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Unityスマホゲーム開発でよくあるエラーとその解決方法【初心者向け】

Unity

1. はじめに

Unityでスマホゲームを開発していると、初心者のうちは様々なエラーに直面することがよくあります。「ビルドができない」「アプリが起動しない」「タッチ操作が反応しない」など、エラーの種類は多岐にわたります。こうしたエラーの原因がわからず、開発が進まなくなってしまうこともありますよね。

でも大丈夫！エラーには必ず原因があり、それをしっかり理解すれば解決できます。この記事では、Unityでスマホゲームを作る際に初心者が特によく遭遇するエラーと、その解決方法をわかりやすく解説します。

「エラーが出るたびに調べるのが大変…」という人も、この記事を読めば基本的なエラーの原因と対処法がわかるようになります。ぜひ参考にして、スムーズな開発を目指しましょう！



2. よくあるエラーと解決方法

2.1 ビルドエラー（Build failed）

🔹 発生原因:
スマホゲームをビルドしようとしたときに、「Build failed（ビルド失敗）」というエラーが出ることがあります。主な原因は以下の通りです。

  • AndroidのSDKやNDKが適切に設定されていない
  • 必要なモジュールがインストールされていない
  • iOSの場合、Xcodeのバージョンが古い

🔹 解決策:
✅ Androidの場合

  1. Unityのメニューから 「Edit」→「Preferences」→「External Tools」 を開く
  2. Android SDK、NDK、JDK のパスが正しく設定されているか確認する
    • Unity Hub経由でインストールした場合は、自動設定されていることが多い
  3. 「File」→「Build Settings」→「Player Settings」 で「Scripting Backend」が「IL2CPP」に設定されているか確認する（Monoではビルドできない場合あり）

✅ iOSの場合

  1. Xcodeを最新バージョンに更新する
  2. 「Build Settings」でターゲットのiOSバージョンが適切か確認する（古すぎるとエラーになる）
  3. 「Player Settings」の「Architecture」が「ARM64」になっているかチェック（古い設定だとApp Storeに提出できない）

💡 ポイント:
ビルドエラーが出たら Consoleウィンドウのエラーメッセージをよく読む ことが大切！問題の原因が書かれているので、それをもとに修正しよう。

2.2 アプリが起動しない（クラッシュする）

🔹 発生原因:
スマホにインストールして実行しようとしたら、起動直後にアプリがクラッシュすることがあります。
主な原因は次のようなものです。

  • スクリプトでエラーが発生している
  • メモリ不足（特に古い端末で起こりやすい）
  • 必要な権限（カメラ、マイク、ストレージ）が不足している

🔹 解決策:
✅ ログを確認する

  1. Unityエディターの「Console」ウィンドウ にエラーが出ていないか確認する
  2. Androidの場合: 「adb logcat」コマンドで実機のログを確認
  3. iOSの場合: Xcodeの「Devices and Simulators」からログをチェック

Unityのコンソールだけでなく、「Noa Debugger for Unity」 を使うと、リアルタイムでエラーログを確認できるので、より効率的に問題を特定できます。開発中のクラッシュを素早く解決したい方におすすめです。
→ Noa Debugger for Unity をチェック

✅ スクリプトのエラーを修正する

  • Try-Catch 文を利用してエラーハンドリングを行う
  • 例えば、ゲーム開始時に NullReferenceException が発生する場合は、オブジェクトが null になっていないか確認する
void Start() {
    if (player != null) {
        player.Move();
    } else {
        Debug.LogError("Playerオブジェクトが見つかりません！");
    }
}

✅ メモリ負荷を減らす

  • 大きすぎるテクスチャや不要なオブジェクトを削除する
  • Resources.UnloadUnusedAssets() で不要なアセットを解放する

アプリがクラッシュする原因の1つにメモリ不足や処理負荷の問題があります。これを特定するためには、ゲームのフレームレートやメモリ使用量をリアルタイムで監視できるツールが便利です。例えば、Advanced FPS Counter を使えば、FPSやメモリ消費量を簡単に可視化し、クラッシュの原因をすぐに特定できます。



