1. はじめに
Unityでゲームを作るとき、数値を管理してその数値をループさせる仕組みが必要になることがあります。たとえば、武器の選択画面でアイテムを順番に切り替えたり、プレイヤーのスコアを管理したりする場合です。このような数値のループ処理を上手に実装できると、ゲームの操作性や管理のしやすさが格段に向上します。
この記事では、右キーを押すと数値が1ずつ増えて、最大値を超えると1に戻る。左キーを押すと数値が1ずつ減り、最小値より小さくなると最大値に戻る、という基本的なロジックをC#で実装する方法を解説します。
このスクリプトは、初心者でも簡単に理解できるよう、具体的な手順とコード例を交えて説明します。Unity初心者の方でも、この記事を読み進めることで「数値のループ処理」をゲームに活かす方法を学べるはずです。ぜひ一緒に進めてみましょう!
Unityを触ったことがないという方はコチラの記事から見てみてください!
2. プロジェクトの準備
このセクションでは、C#スクリプトを作成し、それをゲームオブジェクトにアタッチする方法を説明します。この準備ができれば、スクリプトを動かす環境が整います!
1. 新しいスクリプトの作成
まずはプロジェクトに新しいC#スクリプトを作成しましょう。以下の手順を実行してください:
- Unityエディタのプロジェクトウィンドウを開きます。画面下部または左側にあるウィンドウがそれです。
- プロジェクトウィンドウ内の空白部分を右クリックします。
- メニューから**「Create」→「C# Script」**を選択します。
- 新しいスクリプトの名前を**「NumberController」**に変更します。名前を間違えるとエラーが発生する場合があるので注意してください。
これで新しいスクリプトが作成されました!
2. スクリプトのアタッチ方法
作成したスクリプトをゲームオブジェクトにアタッチすることで、スクリプトがゲーム内で動作するようになります。次の手順でアタッチを行いましょう:
- Hierarchy(ヒエラルキー)ウィンドウで、適当なゲームオブジェクトを選択します。まだオブジェクトを作成していない場合は、以下の手順で新しいオブジェクトを作成してください:
- ヒエラルキーウィンドウを右クリック
- **「3D Object」→「Cube」**を選択
- 作成したスクリプト(
NumberController
)をプロジェクトウィンドウからドラッグし、選択したゲームオブジェクトにドロップします。 - 選択したゲームオブジェクトをクリックし、インスペクターウィンドウを確認してください。**「Number Controller (Script)」**というコンポーネントが追加されていれば成功です!

これでスクリプトの準備が整いました!次は実際に数値をループさせる仕組みをスクリプトに記述していきましょう。
3. スクリプトの実装
ここでは、数値をループさせるC#スクリプトを実装する手順を解説します。右キーを押すと数値が1ずつ増えて、3を超えると1に戻る仕組み、そして左キーを押すと数値が1ずつ減り、1より小さくなると3に戻る仕組みを作ります。初心者の方でも簡単に試せるよう、ステップごとに説明します!
必要なコードの解説
まず、新しいスクリプトを作成します。以下の手順に従って進めてください。
- プロジェクトウィンドウでスクリプトを作成
プロジェクトウィンドウを右クリックして「Create」→「C# Script」を選びます。新しいスクリプトに「NumberController」と名前を付けましょう。 - スクリプトをGameObjectにアタッチ
「NumberController」スクリプトを任意のGameObject(例: 空のオブジェクト)にドラッグ&ドロップしてアタッチします。
実際のコード
次に、以下のコードを「NumberController」スクリプトに記述します。
using UnityEngine;
public class NumberController : MonoBehaviour
{
private int number = 1; // 初期値を1に設定
void Update()
{
// 右キーが押されたとき
if (Input.GetKeyDown(KeyCode.RightArrow))
{
number++;
if (number > 3)
{
number = 1; // 3を超えたら1に戻る
}
Debug.Log("Current Number: " + number);
}
// 左キーが押されたとき
if (Input.GetKeyDown(KeyCode.LeftArrow))
{
number--;
if (number < 1)
{
number = 3; // 1より小さくなったら3に戻る
}
Debug.Log("Current Number: " + number);
}
}
}
Update() メソッドの使い方
Update()
メソッドはUnityでフレームごとに実行される特別なメソッドです。この中にキー入力をチェックする処理を書きます。
- 右キーが押されたとき
Input.GetKeyDown(KeyCode.RightArrow)
を使い、右矢印キーが押された瞬間を検知します。 - 左キーが押されたとき
Input.GetKeyDown(KeyCode.LeftArrow)
を使い、左矢印キーが押された瞬間を検知します。
キー入力で数値を変更するロジック
このコードでは、次のようにして数値を変更しています:
- 右キーの場合
number++
で数値を1増やします。増えた数値が3を超えたらnumber = 1
で1に戻します。 - 左キーの場合
number--
で数値を1減らします。減った数値が1未満になったらnumber = 3
で3に戻します。

