Unityエラー解決

【初心者必見】Unity WebGLビルドエラーの原因と対処法まとめ

Unity

1. はじめに

Unityで開発したゲームをブラウザ上で動作させたいときに便利なのが「WebGLビルド」です。WebGL(Web Graphics Library)は、Webブラウザ上で3Dグラフィックスを描画できる技術で、UnityではこのWebGLに対応した形でゲームをビルド(出力)できます。

例えば、ゲームのデモ版を公開したり、軽量なカジュアルゲームをWeb上でプレイできるようにする場合に、WebGLビルドはよく利用されます。特に、インストール不要で誰でもすぐにプレイできるのがWebGLの大きなメリットです。

しかし、いざWebGLでビルドをしようとすると、**「ビルドが失敗する」「エラーが出る」「実行しても動かない」**といったトラブルが発生することがあります。これは、WebGL特有の制限や、設定ミスが原因であることが多いです。

この記事では、WebGLビルドが失敗する主な原因と、その解決策を詳しく解説していきます。Unity初心者の方でも理解しやすいように、具体的な設定の確認ポイントやエラーメッセージの対処方法を紹介するので、ぜひ最後まで読んでWebGLビルドを成功させましょう!




2. WebGLビルドが失敗する主な原因

UnityでWebGLビルドをしようとしたら、エラーが出てうまくいかない…そんな経験はありませんか?
WebGLはブラウザ上で動作するため、通常のビルドと異なる制約があります。そのため、よくある問題を理解し、適切に対処することが大切です。ここでは、WebGLビルドが失敗する主な原因を解説します。


1. ビルド設定のミス

WebGLビルドを成功させるには、正しい設定が必要です。以下の点を確認しましょう。

Build SettingsでWebGLが選択されているか?
「File」→「Build Settings」を開き、「WebGL」を選択したうえで「Switch Platform」を押しましょう。間違えてPCやAndroidを選んでいると、正しくビルドできません。

Player Settingsの調整は適切か?
「Edit」→「Project Settings」→「Player」→「WebGL」タブを開き、以下の項目を確認してください。

  • Compression Format → 「Gzip」または「Brotli」を選択(デフォルトは推奨設定)
  • Enable Exceptions → 「Full」を選択(エラー解析用、一時的に有効化)
  • Memory Size適切な値を設定(大きすぎるとクラッシュ、小さすぎるとOut of Memory)

2. 使用しているアセットやコードの互換性問題

UnityのWebGLは ネイティブコード(C++やDLL)をサポートしていません。そのため、以下のようなアセットやコードが原因でビルドに失敗することがあります。

🚨 WebGL非対応のシェーダーを使用している
Unityの一部のシェーダーはWebGLでは動作しません。特に以下のようなシェーダーは注意が必要です。

  • Compute Shader(WebGLでは未対応)
  • 一部のPost Processingエフェクト(Bloom, Depth of Fieldなど)
  • カスタムシェーダー(Shader Graphで作られたものも要チェック)

解決策
WebGL対応のシェーダーを使用するか、シェーダーの簡略化を検討しましょう。

🚨 ネイティブコード(DLL)を使用している
WebGLは C++のネイティブコードやDLL(Dynamic Link Library)を実行できません
Asset Storeの一部のアセット(物理演算、VR関連など)はDLLを使用しているため、WebGLでは動かないことがあります。

解決策

  • 代替のC#スクリプトベースのアセットを探す
  • ネイティブコードを使わない実装に変更する

🚨 未対応のAPIを使用している
WebGLは 特定のC# APIをサポートしていません。特に以下のような機能は使用できません。

  • System.IO(ファイル操作)
  • スレッド(マルチスレッド処理)
  • Socket通信(低レベルネットワーク処理)

解決策

  • WebGL向けの代替APIを使用する(例:PlayerPrefs でデータを保存する)
  • ネットワーク通信はUnityWebRequestを利用する



3. メモリやファイルサイズの制約

WebGLは通常のPC向けビルドとは異なり、使用できるメモリに制限があります。
特に、ブラウザによっては 256MB以上のメモリ使用を制限 していることがあり、これを超えるとクラッシュすることがあります。

🚨 「Out of Memory」エラーが出る
WebGLのメモリ不足が原因でビルドが失敗したり、ロード時にクラッシュすることがあります。

解決策

  • Player Settingsの「Memory Size」を適切な値に設定する(推奨値256~512MB)
  • 大きすぎるテクスチャを圧縮する
  • オーディオデータの圧縮(MP3やVorbisを使用)
  • 不要なアセットを削除する

