はじめに
UnityでAndroid向けにビルドしようとしたとき、「Gradle build failed」というエラーに遭遇したことはありませんか?
このエラーは初心者から上級者まで、多くのUnity開発者が直面する問題のひとつです。
「Gradle build failed」は、UnityがAndroidアプリをビルドする際に使用するGradleというツールが正常に動作しなかったことを示しています。
Gradleは、Androidアプリのビルドプロセスを管理する重要なツールですが、バージョンの不一致、SDKの設定ミス、インターネット接続の問題など、さまざまな原因でエラーが発生することがあります。
このエラーが発生すると、Android用のゲームを作成・テストできなくなってしまいます。
しかし、エラーメッセージを正しく読み解き、適切な対処をすれば、解決できる場合がほとんどです!
この記事では、
✅ 「Gradle build failed」の主な原因
✅ エラーメッセージ別の解決策
✅ Gradleエラーを防ぐためのポイント
を、初心者にも分かりやすく解説していきます。
「何が原因なのか分からない…」と悩んでいる人も、この記事を読めばスムーズに問題を解決できるようになります。
それでは、さっそく「Gradle build failed」エラーの原因と対策を見ていきましょう!
よくある「Gradle build failed」エラーの原因と解決策
UnityでAndroid向けにビルドしようとしたときに「Gradle build failed」というエラーが表示されることがあります。このエラーは、Gradleの設定や環境の問題が原因で発生することが多いです。ここでは、代表的な原因とその解決策を紹介します。
1. Gradleバージョンの不一致
原因
Unityは特定のバージョンのGradleを使用しますが、手動で異なるバージョンを指定している場合や、Gradleの設定ファイルが壊れているとビルドに失敗することがあります。
解決策
- Unityの推奨するGradleバージョンを確認する
- Unityの「Edit」→「Preferences」→「External Tools」から使用しているGradleのバージョンを確認しましょう。
- Gradleのバージョンを手動で設定する
android/gradle/wrapper/gradle-wrapper.properties
を開き、以下のように修正します。
distributionUrl=https\://services.gradle.org/distributions/gradle-6.1.1-all.zip
- 上記の「6.1.1」の部分は、Unityの推奨バージョンに変更してください。
- Gradleをリセットする
C:\Users\ユーザー名\.gradle
を削除し、Unityを再起動すると、必要なGradleが再ダウンロードされます。
2. JDKのバージョンが適切でない
原因
UnityはJava Development Kit (JDK) を使用してビルドを行いますが、古いJDKや互換性のないバージョンを使っているとエラーが発生します。
解決策
- JDKのバージョンを確認する
- Unityの「Edit」→「Preferences」→「External Tools」で設定されているJDKのパスを確認。
- 推奨バージョンは JDK 11 ですが、Unityのバージョンによって異なるため公式ドキュメントをチェックしましょう。
- 適切なJDKをインストールする
- JDKを最新のものに更新する場合は、以下のサイトからダウンロード:
- OpenJDK: https://adoptium.net/
- インストール後、環境変数
JAVA_HOME
を正しいパスに設定してください。
- JDKを最新のものに更新する場合は、以下のサイトからダウンロード:
3. Android SDK & NDKの設定ミス
原因
Android SDKまたはNDKのバージョンが正しく設定されていない場合、Gradleが必要なツールを見つけられずエラーになります。
解決策
- Android SDKのパスを確認する
- Unityの「Edit」→「Preferences」→「External Tools」で「Android SDK」のパスを確認します。
- Android Studioを使用している場合は、
C:\Users\ユーザー名\AppData\Local\Android\Sdk
にあることが多いです。
- SDKツールを最新にする
- Android Studioを開き、「SDK Manager」から「Android SDK」→「SDK Tools」で「Android SDK Build-Tools」や「NDK」を最新に更新。
- NDKのバージョンが適切かチェック
- Unityの「Edit」→「Preferences」→「External Tools」で設定されているNDKのバージョンを確認し、推奨バージョンに合わせる。
4. ProguardやR8の設定ミス
原因
ProguardやR8(コード圧縮ツール)が有効になっていると、一部の設定ミスによりビルドが失敗することがあります。
解決策
