1. はじめに
Unityでは、オブジェクトの外見や挙動を簡単にカスタマイズできます。その中でも、オブジェクトの透明化はゲーム制作でよく使われるテクニックのひとつです。たとえば、プレイヤーが特定のアクションを起こしたときに壁が透明になって視界が開ける、といった場面を作ることができます。
「でも、どうやってスクリプトを使って透明化するの?」と思う方もいるかもしれませんね。本記事では、別のスクリプトを使ってシーン内のオブジェクトを透明化する方法を、初心者でも理解しやすいようにわかりやすく解説します。
このガイドでは、以下の内容をカバーします:
- シーン内にキューブを追加し、透明化を可能にするための準備
- Materialの設定と透明化に必要なスクリプトの作成
- 実際に透明化を動作させるテスト方法
Unityを初めて触る方でも安心して取り組めるよう、ステップバイステップで進めていきます。それでは、さっそく始めましょう!
Unityを触ったことがないという方はコチラの記事から見てみてください!
2. シーンにキューブを追加
まずはシーンにキューブを追加して、透明化の対象となるオブジェクトを作りましょう。以下の手順に従って進めてください。
手順 1: キューブをシーンに追加
- ヒエラルキー(Hierarchy)ウィンドウを右クリックします。
- 表示されるメニューから「3D Object」→「Cube」を選びます。
- シーン内にキューブが追加されるのを確認してください。
手順 2: マテリアルの作成
次に、キューブにマテリアル(Material)を適用します。これにより、透明化などの見た目を制御できるようになります。
- プロジェクトウィンドウを右クリックします。
- 「Create」→「Material」を選択します。
- 新しいマテリアルが作成されるので、名前を「TransparentMaterial」に変更してください。
手順 3: キューブにマテリアルを適用
- 作成した「TransparentMaterial」をドラッグ&ドロップでキューブに適用します。
- シーンビューでキューブがマテリアルの影響を受けていることを確認してください。
ワンポイントアドバイス
- キューブのサイズや位置を調整したい場合は、ヒエラルキーでキューブを選択し、インスペクターの「Transform」設定を変更してください。
- シーンが見づらい場合は、Sceneビューのカメラ位置を調整して作業しやすい環境を整えましょう。

これでキューブとそのマテリアルの設定が完了しました!次のステップでは、マテリアルのRenderingModeを透明化に適した設定に変更します。
3. MaterialのRenderingModeをFadeに設定
キューブの透明化を実現するには、MaterialのRenderingModeを「Fade」に設定する必要があります。この設定を行うことで、オブジェクトの不透明度(アルファ値)を調整できるようになります。
なぜRenderingModeをFadeにするの?
UnityのMaterialにはレンダリングモードがあり、それぞれ異なる表示方法が設定されています。主なモードは以下の通りです:
- Opaque(不透明):完全に不透明なオブジェクトに使用します。
- Transparent(透明):アルファ値に応じて透明度を完全に管理できます。
- Fade:オブジェクトをフェードさせる際に使用します。透明にする過程でも滑らかに表示されます。
- Cutout:特定のアルファ値を境に表示/非表示を切り替えるモードです。
今回は透明化が目的なので、「Fade」を選びます。
手順:RenderingModeをFadeに変更する
- Materialを選択
- プロジェクトウィンドウから作成したMaterialをクリックして選択します。
- インスペクターでRenderingModeを設定
- インスペクターに表示されるMaterialのプロパティを確認します。
- 「RenderingMode」という項目が表示されます。
- ドロップダウンメニューをクリックし、「Fade」を選択します。
- 変更を確認
- RenderingModeを「Fade」に設定した状態で、Materialを適用しているキューブをシーンビューで確認します。
- この設定で、スクリプトを使用して透明化を制御できるようになりました。
補足:RenderingModeを変更しないとどうなる?
もしRenderingModeを「Opaque」のままにしていると、アルファ値を0(完全に透明)にしてもオブジェクトは不透明なまま表示されます。そのため、透明化の制御が正しく動作しません。RenderingModeを必ず確認しましょう!