🚨 ビルドサイズが大きすぎる
WebGLビルドでは、すべてのデータがダウンロードされてから実行 されるため、ファイルサイズが大きすぎると ロード時間が長くなる or メモリ不足でクラッシュ することがあります。

解決策

  • 不要なアセットを削除する
  • アセットバンドル(AssetBundle)を活用する
  • Streaming Assetsを使用して、必要なデータだけをロードする
  • テクスチャ圧縮を適用(ASTC, ETC2 など)

4. ブラウザの制約

Unity WebGLはブラウザ上で動作するため、ブラウザの設定によっては動かない ことがあります。

🚨 WebGLをサポートしていないブラウザを使用している
古いブラウザや Internet Explorer(IE) ではWebGLは動作しません。

解決策

  • Chrome, Firefox, Edge, Safari など最新のブラウザを使用する

🚨 セキュリティ設定でブロックされている
一部のブラウザでは、ローカル環境でWebGLを実行する際に制限がかかることがあります。

解決策

  • 簡易HTTPサーバー(Python, Node.jsなど)を使用してローカルで動作確認するyamlコピーする編集するpython -m http.server 8000
  • ブラウザの開発者ツール(F12)でエラーメッセージを確認する

5. ビルドエラーやコンパイルエラー

WebGLビルドが失敗する場合、まず Consoleウィンドウのエラーメッセージを確認 しましょう。

🚨 スクリプトのエラーが原因
ビルドが途中で止まる場合、C#のスクリプトにエラーがある可能性があります。

解決策

  • Consoleウィンドウのエラーメッセージを確認する
  • エラーのあるスクリプトを修正する

🚨 IL2CPP変換エラー
WebGLビルドでは IL2CPP(Intermediate Language to C++) という変換プロセスを使用します。この変換中にエラーが発生するとビルドが止まります。

解決策

  • 「Edit」→「Project Settings」→「Player」→「Other Settings」→「Scripting Backend」が「IL2CPP」になっていることを確認
  • Unityのバージョンを最新にアップデート
  • ビルド時に「Development Build」を有効にして詳細なエラーメッセージを確認

まとめ

Unity WebGLのビルドが失敗する主な原因は以下の5つです:

  1. ビルド設定のミス
  2. 使用しているアセットやコードの互換性問題
  3. メモリやファイルサイズの制約
  4. ブラウザの制約
  5. ビルドエラーやコンパイルエラー

次のセクションでは 具体的な解決策 を詳しく解説します!




3. WebGLビルドの解決策

WebGLビルドに失敗したときは、原因を特定して適切に対処することが大切です。ここでは、よくある問題の解決策を詳しく解説します。


1. 正しいビルド設定を確認しよう

WebGLビルドが失敗する場合、まずは Build Settings(ビルド設定) を確認しましょう。

✅ Build Settingsのチェック

  1. 「File」→「Build Settings」を開く
  2. 「WebGL」を選択し、「Switch Platform」をクリック
    • もし「WebGL」になっていなかったら、ここで変更
  3. 「Development Build」のチェックを外す
    • デバッグ用ビルドはサイズが大きくなりやすいので、通常のビルドでは不要
  4. 「Compression Format(圧縮フォーマット)」を適切に設定
    • GzipBrotli を選ぶとファイルサイズを小さくできる
    • ただし、サーバー側の設定が必要になることもある

✅ Player Settings(プレイヤー設定)の確認

  1. 「Edit」→「Project Settings」→「Player」を開く
  2. WebGLタブを選択
  3. メモリサイズ(Memory Size)を適切に設定
    • デフォルトは256MB、必要なら512MB~1024MBに増やす
  4. 「Enable Exceptions」を「None」にする
    • 例外処理をオフにすると、パフォーマンスが向上する

2. 互換性の問題をチェック

WebGLはすべてのUnity機能に対応しているわけではありません。特に シェーダーネイティブプラグイン に注意が必要です。

✅ 使用できない機能を避ける

問題解決策
一部のシェーダーが表示されないWebGL対応の Standard ShaderUnlit Shader を使う
ネイティブプラグイン(DLL)が動作しないWebGLでは ネイティブプラグイン が使えないため、代替手段を検討する
System.IO のような特定のAPIが動かないWebGLは ローカルファイルの読み書きができない ため、代わりに PlayerPrefs を使う

