1. はじめに
Unityでチーム開発をするとき、「どこに何のファイルがあるのかわからない…」と困ったことはありませんか?フォルダ構成や命名規則がバラバラだと、プロジェクトが大きくなるにつれて管理が難しくなり、最悪の場合、バグや作業ミスの原因になってしまいます。
例えば、スクリプトが Scripts
フォルダにまとまっておらず、適当な場所に保存されていたらどうでしょうか?誰かが新しいスクリプトを作成するとき、似たような名前のファイルがすでに存在することに気付かず、重複して作ってしまうかもしれません。また、テクスチャやオーディオファイルが適当な場所に散らばっていると、どれが最新の素材なのか判断しにくくなります。
チームでのUnity開発を円滑に進めるためには、 プロジェクトのフォルダ構成と命名規則を統一することが非常に重要 です。整理されたフォルダ構成があると、メンバー全員がどこに何を保存すればよいのか迷わずに済み、開発スピードが格段に向上します。また、適切な命名規則を導入することで、コードの可読性が向上し、バグの発生も抑えられます。
この記事では、 Unityのチーム開発で推奨されるフォルダ構成と命名規則のベストプラクティス を詳しく解説します。
「これを守れば、チーム開発がスムーズに進む!」という実践的なルールを紹介するので、ぜひ参考にしてください!
2. Unityプロジェクトの基本フォルダ構成
Unityプロジェクトを開くと、いくつかのフォルダが自動的に作成されます。これらのフォルダには、それぞれ重要な役割があり、適切に管理することで開発の効率が向上します。ここでは、Unityの基本的なフォルダ構成について解説します。
Unityのデフォルトフォルダ
Unityプロジェクトを作成すると、以下のフォルダが自動的に作成されます。
1. Assetsフォルダ
Assets/
フォルダは、Unityプロジェクトの中心となるフォルダです。すべてのアセット(スクリプト、シーン、マテリアル、テクスチャ、音声など)がこの中に保存されます。Unityエディタの「プロジェクト(Project)」ウィンドウで表示されるのもこのフォルダの内容です。
ポイント:
Assets/
フォルダの中を整理しておかないと、ファイルが増えるにつれて管理が難しくなります。フォルダを用途ごとに分類し、適切に整理しましょう。
2. Packagesフォルダ
Packages/
フォルダには、Unityのパッケージマネージャー(Package Manager)で導入したパッケージの情報が格納されます。例えば、Unityの標準機能(UI Toolkit, Input System など)や、外部ライブラリ(Cinemachine, TextMeshPro など) が含まれます。
ポイント:
Packages/
フォルダの中は基本的に手動で編集しません。追加・削除は Unityの Package Manager から行いましょう。
3. ProjectSettingsフォルダ
ProjectSettings/
フォルダには、プロジェクトの設定ファイルが含まれています。例えば以下のような設定が保存されています。
- タグとレイヤーの設定(TagManager.asset)
- インプット設定(InputManager.asset)
- グラフィックス設定(GraphicsSettings.asset)
- ビルド設定(EditorBuildSettings.asset)
- 物理演算設定(Physics2DSettings.asset など)
ポイント:
ProjectSettings/
の内容は Gitでバージョン管理するのが推奨 されます。チーム開発の場合、誤って設定が変わらないように注意しましょう。
4. Libraryフォルダ
Library/
フォルダは、Unityエディタが自動的に作成するキャッシュデータやコンパイル済みのファイルを格納するフォルダです。このフォルダを削除してもプロジェクトの元データは失われませんが、再度開くとUnityが再コンパイルを行うため、ビルド時間が大幅に増加 することがあります。
ポイント:
Library/
フォルダは Gitで管理する必要はありません。.gitignore
に含めておきましょう。
5. Tempフォルダ
Temp/
フォルダは、Unityがプロジェクトの一時ファイルを保存するためのフォルダです。Unityを閉じると基本的に削除されるため、手動で管理する必要はありません。
ポイント:
Temp/
フォルダは一時的な作業ファイルを保存するだけ なので、削除しても問題ありません。
Assetsフォルダの基本構成
Assets/
フォルダの中には、プロジェクトのコンテンツがすべて保存されます。そのため、適切なフォルダ構成を作ることが大切です。ここでは、一般的なフォルダ構成を紹介します。
1. Scripts(スクリプト)