- Proguardを無効化する
gradle.properties
を開き、以下の設定を追加:android.enableR8=false
- Proguardが不要なら、
proguard-rules.pro
ファイルの設定を削除する。
- カスタムProguard設定を修正する
proguard-rules.pro
にエラーの原因となる設定がある場合、-keep
ルールを追加して影響を回避できます。
5. インターネット接続エラー(Gradleのダウンロード失敗)
原因
Gradleがダウンロードできず、オフラインモードのままになっているとビルドが失敗します。
解決策
- オフラインモードを解除する
gradle.properties
を開いて、次の設定を追加または変更:
org.gradle.offline=false
- 手動でGradleをダウンロード
- 公式サイト https://gradle.org/releases/ から該当バージョンのGradleをダウンロードし、
gradle/wrapper/
に配置する。
- 公式サイト https://gradle.org/releases/ から該当バージョンのGradleをダウンロードし、
6. キャッシュの破損
原因
Gradleのキャッシュが壊れていると、正しく動作しません。
解決策
- Gradleのキャッシュを削除
C:\Users\ユーザー名\.gradle
を削除android/.gradle
フォルダを削除- Unityを再起動し、Gradleを再ダウンロード
7. その他のエラー
エラーの確認方法
エラーメッセージの詳細は、Unityの Consoleウィンドウ で確認できます。もしエラーログが分かりにくい場合は、gradle.log
を有効にする方法もあります。
よくあるエラーメッセージと解決策
エラーメッセージ | 原因 | 解決策 |
---|---|---|
Could not find com.android.tools.build:gradle | Gradleが正しく設定されていない | Gradleのバージョンを見直し、再ダウンロード |
java.lang.OutOfMemoryError | メモリ不足 | gradle.properties に org.gradle.jvmargs=-Xmx4g を追加 |
Execution failed for task ':mergeDebugResources' | リソースの競合 | build.gradle の compileSdkVersion を更新 |
まとめ
- GradleのバージョンをUnityに合わせる
- JDK、SDK、NDKのバージョンを適切に設定
- キャッシュ削除&再ダウンロードで解決することも
- エラーメッセージをしっかりチェックする

これで、Gradleのエラーを解決できるはず!
「まだ解決できない!」という場合は、エラーログをチェックして、エラーメッセージを検索すると具体的な対策が見つかるかもしれません。
Gradleエラーを防ぐための予防策
「Gradle build failed」エラーは、Android向けのUnityプロジェクトをビルドする際によく発生する問題です。エラーが出るたびに対処するのも大事ですが、そもそもエラーが発生しないように環境を整えておくことが重要です。ここでは、Gradleエラーを未然に防ぐための予防策を紹介します。
1. 最新のUnity推奨環境を確認する
Unityのバージョンごとに推奨されるGradle、JDK、Android SDKのバージョンが異なります。
公式ドキュメントやリリースノートを定期的にチェックし、最新の推奨環境を確認しておきましょう。
🔹 推奨環境を確認する方法
- Unity Hub を開く
- 「インストール」 タブから使用中のUnityバージョンを選択
- 「モジュールを追加」 をクリックし、適切なSDKやNDKがインストールされているか確認
また、Unity公式サイトの推奨環境ページでも最新情報をチェックできます。
2. Gradleのバージョン管理をする
Gradleのバージョンが古すぎたり、新しすぎたりすると、ビルドエラーの原因になります。
UnityではGradleのバージョンを手動で更新・管理することができるので、適切なバージョンを設定しておきましょう。
🔹 Gradleバージョンを確認する方法
- Unityの「Preferences」 を開く(Windowsでは「Edit」→「Preferences」)
- 「External Tools」タブを選択
- 「Gradle Installed with Unity (recommended)」が有効になっているかチェック
もしカスタムGradleを使用する場合は、公式Gradleサイト から適切なバージョンをダウンロードして設定してください。
3. Android SDK & NDKを定期的に更新する
Android SDKやNDKのバージョンが古いと、Gradleのビルドプロセスと互換性が取れずにエラーが発生することがあります。
これを防ぐために、定期的にSDKとNDKをアップデートしましょう。
🔹 SDK & NDKの更新手順
