | DOTSとの相性 | 理由 |
|---|---|---|
| 数千体規模のキャラクターが同時に動くRTSやシミュレーション | 採用向き | 大量のオブジェクトを同時に処理する場面で本領を発揮する |
| 数万個規模の物理演算や群衆シミュレーション | 採用向き | 従来の作り方では処理能力の限界に達しやすい |
| シンプルな2Dアクションやパズルゲーム | 避けたほうが無難 | 定型的なコードを書く手間が増え、開発スピードが落ちやすい |
| UI表示が中心のアプリ | 避けたほうが無難 | そもそも大量のオブジェクト処理が発生しない |
この表からもわかるとおり、判断のポイントは「同時に動かすオブジェクトの数が、従来のやり方では厳しくなるレベルかどうか」です。数百程度のオブジェクトを動かす程度であれば、これまでどおりMonoBehaviourを使ったやり方のほうが、開発のスピードを保ちやすい場合がほとんどです。
ワンポイント
DOTSやECSの仕組み自体をもう少し詳しく知りたい方は、こちらの記事でさらに掘り下げて解説しています。
また、DOTSを支える技術のひとつであるJob SystemやBurst Compilerの使い方については、こちらの記事も参考になります。
よくある質問
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QUnity 2021やUnity 2022を使ったままでも大丈夫ですか?
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Aすぐに使えなくなるわけではありませんが、古いバージョンのままだと、この記事で紹介したURPまわりの新機能やUnity AIなどの最新機能を利用できない場合があります。今後長く運用していく予定のプロジェクトであれば、Unity 6系のLTS(長期サポート版)への移行を計画しておくと、あとから慌てずに済みます。すでに開発が終盤に近いプロジェクトであれば、無理に移行せずそのまま完成を優先する判断でも問題ありません。
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QHDRPを使っているプロジェクトも移行が必要ですか?
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Aこの記事で紹介した移行の話は、主にBuilt-in Render PipelineからURPへの移行を対象としています。HDRPを使っている場合は事情が異なり、新機能の追加は控えめになっているものの、メンテナンス自体は継続される方針が示されています。ただしHDRPはPCやコンソール向けの表現に強い仕組みのため、スマホゲーム開発ではそもそも採用されるケースが少なく、モバイル中心の開発であれば気にしすぎなくても大丈夫です。
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QUnity AIで生成したコードやアセットに著作権上の注意点はありますか?
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A生成された内容を商用のゲームに使う場合、権利関係の確認や、各ストアの規約に沿った表記が必要になることがあります。この点はサービスの仕様が今後変わる可能性もあるため、実際に商用利用する前には、Unity公式の最新の利用規約やガイドラインを必ず確認するようにしてください。断定的な判断はせず、都度公式情報を確認する習慣をつけておくと安心です。











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