C#スクリプトを管理するフォルダです。スクリプトが増えてくると見つけにくくなるため、用途別にサブフォルダを作るのが推奨されます。
例:
Assets/
└── Scripts/
├── Player/ // プレイヤー関連のスクリプト
├── Enemy/ // 敵のスクリプト
├── UI/ // UI関連のスクリプト
├── Managers/ // ゲーム管理スクリプト
└── Utilities/ // 汎用的なスクリプト
2. Scenes(シーン)
ゲームのシーンデータを管理するフォルダです。シーン名は一貫性のある命名ルールを守ると管理しやすくなります。
例:
Assets/
└── Scenes/
├── Scene_Title.unity // タイトル画面
├── Scene_Level1.unity // レベル1
├── Scene_Level2.unity // レベル2
├── Scene_GameOver.unity // ゲームオーバー画面
3. Prefabs(プレハブ)
プレハブ(Prefab)を管理するフォルダです。プレハブとは、オブジェクトのテンプレートのようなもので、繰り返し使用するオブジェクトを格納します。
4. Materials(マテリアル)
3Dオブジェクトに適用するマテリアルを保存するフォルダです。Shaders/
サブフォルダを作成して、シェーダーを整理するのも良い方法です。
5. Textures(テクスチャ)
画像テクスチャを管理するフォルダです。解像度ごとにフォルダを分けると便利です。
6. Audio(サウンド)
BGMや効果音を保存するフォルダです。音の種類ごとにサブフォルダを作成すると管理しやすくなります。
7. Animations(アニメーション)
アニメーション関連のデータを保存するフォルダです。Animator/
フォルダを用意してAnimator Controllerを管理すると整理しやすくなります。
8. UI(ユーザーインターフェース)
ボタンやHUD(ヘッドアップディスプレイ)などのUI関連のアセットを保存するフォルダです。
9. Resources(リソース)
Resources/
フォルダに入れたアセットは、スクリプトから Resources.Load()
を使ってロードできます。ただし、このフォルダに大量のデータを入れるとメモリ管理が難しくなるため、可能な限りアセットバンドルを使うのが推奨 されています。
10. Editor(エディタ拡張)
Unityエディタ用のスクリプトを格納するフォルダです。このフォルダにあるスクリプトはゲームのビルドには含まれません。
まとめ
Assets/
フォルダはプロジェクトの中心。しっかり整理しよう!Packages/
やProjectSettings/
はUnityの設定ファイル。Git管理に注意。Library/
やTemp/
は一時ファイルなのでGit管理は不要。Assets/
内のフォルダは、用途ごとに分類し、命名規則を統一すると管理が楽になる。

これで、Unityプロジェクトの基本的なフォルダ構成が理解できたと思います。次は「チーム開発で推奨されるフォルダ構成」について詳しく解説していきます!
3. チーム開発で推奨されるフォルダ構成
Unityのプロジェクトをチームで開発する場合、フォルダ構成がしっかりしていないと、メンバーごとにファイルの保存場所がバラバラになり、管理が難しくなります。特に大規模なプロジェクトでは、整理されたフォルダ構成が作業の効率化につながり、エラーや競合のリスクを減らすことができます。
ここでは、チーム開発に適したフォルダ構成の例と、それぞれのフォルダの役割について解説します。
推奨されるフォルダ構成
以下は、チーム開発に適したフォルダ構成の一例です。
Assets/
├── _ProjectName/ // プロジェクトごとのルートフォルダ
│ ├── Scripts/ // C#スクリプト
│ ├── Scenes/ // シーンファイル
│ ├── Prefabs/ // プレハブ
│ ├── Materials/ // マテリアル
│ ├── Textures/ // テクスチャ
│ ├── Audio/ // サウンド
│ ├── Animations/ // アニメーション
│ ├── UI/ // ユーザーインターフェース
│ ├── Resources/ // 動的ロード用アセット
│ ├── Editor/ // エディタスクリプト
│ ├── Plugins/ // 外部プラグイン
│ ├── ThirdParty/ // 外部アセット
│ ├── Test/ // テスト用シーンやスクリプト
フォルダごとの役割
✅ _ProjectName/
このフォルダをプロジェクトのルートディレクトリとして、各アセットをまとめます。
フォルダ名の先頭に 「_」 をつけることで、Unityエディタ上で最上部に表示され、見つけやすくなります。
