1. はじめに
Unityを使ってゲームを作るとき、オブジェクトが破壊される瞬間に「バチッ」や「ボンッ」といった効果音を鳴らしたいと思ったことはありませんか?こうした効果音を加えるだけで、ゲームの臨場感がぐっと高まりますよね!
しかし、初心者の方がよく直面するのが「効果音が鳴らない」という問題です。たとえば、オブジェクトが破壊されたタイミングで効果音を鳴らそうとしたのに、オブジェクトと一緒にAudioSourceも消えてしまい、音が聞こえない……そんな経験がある方も多いのではないでしょうか?
この記事では、この「音が鳴らない問題」を解決する2つの簡単な方法を紹介します。それぞれの手順を詳しく解説するので、Unity初心者でも安心して実装できますよ!ゲームをもっと楽しく、もっと魅力的にするために、ぜひこの記事を参考にしてくださいね!
2. 効果音が再生されない原因
Unityでオブジェクトが破壊される瞬間に効果音を再生したいのに、「音が鳴らない!」という問題に直面したことはありませんか?これには、いくつかの原因がありますが、多くの場合は次のような理由が挙げられます。
原因1: オブジェクトと一緒にAudioSourceも破棄される
Unityでは、Destroy()
メソッドを使ってオブジェクトを破壊すると、そのオブジェクトに関連付けられているコンポーネント(例えばAudioSource)も一緒に破棄されます。つまり、AudioSourceが音を再生する前に削除されてしまうため、効果音が聞こえないのです。
原因2: AudioClipの設定ミス
AudioSourceに設定されたAudioClipが正しく設定されていない場合や、PlayOnAwake
が有効になっていないと、音が再生されないことがあります。また、AudioClip自体が破損している場合も原因の一つです。
原因3: スクリプトのタイミングの問題
スクリプトで音を再生する処理を記述している場合、効果音の再生処理がDestroy()
の後に実行されると、音が再生される前にオブジェクトが破棄されます。このタイミングのズレもよくあるトラブルです。
原因4: 音量設定が小さすぎる
効果音の音量が極端に小さい場合、再生されていてもプレイヤーに聞こえないことがあります。これは特にゲーム全体のBGMや他の効果音が大きい場合に問題になります。

これらの原因を理解することで、次に解説する解決方法がより分かりやすくなります。「音が鳴らない問題」をしっかり解決して、ゲームのクオリティを一段と高めていきましょう!
3. 解決策①:Prefabを使った方法
効果音が鳴らない問題を解決する方法のひとつは、**Prefab(プレハブ)**を使う方法です。この方法では、効果音を再生する専用のPrefabを作成して、オブジェクトの破壊直前にそれを呼び出すことで、確実に効果音を再生できます。以下に手順を詳しく説明します。
Step 1: AudioSource付きのPrefabを作成する
- 新しいGameObjectを作成
- Hierarchyウィンドウで右クリックして「Create Empty」を選び、新しいGameObjectを作成します。
- 名前を「AudioPrefab」としておきます。
- AudioSourceコンポーネントを追加
- 「AudioPrefab」を選択し、Inspectorウィンドウの「Add Component」ボタンをクリックします。
- 「AudioSource」を検索して追加します。
- AudioClipを設定
- AudioSourceの「AudioClip」欄に、再生したい効果音ファイルをドラッグ&ドロップします。
- 「Play On Awake」のチェックを外してください。
- Prefabとして保存
- 「AudioPrefab」をHierarchyウィンドウからProjectウィンドウにドラッグ&ドロップし、Prefabとして保存します。
Step 2: スクリプトを作成する
次に、Prefabを呼び出して効果音を再生するスクリプトを作成します。
- スクリプト1: AudioPrefabの動作を管理するスクリプト
using UnityEngine;
public class Audio_Play : MonoBehaviour
{
private AudioSource audioSource; // AudioSourceを取得
bool isAudioPlaying = false; // 再生中の判定
void Start()
{
audioSource = GetComponent<AudioSource>();
audioSource.Play(); // 効果音を再生