2.3 画面が真っ黒・UIが表示されない

🔹 発生原因:
ゲームを起動したら画面が真っ黒で何も表示されないことがあります。考えられる原因は次のようなものです。

  • カメラが正しく設定されていない
  • Canvasの設定が間違っている（特にUIが表示されない場合）
  • ライティングの問題でシーンが暗すぎる

🔹 解決策:
✅ カメラの設定を確認する

  1. ヒエラルキー（Hierarchy）ウィンドウで「Main Camera」を選択する
  2. Position（位置）が適切か確認する（Z 軸が -10 など適切な値になっているか）
  3. 「Clear Flags」の設定を「Skybox」または「Solid Color」に変更（「Don’t Clear」だと何も描画されない）

✅ UIが表示されない場合

  1. CanvasのRender Modeを「Screen Space – Overlay」にする
  2. 「Sorting Layer」や「Canvas Order」が適切か確認（他のUI要素の下に隠れていないか）

✅ シーンが暗すぎる場合

  1. 「Window」→「Rendering」→「Lighting」 を開き、「Auto Generate Lighting」を有効にする
  2. Directional Light を追加（「Hierarchy」→「右クリック」→「Light」→「Directional Light」）

2.4 タッチ操作が反応しない

🔹 発生原因:
スマホでタップしてもボタンが反応しなかったり、スワイプ操作が機能しないことがあります。考えられる原因は次の通り。

  • EventSystemがシーンに存在しない
  • Inputのスクリプトが間違っている
  • UIのボタンが非アクティブになっている

🔹 解決策:
✅ EventSystemを追加する

  1. ヒエラルキー（Hierarchy）ウィンドウで「右クリック」→「UI」→「EventSystem」を追加
  2. すでにある場合は、削除せずにそのまま使用

✅ スクリプトを修正する
タッチの検出には Input.touchCount を使用するのが一般的。
例えば、以下のようなコードでタップを検出できる。

void Update() {
    if (Input.touchCount > 0) {
        Touch touch = Input.GetTouch(0);
        if (touch.phase == TouchPhase.Began) {
            Debug.Log("画面がタップされました！");
        }
    }
}

✅ UIボタンの設定を確認する

  • ボタンの Interactable プロパティがオフになっていないか確認
  • 「Raycast Target」が有効になっているかチェック

タッチ入力の処理をシンプルにしたい場合は「Mobile Tools」を活用すると便利です。

  • タッチ、スワイプ、ピンチイン・アウトのジェスチャーを簡単に実装可能
  • iOS・Android両対応で、スムーズな動作を実現



2.5 サウンドが鳴らない

🔹 発生原因:
ゲーム内でBGMやSE（効果音）を再生しようとしても、音が鳴らないことがあります。よくある原因は以下の通りです。

  • AudioSourceがアタッチされていない
  • ミュート設定になっている
  • 音量（Volume）が0になっている
  • AudioClipが正しく設定されていない

🔹 解決策:
✅ AudioSourceの確認

  1. ヒエラルキー（Hierarchy）ウィンドウでサウンドを再生したいオブジェクトを選択
  2. インスペクター（Inspector）ウィンドウで 「AudioSource」コンポーネントがあるかチェック
  3. なければ、オブジェクトを選択して 「Add Component」→「AudioSource」 を追加

✅ ミュート設定の確認

  1. Unityのメニューから 「Edit」→「Project Settings」→「Audio」 を開く
  2. 「Mute Other Audio Sources」 がオンになっている場合はオフにする
  3. AudioSourceの「Mute」チェックが入っていないか確認

✅ スクリプトで再生する
音が鳴らない場合、スクリプトで以下のように再生できるか試す。

public AudioSource audioSource;
public AudioClip soundEffect;

void Start() {
    if (audioSource != null && soundEffect != null) {
        audioSource.clip = soundEffect;
        audioSource.Play();
    } else {
        Debug.LogError("AudioSourceまたはAudioClipが設定されていません！");
    }
}

2.6 画面サイズが崩れる（UIのスケーリング問題）

🔹 発生原因:
スマホの画面サイズによってUIが崩れてしまうことがあります。考えられる原因は次のようなものです。

  • Canvasの設定が適切でない
  • アンカーポイントが適切に設定されていない
  • テキストやボタンが画面外にはみ出している

🔹 解決策:
✅ Canvasの設定を修正する

  1. Canvas Scalerコンポーネントを確認する
    • 「UI Scale Mode」が 「Constant Pixel Size」になっている場合は「Scale With Screen Size」 に変更
  2. Reference Resolution（基準解像度）を設定する
    • 例えば 「1080×1920（縦画面）」や「1920×1080（横画面）」 を設定