✅ Scripts/
C#スクリプトを格納するフォルダです。
スクリプトが増えてきたら、以下のようにサブフォルダを作ると管理がしやすくなります。
Scripts/
├── Player/ // プレイヤー関連のスクリプト
├── Enemy/ // 敵関連のスクリプト
├── UI/ // UI制御スクリプト
├── System/ // ゲーム全体の管理スクリプト
✅ Scenes/
シーンデータを管理するフォルダです。
シーンファイルは 「Scene_」 をつけることで、わかりやすく管理できます。
Scenes/
├── Scene_Title.unity // タイトル画面
├── Scene_Level1.unity // レベル1のゲームシーン
├── Scene_Level2.unity // レベル2のゲームシーン
✅ Prefabs/
プレハブ(Prefab)を保存するフォルダです。
こちらも種類ごとに整理すると良いでしょう。
Prefabs/
├── Characters/ // キャラクターのプレハブ
├── Items/ // アイテムのプレハブ
├── UI/ // UI関連のプレハブ
✅ Materials/
マテリアル(Material)やシェーダー(Shader)を格納するフォルダです。
Materials/
├── Player.mat
├── Enemy.mat
├── Environment.mat
✅ Textures/
テクスチャ(Texture)やスプライト(Sprite)を格納するフォルダです。
ファイル名に 「Tex_」 をつけると管理しやすくなります。
Textures/
├── Tex_Grass.png
├── Tex_Stone.png
├── Tex_Character.png
✅ Audio/
サウンドエフェクトやBGMを管理するフォルダです。
用途ごとに分けると、後で探しやすくなります。
Audio/
├── BGM/ // BGM
├── SFX/ // 効果音
✅ Animations/
アニメーションデータ(Animation、Animator)を格納するフォルダです。
Animations/
├── Player/ // プレイヤーのアニメーション
├── Enemy/ // 敵のアニメーション
✅ UI/
UI関連のプレハブやスクリプト、画像をまとめるフォルダです。
UI/
├── Prefabs/ // UIプレハブ
├── Sprites/ // UI用画像
├── Scripts/ // UI制御スクリプト
✅ Resources/
動的にロードするアセットを格納するフォルダです。
使用する際は、リソースの管理を慎重に行いましょう。
✅ Editor/
Unityエディタの拡張スクリプトを格納するフォルダです。
✅ Plugins/
外部プラグイン(アセットストアで購入したアセットなど)を格納するフォルダです。
✅ ThirdParty/
サードパーティ製のアセットやライブラリを管理するフォルダです。Plugins
と分けることで、プロジェクト内の整理がしやすくなります。
✅ Test/
テスト用シーンやデバッグスクリプトを管理するフォルダです。
フォルダ構成のポイント
- 命名規則を統一する
- 例えば「Scripts」と「Script」、「Textures」と「Tex」など、表記の揺れをなくす
- 英語表記で統一すると、国際的な開発環境でも対応しやすい
- ファイルの種類ごとに整理する
- シーンデータは
Scenes/
、スクリプトはScripts/
にまとめる - スクリプトを管理しやすいように、機能別にサブフォルダを作成する
- シーンデータは
- フォルダ名の先頭に「_」をつける
"_ProjectName/"
のようにすることで、エディタ内で最上部に表示できる- 特にルートフォルダに適用すると管理しやすくなる
- チーム全体でルールを共有する
- フォルダ構成のルールをドキュメント化して、全員が統一する

Unityのプロジェクトは、適切なフォルダ構成を作ることで管理がスムーズになり、チームメンバー間の混乱を防ぐことができます。
特にフォルダ構成と命名規則を統一することで、検索しやすくなり、作業効率が向上します。
プロジェクトが大きくなる前に、チーム全体でルールを決めて徹底することが重要です!
不要なアセットの整理でプロジェクトを軽量化しよう
チーム開発では、プロジェクト内に使われていないアセットが蓄積しがちです。こうした不要なアセットが多いと、プロジェクトのロード時間やビルド時間が長くなり、開発効率が低下します。
そこでおすすめなのが 「Asset Hunter PRO」 です。このツールを使えば、プロジェクト内の未使用アセットをスキャンしてリスト化し、簡単に削除できます。
ぜひ活用して、プロジェクトをスリム化しましょう!