これでスクリプトの実装は完了です!次は、このスクリプトが正しく動作するかどうか、Unityエディターでテストプレイして確認しましょう。次のセクションでテストの方法を解説します!
4. 動作確認とデバッグ方法
スクリプトを書き終えたら、実際に動作するかどうか確認してみましょう。このセクションでは、Unityエディターを使ったテスト方法と、デバッグで気をつけるべきポイントについて解説します。
1. スクリプトをGameObjectにアタッチする
- Unityエディターでスクリプトをアタッチしたいオブジェクトを選択します。例えば、
Main Camera
を選んでも構いません。 - プロジェクトウィンドウで作成した「NumberController」スクリプトを選択したオブジェクトにドラッグ&ドロップします。
- インスペクターに「NumberController」コンポーネントが追加されていることを確認してください。
2. ゲームビューでのテスト
- Unityエディター上部の再生ボタン(▶)をクリックして、ゲームを実行します。
- キーボードの右矢印キーを押して、数値が1ずつ増加し、3を超えると1に戻ることを確認します。
- 左矢印キーを押して、数値が1ずつ減少し、1未満になると3に戻ることを確認します。
3. Debug.Log()で動作を確認する
コードの中で数値が正しく変更されているか確認するために、Debug.Log()
を利用しましょう。以下の手順で確認できます。
- Consoleウィンドウを開く
Unityエディターのメニューから「Window」→「General」→「Console」を選択して、Consoleウィンドウを開きます。 - スクリプトの出力を確認する
スクリプト内の以下のコードが正しく動作しているかチェックしてください。csharpコピーする編集するDebug.Log("Current Number: " + number);
Consoleウィンドウに、キーを押すたびに現在の数値が表示されます。
4. エラーが出た場合の対処法
もし期待した動作をしない場合、以下を確認してみてください。
- スクリプトが正しくアタッチされているか?
アタッチがされていない場合、スクリプトは実行されません。対象のオブジェクトを選択して、インスペクターに「NumberController」が表示されているか確認しましょう。 - Consoleにエラーが表示されていないか?
Consoleウィンドウに赤いエラーメッセージが出ている場合、スクリプト内でスペルミスや文法エラーがある可能性があります。エラーメッセージをダブルクリックすると該当箇所が表示されるので、修正しましょう。 - キー入力が認識されているか?
環境設定でキーボードが正しく動作しているか確認してください。必要に応じて、KeyCode
の指定を再確認してください。
5. テスト後に再生モードを停止する
ゲームビューでの動作確認が終わったら、再生ボタンを再びクリックして再生モードを停止します。再生モードのままスクリプトを編集すると変更が保存されない場合があるので注意しましょう。

これで動作確認とデバッグの基本が完了です!動作に問題がないことを確認したら、他のプロジェクトでもこのスクリプトを活用してみてください。Debug.Log()を活用することで、プログラムの動きが目で見えるようになり、さらに理解が深まりますよ!
よくある質問(FAQ)
- Q数値を0から始めるにはどうすればいいですか?
- A
数値を0から始める場合は、スクリプト内の
number
の初期値を0
に変更してください。また、if
文で最大値と最小値を調整する際に、範囲を適切に設定します。以下のコード例をご覧ください。private int number = 0; // 初期値を0に設定
void Update()
{
if (Input.GetKeyDown(KeyCode.RightArrow))
{
number++;
if (number > 3)
{
number = 0; // 3を超えたら0に戻る
}
Debug.Log("Current Number: " + number);
}
if (Input.GetKeyDown(KeyCode.LeftArrow))
{
number--;
if (number < 0)
{
number = 3; // 0より小さくなったら3に戻る
}
Debug.Log("Current Number: " + number);
}
}
- Q他のキーで操作するにはどうすればいいですか?
- A
使用するキーを変更する場合は、
Input.GetKeyDown()
の中のキーコードを別のものに置き換えるだけです。たとえば、A
キーとD
キーを使いたい場合は、以下のようにコードを修正します。if (Input.GetKeyDown(KeyCode.D)) // Dキーで数値を増加
{
number++;
if (number > 3)
{
number = 1;
}
Debug.Log("Current Number: " + number);
}
if (Input.GetKeyDown(KeyCode.A)) // Aキーで数値を減少
{
number--;
if (number < 1)
{
number = 3;
}
Debug.Log("Current Number: " + number);
}
- Q数値の範囲を変更する方法はありますか?
- A
数値の範囲を変更する場合は、
if
文内の条件を調整してください。たとえば、数値の範囲を1
から5
に拡大するには以下のように書き換えます。private int number = 1; // 初期値を1に設定
void Update()
{
if (Input.GetKeyDown(KeyCode.RightArrow))
{
number++;
if (number > 5) // 最大値を5に設定
{
number = 1;
}
Debug.Log("Current Number: " + number);
}
if (Input.GetKeyDown(KeyCode.LeftArrow))
{
number--;
if (number < 1) // 最小値を1に設定
{
number = 5;
}
Debug.Log("Current Number: " + number);
}
}
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