✅ アンカーポイントの調整

  • UIを選択し、「Rect Transform」の「Anchor」 を適切な位置に設定
  • ボタンなどのUIは画面中央に配置したい場合、Anchorを「Middle Center」にする

✅ オートレイアウトを活用する

  • UIの配置がずれる場合は「Horizontal Layout Group」や「Vertical Layout Group」を使用すると、画面サイズに応じて自動調整できる

「Noa Debugger for Unity」を使えば、リアルタイムでUIの表示状態を確認できるため、スマホゲーム開発時の画面サイズ調整がスムーズになります。
→ Noa Debugger for Unity をチェック

スマホゲームでは、端末ごとの解像度やフレームレートの違いによってUIが崩れることがあります。UIのスケーリング問題を確認する際に、リアルタイムでFPSをチェックできる**Advanced FPS Counter** を活用すると、パフォーマンスの影響を分析しながら調整が可能になります。

2.7 Google PlayストアやApp Storeの申請でリジェクトされる

🔹 発生原因:
スマホゲームをGoogle PlayストアやApp Storeに公開しようとすると、審査でリジェクトされることがあります。主な原因は以下のようなものです。

  • 不要な権限を要求している（Androidの場合、位置情報や通話権限が不要なのにリクエストしている）
  • App Storeのポリシーに違反している（iOSのプライバシーポリシーが適切に設定されていない）
  • 64bit対応がされていない（Android）

🔹 解決策:
✅ Androidの場合（Google Playストア）

  1. 不要な権限を削除する
    • 「AndroidManifest.xml」を開いて、不要なパーミッションを削除する
    • 例えば、カメラを使わないのに android.permission.CAMERA が含まれている場合は削除
  2. 64bit対応を確認する
    • 「Build Settings」→「Player Settings」→「Other Settings」から「ARM64」にチェックを入れる

✅ iOSの場合（App Store）

  1. プライバシーポリシーを設定する
    • iOSアプリでは NSCameraUsageDescription や NSMicrophoneUsageDescription などが設定されていないと審査に通らない
    • これらのキーを「Info.plist」に追加し、適切な説明を書く
  2. App Store Connectでテストを実施する
    • TestFlightを利用して、実際にアプリが動作するかチェック



3. まとめ

Unityでスマホゲームを開発すると、さまざまなエラーに直面することがあります。特に初心者のうちは、ビルドが通らなかったり、アプリが正常に動作しなかったりと、トラブルが尽きません。しかし、エラーの原因を特定し、適切な対処法を知っておけば、解決できることがほとんどです。

エラーを解決するために重要なのは、次の3つのポイントです。

  1. エラーメッセージを確認する
    Unityの「Console」ウィンドウを開き、エラーメッセージを確認しましょう。特に、赤いエラー（致命的エラー）は無視せず、原因を特定することが重要です。
  2. ログを活用する
    実機での動作を確認する際は、Debug.Log() を活用して、スクリプトのどの部分で問題が発生しているかを特定しましょう。また、Androidなら「Logcat」、iOSなら「Xcodeのログ」も確認すると、エラーの詳細がわかります。
  3. 公式ドキュメントやフォーラムを活用する
    Unity公式のマニュアルやフォーラムには、よくあるエラーの解決方法が掲載されています。また、Stack OverflowやUnityコミュニティでも、同じ問題に直面した開発者の質問と回答が見つかることがあります。

エラーが発生しても焦らず、一つずつ原因をチェックしながら対応していきましょう！
Unityのスマホゲーム開発では、試行錯誤の連続ですが、その分スキルも向上していきます。この記事を参考にして、エラーを乗り越え、楽しいゲーム開発を続けてください！



よくある質問（FAQ）

Q
Androidでビルドができません。何を確認すればいいですか？
A

SDK/NDKの設定が正しいか、「Player Settings」の設定を確認してください。

Q
iOSで起動するとすぐにクラッシュします。どうすればいい？
A

Xcodeのログを確認し、スクリプトのエラーを修正しましょう。

Q
タッチ操作が反応しません。どこをチェックすべき？
A

EventSystemが存在するか、Inputの処理が正しく記述されているか確認しましょう。

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