4. Unityプロジェクトの命名規則
Unityのチーム開発では、統一された命名規則を決めておくことが非常に重要です。開発メンバーごとに命名のルールがバラバラだと、可読性が低下し、管理が難しくなるだけでなく、バグの発生原因にもなります。
ここでは、スクリプト、プレハブ、マテリアル、シーンファイル、アニメーション、タグ・レイヤーなどの命名規則について、チーム開発で推奨されるベストプラクティスを紹介します。
1. スクリプト(C#)の命名規則
スクリプトの命名は、クラス名に合わせた適切な命名ルールを設定すると、可読性が向上し、役割が明確になります。
✅ クラス名
- PascalCase(パスカルケース) を使用
- 単語の先頭を大文字にし、単語をつなげる
- クラスの役割がわかるようにする(例:
PlayerController
、EnemyAI
)
public class PlayerController : MonoBehaviour
{
void MovePlayer()
{
// プレイヤーの移動処理
}
}
✅ メソッド名
- camelCase(キャメルケース) を使用
- 最初の単語は小文字、それ以降の単語の先頭を大文字にする
- 動詞を使って動作を表現(例:
movePlayer()
、attackEnemy()
)
void movePlayer()
{
// プレイヤーの移動処理
}
✅ 変数名
- camelCase(キャメルケース) を使用
- 意味がわかる名前をつける(例:
playerSpeed
、enemyHealth
) - ブール変数は
is
やhas
をつける(例:isJumping
、hasKey
)
float playerSpeed = 5.0f;
bool isJumping = false;
✅ 定数
- すべて大文字 + アンダースコア を使用(例:
MAX_HEALTH
、DEFAULT_SPEED
)
const int MAX_HEALTH = 100;
2. プレハブ(Prefab)の命名規則
プレハブは、オブジェクトの種類や役割を明確にすることが大切です。
✅ プレハブの命名ルール
種類_オブジェクト名.prefab
の形式にする- 例:
Character_Player.prefab
(プレイヤーキャラのプレハブ)Item_Coin.prefab
(コインアイテムのプレハブ)Enemy_Goblin.prefab
(ゴブリンの敵プレハブ)
💡 Tips: フォルダ内で見つけやすくするために、種類ごとにプレハブを整理するのも有効です。
Assets/
├── Prefabs/
│ ├── Character/
│ │ ├── Character_Player.prefab
│ │ ├── Character_NPC.prefab
│ ├── Items/
│ │ ├── Item_Coin.prefab
│ │ ├── Item_HealthPack.prefab
│ ├── Enemies/
│ │ ├── Enemy_Goblin.prefab
│ │ ├── Enemy_Orc.prefab
3. マテリアル・テクスチャの命名規則
マテリアルやテクスチャの名前が統一されていないと、どのオブジェクトに適用すべきかが分かりづらくなります。
✅ マテリアルの命名ルール
Mat_オブジェクト名
の形式- 例:
Mat_Player
(プレイヤー用のマテリアル)Mat_EnemyGoblin
(ゴブリン敵用のマテリアル)Mat_UIButton
(UIボタンのマテリアル)
✅ テクスチャの命名ルール
Tex_オブジェクト_素材
の形式- 例:
Tex_Wall_Stone
(石の壁テクスチャ)Tex_Character_Hair
(キャラクターの髪テクスチャ)
Assets/
├── Materials/
│ ├── Mat_Player.mat
│ ├── Mat_EnemyGoblin.mat
├── Textures/
│ ├── Tex_Wall_Stone.png
│ ├── Tex_Character_Hair.png
4. シーンファイル(Scene)の命名規則
シーンファイルは、プロジェクトのフェーズや役割がわかるようにすることが重要です。
✅ シーンの命名ルール
Scene_用途
の形式- 例:
Scene_Title
(タイトル画面)Scene_Level1
(レベル1)Scene_GameOver
(ゲームオーバー画面)
Assets/
├── Scenes/
│ ├── Scene_Title.unity
│ ├── Scene_Level1.unity
│ ├── Scene_GameOver.unity
5. アニメーションの命名規則
アニメーションは、どのオブジェクトのどんな動作かがすぐにわかるようにするのがポイントです。
✅ アニメーションの命名ルール
Anim_対象_動作
の形式- 例:
Anim_Player_Run
(プレイヤーの走りアニメーション)Anim_Enemy_Attack
(敵の攻撃アニメーション)
Assets/
├── Animations/
│ ├── Anim_Player_Run.anim
│ ├── Anim_Player_Jump.anim
│ ├── Anim_Enemy_Attack.anim
6. オブジェクトのタグ・レイヤー命名規則
ゲームオブジェクトを管理しやすくするために、タグやレイヤーの名前も統一しておきましょう。
✅ タグの命名ルール
- 単数形 を使う
- 例:
Player
Enemy
Item
Bullet
✅ レイヤーの命名ルール
- 用途を明確にする
- 例:
UI
Ground
Water
Obstacle
まとめ
Unityのチーム開発では、命名規則を統一することで、可読性が向上し、管理がしやすくなるだけでなく、ミスを防ぐことができます。以下のポイントを意識して、プロジェクトの整理整頓をしましょう。
✅ スクリプトは PascalCase(クラス名)と camelCase(変数・メソッド)を使用
✅ プレハブは「種類_オブジェクト名」の形式で命名
✅ マテリアルは「Mat_オブジェクト名」、テクスチャは「Tex_オブジェクト_素材」
✅ シーンは「Scene_用途」でわかりやすく管理
✅ アニメーションは「Anim_対象_動作」で統一
✅ タグ・レイヤーも統一し、意味が明確な名前をつける

これらのルールを徹底することで、チーム開発の効率を大幅に向上させることができます!