- Unityの 「Preferences」→「External Tools」 を開く
- 「Android SDK」と「NDK Installed with Unity」をチェック
- 「Android SDK Manager」 を開いて、最新のSDKバージョンを確認
- 必要に応じてAndroid Studioを使用してアップデート
⚠ 注意:
SDKをアップデートした後は、古いバージョンと競合しないように、パス設定を確認しましょう。
4. ビルド環境を安定させるためのポイント
Gradleのビルド環境を安定させるためには、以下のポイントも意識しておきましょう。
✅ 1. キャッシュを定期的にクリアする
Gradleのキャッシュが破損すると、エラーが発生することがあります。
以下のディレクトリを定期的に削除して、クリーンな状態にしておきましょう。
📂 Windows:C:\Users\ユーザー名\.gradle\caches
📂 Mac:~/.gradle/caches
✅ 2. オフラインモードを解除する
Gradleのオフラインモードが有効になっていると、新しい依存関係を取得できず、ビルドエラーが発生することがあります。gradle.properties
に org.gradle.offline=false
を設定して、オンラインモードにしておきましょう。
✅ 3. Proguard設定を見直す
Proguard(コード最適化ツール)の設定が適切でないと、ビルドが失敗することがあります。
問題がある場合は proguard-rules.pro
を確認し、不要な設定を削除することを検討しましょう。
✅ 4. 正しいJDKのバージョンを使用する
JDKのバージョンがUnity推奨のものと異なると、ビルド時に問題が発生する可能性があります。
推奨バージョンを確認し、適切なJDKをインストールしましょう。
まとめ
Gradleエラーは、適切な環境設定を行えば未然に防ぐことができます。
以下のポイントを押さえて、エラーの発生を減らしましょう。
✅ Unityの推奨環境を常にチェックする
✅ Gradleのバージョン管理を適切に行う
✅ Android SDK & NDKを定期的に更新する
✅ キャッシュクリアやオフラインモードの設定を見直す
✅ JDKのバージョンを適切に管理する

これらの対策を行うことで、Android向けのUnityプロジェクトをスムーズにビルドできるようになります!
まとめ:Gradle build failedエラーの解決策をおさらい
UnityでAndroid向けにビルドする際に発生する「Gradle build failed」エラーは、多くの開発者が直面する問題ですが、適切な対処を行えば解決できます。
この記事では、エラーの主な原因と解決策を紹介しました。もう一度、ポイントをおさらいしましょう。
✅ Gradle build failedエラーの主な原因と解決策
- Gradleバージョンの不一致
→ UnityのGradleバージョンを確認し、適切なものに設定する - JDKのバージョンが適切でない
→ Unityの推奨JDKをインストールし、バージョンを合わせる - Android SDK & NDKの設定ミス
→ UnityのExternal ToolsでSDKパスを正しく指定する - ProguardやR8の設定ミス
→gradle.properties
やproguard-rules.pro
を見直す - インターネット接続エラー(Gradleのダウンロード失敗)
→ オフラインモードを解除し、Gradleを手動でダウンロードする - キャッシュの破損
→.gradle
フォルダを削除してキャッシュをクリアする - その他のGradleエラー
→ エラーログを確認し、適切な対処法を探る
🔹 今後の開発でエラーを避けるためのポイント
- Unityの 推奨環境(JDK、SDK、Gradleのバージョン)を定期的に確認する
- Android SDKやNDKを 最新版にアップデート する
- Gradleの オフラインキャッシュを有効活用 し、不要なダウンロードエラーを防ぐ
- ビルド前にエラーログを しっかり確認 し、問題を早期に特定する

Unityのビルドエラーは初心者にとってハードルが高く感じるかもしれませんが、1つ1つ原因を探っていけば必ず解決できます!
この記事を参考にして、快適なAndroidアプリ開発を進めていきましょう!🚀
よくある質問(FAQ)
- QUnityのGradleエラーはどこで確認できますか?
- A
Unityの「Console」ウィンドウでエラーログをチェックするか、ビルド時の詳細ログを出力する設定をオンにして確認できます。
- QJDKのバージョンが原因でビルドが失敗するのはなぜですか?
- A
Unityの推奨JDKバージョンと異なる場合、ビルドエラーが発生することがあります。公式ドキュメントで推奨バージョンを確認し、適切なJDKをインストールしてください。
- QGradleのアップデート方法を教えてください。
- A
gradle-wrapper.properties
のdistributionUrl
を最新のバージョンに変更し、Gradleを再ダウンロードすることでアップデートできます。