✅ Unity公式のWebGL制約を確認

Unityの公式ドキュメントには、WebGLで使用できない機能のリストがあります。ビルド前にチェックしておきましょう。

🔗 Unity公式WebGL制約リスト




3. メモリやファイルサイズを最適化

WebGLはメモリ制限が厳しく、特に ロード時のファイルサイズ に注意が必要です。

✅ アセットの最適化

  1. 不要なテクスチャ・モデルを削除
    • 使っていないアセットは 「Assets」フォルダから削除 しておく
  2. テクスチャの圧縮を有効にする
    • Texture Import Settings で「Compression」を「High」に設定
  3. オーディオファイルの圧縮
    • MP3やOgg Vorbis に変換すると、サイズを小さくできる
  4. 「Assets」→「Build Settings」→「Player Settings」から「Strip Engine Code」を有効化
    • 使っていないエンジン機能を削減し、ビルドサイズを減らせる

4. ブラウザの設定を確認

WebGLビルドが成功しても、ブラウザで動かないことがあります。これは ブラウザのセキュリティ設定や互換性 に関係している場合があります。

✅ ブラウザのデバッグ方法

  1. ChromeやFirefoxのデベロッパーツールを開く(F12キー)
  2. 「Console」タブでエラーメッセージを確認
    • Uncaught TypeErrorCross-Origin Request Blocked などのエラーがないかチェック
  3. 「Network」タブでファイルの読み込み状況を確認
    • Failed to load resource が出ていたら、サーバー設定を見直す

✅ セキュリティ設定の変更

  • ローカル環境でWebGLを実行するときは、セキュリティ制限の影響を受けることがある
  • 簡易HTTPサーバーを使うと解決することが多い
python -m http.server

このコマンドを使うと、ローカルでWebGLを動かせるようになります。


5. エラーメッセージを解析して修正

WebGLビルド時に Consoleウィンドウ にエラーメッセージが出ることがあります。エラーメッセージを読み取って、原因を特定しましょう。

✅ よくあるエラーメッセージと解決策

エラーメッセージ原因解決策
Out of Memoryメモリ不足Player SettingsMemory Size を増やす
Build folder is emptyビルドに失敗しているBuild Settings の出力先フォルダを確認
Script errorC#スクリプトのエラーConsole タブを見てスクリプトのエラーを修正
WebGL context lostブラウザの制限メモリ使用量を減らす・別のブラウザで試す

まとめ

WebGLビルドの問題は 設定ミス、互換性の問題、メモリ制限、ブラウザの制約、スクリプトエラー などが原因で起こります。
解決策としては、以下のポイントを試しましょう。

ビルド設定を見直す(WebGLを選択・圧縮設定を最適化)
シェーダーやネイティブコードをチェック(未対応のものを削除)
アセットサイズを減らしてメモリを最適化
ブラウザのデバッグツールでエラーを確認
エラーメッセージを解析し、具体的に修正する

これらの方法を試せば、多くのWebGLビルドの問題は解決できます! 🎮💡




4. WebGLビルドの最適化テクニック

WebGLビルドは、PC向けのビルドと比べるとリソース制限が厳しく、最適化が必要です。特に、パフォーマンスを向上させつつ、ビルドサイズを抑えることが重要になります。ここでは、WebGLビルドを軽量かつスムーズに動作させるための最適化テクニックを紹介します。


① パフォーマンス最適化

WebGLは基本的にCPU・GPUのリソースをフル活用することが難しいため、ゲームの負荷を軽減する工夫が必要です。以下のテクニックを試して、動作をスムーズにしましょう。

1. 不要な処理を削減する

Update関数の中で毎フレーム行われる処理を見直しましょう。特に、以下のような処理は負荷が高くなりやすいです。

高負荷な処理の例

  • 大量のオブジェクトを毎フレーム更新
    Update()LateUpdate() の中での頻繁な計算を削減
  • 過剰な物理演算
    → RigidbodyやColliderを多用しない
  • 大量のFindやGetComponentの呼び出し
    → 変数にキャッシュすることで不要な処理を減らす

🔹 解決策

private Rigidbody rb;

void Start() {
rb = GetComponent<Rigidbody>(); // 一度取得してキャッシュ
}

void Update() {
rb.AddForce(Vector3.up * 10f); // 毎回 GetComponent を呼び出さない
}

2. LOD(Level of Detail)の活用

3Dオブジェクトの描画負荷を下げるために、LOD(レベル・オブ・ディテール) を利用しましょう。
LODを使うと、カメラから遠いオブジェクトはポリゴン数の少ないモデルに自動で切り替わるため、描画負荷を大幅に下げられます。