「シーン内のオブジェクトを適切に命名しても、ヒエラルキーウィンドウで探しづらいと開発スピードが落ちてしまいます。そんなときに役立つのが Ultimate Hierarchy PRO。オブジェクトを色分けしたり、カスタムアイコンを設定できるので、視認性が格段に向上します。」
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5. バージョン管理(Git)との連携
チームでUnityプロジェクトを開発する際、バージョン管理システム(VCS) の導入は必須です。特に Git を使えば、複数人での同時開発や変更履歴の管理がスムーズになります。ここでは、UnityとGitを連携するためのベストプラクティスを解説します。
5.1 Gitでフォルダ構成を維持するためのベストプラクティス
Gitを使う際に意識すべきポイントは、不要なファイルを管理対象から外し、必要なデータだけを正しくバージョン管理すること です。
特に、Unityプロジェクトは ビルド時に自動生成されるファイルが多く、それらをGitに含めるとリポジトリが肥大化する原因 になります。
そのため、Gitの設定ファイル(.gitignore
)を適切に設定 することが重要です。
5.2 Gitの.gitignore設定例
UnityのプロジェクトをGitで管理する際は、以下の .gitignore
設定を追加しておくと、不要なファイルを除外できます。
# Unity関連の不要ファイルを除外
Library/
Temp/
Obj/
Logs/
MemoryCaptures/
Build/
Builds/
UserSettings/
# Visual Studio関連の不要ファイルを除外
.vscode/
*.csproj
*.sln
*.suo
*.user
*.cache
*.pidb
*.booproj
*.svd
*.pdb
*.opendb
# MacOS関連の不要ファイル
.DS_Store
この設定により、一時ファイルやビルドデータをリポジトリに含めず、重要なファイルだけを管理 できます。
5.3 Gitを使ったチーム開発の基本フロー
Gitを使うことで、複数人が同時に作業しながらコードを統合する ことができます。
以下のフローを守ると、効率的なチーム開発が可能です。
1. メインブランチを分ける
チームでの開発では、以下のような ブランチ運用 をおすすめします。
ブランチ名 | 役割 |
---|---|
main | 安定版のリリース用ブランチ |
develop | 開発用の統合ブランチ |
feature/〇〇 | 機能ごとの作業ブランチ |
main
ブランチ … 本番環境にリリースできる状態のみを保持する。develop
ブランチ … 最新の開発状態をまとめる。feature/〇〇
ブランチ … 個々の開発作業を行い、完了後にdevelop
へ統合する。
2. 作業ブランチを作る
新しい機能を開発する場合は、develop
から作業ブランチを作成します。
git checkout develop
git pull origin develop
git checkout -b feature/new-feature
3. 作業が完了したらブランチを統合する
機能が完成したら feature
ブランチを develop
に統合します。
git checkout develop
git pull origin develop
git merge feature/new-feature
git push origin develop
4. プルリクエスト(Pull Request)を活用
GitHubやGitLabでは、プルリクエスト(PR)を活用すると、レビューがしやすくなります。
コードレビューを行うことで、品質の高いコードを保つことができます。
5.4 シーンファイルの競合を防ぐ
Unityの シーンファイル(.unity
)やプレハブ(.prefab
)はバイナリデータ なので、Gitのマージが困難です。
これを回避するために、以下の2つの対策を取ると良いでしょう。
- テキストベースのアセットに変更 Unityの設定で、シーンファイルやプレハブをテキスト形式(YAML)に変更 すると、Gitでの競合解決がしやすくなります。 設定方法:
- Unityのメニューから
Edit > Project Settings
を開く Editor
の項目を選択Asset Serialization