次のステップでは、透明化を実現するスクリプトを作成していきます!
4. スクリプトの作成
ここでは、別のスクリプトからオブジェクトを透明化するためのスクリプトを作成します。手順を1つずつ説明しますので、一緒に進めていきましょう!
ステップ1: スクリプトを作成する
- プロジェクトウィンドウを右クリックします。
- **「Create」→「C# Script」**を選択します。
- 新しいスクリプトに名前を付けます。ここでは「ColorChange」とします。
ステップ2: スクリプトにコードを記述する
作成した「ColorChange」スクリプトをダブルクリックして開きます。以下のコードを入力してください。
using System.Collections;
using System.Collections.Generic;
using UnityEngine;
public class ColorChange : MonoBehaviour
{
public GameObject cube; // 透明化する対象のオブジェクトを設定
void Update()
{
// スペースキーが押されたときに実行
if (Input.GetKeyDown(KeyCode.Space))
{
// キューブの色を透明に変更
cube.GetComponent<Renderer>().material.color = new Color32(0, 0, 0, 0);
}
}
}
コードの解説
public GameObject cube;
- スクリプトを使って操作するオブジェクトを指定します。
public
にすることで、インスペクターで設定可能になります。
- スクリプトを使って操作するオブジェクトを指定します。
Input.GetKeyDown(KeyCode.Space)
- スペースキーが押された瞬間を検出します。この条件が満たされると、以下の処理が実行されます。
cube.GetComponent<Renderer>().material.color = new Color32(0, 0, 0, 0);
GetComponent<Renderer>()
でキューブのマテリアルにアクセスし、その色を透明に変更します。Color32
の最後の値(アルファ値)が透明度を表します。0
は完全に透明です。
ステップ3: スクリプトをアタッチする
- 作成したスクリプト「ColorChange」をヒエラルキー内の任意のオブジェクト(例: 空のオブジェクト)にドラッグ&ドロップしてアタッチします。
- スクリプトをアタッチしたオブジェクトを選択し、インスペクターの「Cube」フィールドにシーン内のキューブをドラッグ&ドロップして関連付けます。


これでスクリプトの準備は完了です!次はテストプレイで動作を確認してみましょう。
5. テストプレイ
では、実際にスクリプトが動作するかテストしてみましょう!以下の手順に従ってください。
- プレイモードを開始する Unityエディター上部にある「再生ボタン」をクリックして、プレイモードを開始します。
- スペースキーを押す キーボードで「スペースキー」を押してみましょう。これで、スクリプトが動作を開始し、キューブの色が透明になります。
- 透明化を確認する
- キューブが透明化しているか、シーンビューやゲームビューで確認します。
- 完全に透明になり、見えなくなっているはずです。
もしうまくいかない場合は、以下のポイントを確認してみてください:
- Cubeフィールドが設定されているか
インスペクターで、スクリプトがアタッチされたオブジェクトの「Cube」フィールドに、シーン内のキューブがドラッグ&ドロップされているかを確認します。 - MaterialのRenderingModeがFadeに設定されているか
キューブに適用したマテリアルのRenderingModeが「Fade」になっていない場合、透明化が正しく反映されません。 - コードが正しいか
スクリプトのコードに間違いがないか、特に「cube.GetComponent<Renderer>().material.color = new Color32(0,0,0,0);」の部分を確認してください。

これで、スクリプトを使った透明化のテストは完了です!スクリプトを応用すれば、さまざまな条件でオブジェクトの色を動的に変えることも可能です。ぜひ試してみてくださいね!
よくある質問(FAQ)
- Q透明化する以外に色を変更するにはどうすればいいですか?
- A
オブジェクトの色を変更するには、
Color32
の値を変更します。たとえば、オブジェクトを赤色にしたい場合、以下のコードを使用します。cube.GetComponent<Renderer>().material.color = new Color32(255, 0, 0, 255);
このコードでは、赤(R:255)、緑(G:0)、青(B:0)、透明度(A:255)を指定しています。透明化と同様に、スクリプト内で自由にカスタマイズ可能です。
- QMaterialが適用されない場合の対処法は?
- A
Materialが正しく適用されない場合、以下のポイントを確認してください。
- マテリアルのドラッグ&ドロップが正しいか確認
プロジェクトウィンドウからキューブにMaterialをドラッグ&ドロップしましたか? - MaterialのRenderingModeが設定済みか確認
RenderingModeを「Fade」または「Transparent」に設定しましたか?これを行わないと透明化が機能しない場合があります。 - Shaderが対応しているか確認
特定のShader(標準のもの以外)では、透明化がうまくいかないことがあります。Shaderを「Standard」に変更してください。
- マテリアルのドラッグ&ドロップが正しいか確認
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