LOD設定手順:

  1. ヒエラルキーウィンドウで最適化したいオブジェクトを選択
  2. Inspectorウィンドウで「Add Component」→「LOD Group」を追加
  3. LODレベル(LOD0, LOD1, LOD2)ごとにモデルを設定
  4. シーンビューでカメラの距離に応じて切り替えを調整

3. 動的オブジェクトの数を減らす

WebGLではオブジェクトのインスタンス生成(Instantiate)や削除(Destroy)のコストが高いため、なるべく最小限にしましょう。

🔹 解決策

  • オブジェクトプールを活用する
    → 使い回し可能なオブジェクトをあらかじめ作成し、無効化/有効化で管理する
  • 不要なオブジェクトの削除を最適化
    Destroy() を頻繁に使わないようにする
csharpコピーする編集するvoid Start() {
    gameObject.SetActive(false); // 使わなくなったオブジェクトは無効化
}



② ビルドサイズの軽量化

WebGLビルドは容量が大きくなりがちなので、できるだけ小さく抑えることが大切です。以下の方法でファイルサイズを削減できます。

1. テクスチャの圧縮

高解像度のテクスチャをそのまま使うとビルドサイズが肥大化します。Unityのテクスチャ圧縮機能を活用しましょう。

テクスチャ圧縮の方法:

  1. Projectウィンドウでテクスチャを選択
  2. Inspectorウィンドウで「Texture Type」を「Default」に設定
  3. 「Compression」を「Compressed」に変更
  4. 「Max Size」を512や1024に下げる

✅ 圧縮フォーマットの選び方

  • WebGL向けには「ASTC」や「DXT」フォーマットが最適
  • アルファ付きの画像は「ETC2」がおすすめ

2. アセットバンドル(AssetBundle)の活用

アセットバンドルを使うと、必要なリソースだけを後からダウンロードして読み込める ので、初回のロードを軽くできます。

アセットバンドルの作成方法:

  1. アセットを選択し、Inspectorで「AssetBundle」のタグを設定
  2. 「Build AssetBundle」を実行
  3. サーバーから動的に読み込む
IEnumerator LoadAssetBundle(string url) {
using (UnityWebRequest www = UnityWebRequestAssetBundle.GetAssetBundle(url)) {
yield return www.SendWebRequest();
AssetBundle bundle = DownloadHandlerAssetBundle.GetContent(www);
}
}

3. 不要なアセットを削除

  • 未使用のスクリプト、テクスチャ、オーディオを削除
  • プロジェクト内の未使用アセットを確認する方法
    → 「Window」 → 「Analysis」 → 「Profiler」で無駄なリソースを特定



③ ビルド設定の最適化

UnityのPlayer Settingsを適切に設定することで、WebGLビルドの動作を軽量化できます。

1. Player Settingsの調整

「Edit」 → 「Project Settings」 → 「Player」 で以下の設定を変更します。

最適な設定

  • Compression Format(圧縮方式)
    → 「Gzip」または「Brotli」を選択(ビルドサイズを削減)
  • Memory Size(メモリサイズ)
    → 256MB以下に設定(WebGLの制約を考慮)
  • WebGL Linker Target
    → 「Wasm」を選択(WebAssemblyの最適化)



まとめ

WebGLビルドを最適化するには、以下のポイントが重要です:

  1. パフォーマンス最適化
    • 不要な処理を削減する
    • LODを活用して描画負荷を減らす
    • インスタンス生成を最適化する
  2. ビルドサイズの軽量化
    • テクスチャを圧縮する
    • アセットバンドルを活用する
    • 不要なアセットを削除する
  3. ビルド設定を最適化
    • 圧縮設定を適切に選択
    • メモリサイズを適切に設定
    • WebGL Linker Targetを最適化

このような工夫をすることで、WebGLのビルドサイズを抑えつつ、スムーズに動作するゲームを作ることができます!




よくある質問(FAQ)

Q
WebGLビルド時に「Out of Memory」エラーが出る場合の対処法は?
A

Player Settingsでメモリサイズを増やす / アセットの軽量化を行う

Q
WebGLビルド後にブラウザで動かないのはなぜ?
A

コンソールのエラーメッセージを確認 / セキュリティ設定の変更が必要な場合あり

Q
WebGLビルド後のロード時間が長い場合、どうすればいい?
A

アセットサイズの最適化 / 圧縮設定の調整 / Streaming Assetsの活用

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