を Force Text に変更
- Unityのメニューから
- シーン編集の担当者を分ける シーンファイルを同時に編集すると競合しやすいため、担当者を明確にし、1つのシーンを複数人が同時に編集しないようにする と良いでしょう。
5.5 バージョン管理の注意点
Gitを使用する際に気を付けるべきポイントは以下の通りです。
- Gitの履歴をこまめにコミットする
- 変更が大きくなる前に 小さな単位でコミット すると、後で差分を把握しやすくなります。
- 必ず
pull
してからpush
する- 他の人が変更した内容を取り込まずに
push
すると、コンフリクトが発生しやすくなります。 git pull origin develop
を習慣にしましょう。
- 他の人が変更した内容を取り込まずに
- ブランチを適切に管理する
- 作業が終わった
feature
ブランチは削除し、不要なブランチが増えないようにする。
git branch -d feature/new-feature git push origin --delete feature/new-feature
- 作業が終わった
5.6 まとめ
- Gitを使えばチーム開発がスムーズになり、ミスを減らせる
- 不要なファイルを
.gitignore
に追加し、リポジトリを軽量化 - ブランチを適切に管理し、プルリクエストを活用
- シーンファイルの競合を防ぐために、テキスト形式への変更を推奨
- 定期的に
pull
して、常に最新の状態を維持する

Gitを正しく運用することで、Unityのチーム開発がより効率的になり、プロジェクトの管理が楽になる ので、ぜひ取り入れてみてください!
プロジェクトを整理して、チーム開発をスムーズに!
フォルダ構成や命名規則を統一することで、プロジェクト管理の効率が向上し、チーム開発が円滑になります。さらに、定期的に不要なアセットを整理することも重要です。
もしプロジェクトが重くなってきたと感じたら、「Asset Hunter PRO」 を使って不要なアセットをスキャン&削除しましょう!これにより、プロジェクトの軽量化やビルド時間の短縮が期待できます。
6. まとめ
チームでUnityプロジェクトを開発する際、フォルダ構成と命名規則を統一することは非常に重要です。ルールが決まっていないと、アセットやスクリプトがバラバラに配置され、どこに何があるのか分からなくなり、管理が難しくなります。特に大規模なプロジェクトや長期間の開発では、整理された構成が作業効率を大きく向上させます。
適切なフォルダ構成を作ることで、
✅ アセットをすぐに見つけられる
✅ 不要な重複を防げる
✅ 作業の分担がスムーズになる
✅ バグやエラーのリスクを減らせる
といったメリットがあります。
また、命名規則を統一することも重要です。例えば、スクリプトやプレハブ、マテリアル、シーンファイルなどが一貫したルールで命名されていれば、誰が見ても直感的に理解でき、修正や拡張がしやすくなります。
さらに、Gitなどのバージョン管理システムと組み合わせることで、より効率的な開発が可能になります。特に、.gitignore
を適切に設定し、シーンファイルの競合を避ける工夫をすると、チーム内のトラブルを減らせます。
💡 まとめると…
- フォルダ構成を統一し、プロジェクトの整理を徹底する
- 命名規則を決めて、わかりやすく管理する
- Gitなどのバージョン管理を活用し、チーム開発をスムーズにする
プロジェクトの開始時にルールをしっかり決め、それをチーム全体で遵守することで、開発の効率が向上し、よりスムーズに高品質なゲームを制作できるようになります。
「フォルダ構成と命名規則を制する者は、プロジェクトを制する!」
ぜひ、今回紹介したベストプラクティスを活用して、快適なUnity開発環境を整えてください!
よくある質問(FAQ)
- Qフォルダ構成はプロジェクトごとに変えたほうがいいですか?
- A
基本的な構成は統一しつつ、プロジェクトの規模やジャンルに応じてカスタマイズするのがベストです。
- Q
Resources
フォルダは使わないほうがいいと言われますが、本当ですか? - A
Resources
フォルダは便利ですが、大量に使うとメモリ管理が難しくなるため、アセットバンドルなどの仕組みを活用するのが推奨されます。
- Q命名規則をチームに徹底させる方法は?
- A
ドキュメント化し、コードレビューやPRの際にチェックする仕組みを導入すると良いです。