isAudioPlaying = true; // 再生中フラグを設定
}
void Update()
{
if (!audioSource.isPlaying && isAudioPlaying)
{
Destroy(gameObject); // 効果音再生後にオブジェクトを削除
}
}
}
- スクリプト2: 効果音を再生するトリガー用スクリプト
using UnityEngine;
public class Play_Audio : MonoBehaviour
{
public GameObject audioPrefab; // AudioPrefabを参照
void OnCollisionEnter(Collision collision)
{
Instantiate(audioPrefab, transform.position, transform.rotation); // 効果音Prefabを生成
Destroy(gameObject); // 元のオブジェクトを破壊
}
}
Step 3: シーンで動作を確認する
- 破壊対象のオブジェクトに「Play_Audio」スクリプトをアタッチします。
- 「AudioPrefab」を「Play_Audio」スクリプトの
audioPrefab
欄にドラッグ&ドロップします。 - ゲームを実行して、オブジェクトが破壊されたタイミングで効果音が再生されるか確認してください。
この方法のポイント
- 効果音が再生されるオブジェクト(Prefab)を別に用意することで、元のオブジェクトの破壊タイミングに影響されず、確実に音を鳴らせます。
- 効果音の再生後にPrefab自体も自動で削除されるため、ゲーム内に不要なオブジェクトが残る心配がありません。

次は、さらにシンプルな方法で効果音を再生できる「PlayClipAtPoint」メソッドを使った解決策を紹介します!
4. 解決策②:PlayClipAtPointメソッドを使用
もうひとつの方法は、Unityが提供する**PlayClipAtPoint
メソッド**を使う方法です。このメソッドを使うと、AudioSource
コンポーネントをわざわざ準備する必要がなく、特定の位置で簡単に効果音を再生できます。手軽でシンプルな方法なので、初心者にもおすすめです!
Step 1: PlayClipAtPointの基本を理解する
PlayClipAtPoint
メソッドは、指定した位置に一時的なAudioSource
を作成して効果音を再生します。これにより、オブジェクトの破壊タイミングに影響されず音を鳴らすことが可能です。メソッドの形式は以下の通りです:
AudioSource.PlayClipAtPoint(AudioClip clip, Vector3 position);
clip
: 再生したい音声ファイル(AudioClip
)。position
: 再生する位置(Vector3
形式)。
Step 2: AudioClipの準備
- AudioClipを用意する
再生したい効果音ファイル(.wavや.mp3)をUnityのAssets
フォルダにドラッグ&ドロップします。 - モノラル音源を使用する
3D空間での定位を正しく機能させるため、モノラル形式のオーディオファイルを使うのがおすすめです。
Step 3: スクリプトを作成する
以下はPlayClipAtPoint
を使ったシンプルなスクリプトの例です。
using UnityEngine;
public class Play_Audio_AtPoint : MonoBehaviour
{
public AudioClip myClip; // 再生するAudioClip
void OnCollisionEnter(Collision collision)
{
// オブジェクトが衝突した位置で効果音を再生
AudioSource.PlayClipAtPoint(myClip, transform.position);
// 衝突したオブジェクトを破壊
Destroy(gameObject);
}
}
Step 4: スクリプトをオブジェクトにアタッチ
- 効果音を再生したいオブジェクトに上記のスクリプトをアタッチします。
- Inspectorウィンドウで
myClip
欄に再生したいオーディオファイルをドラッグ&ドロップします。
Step 5: 動作を確認
- シーンで、効果音を再生するオブジェクトを用意します(例えば、敵キャラやアイテム)。
- ゲームを実行し、オブジェクトが破壊されたタイミングで効果音が正しく再生されることを確認します。
PlayClipAtPointを使うメリット
- 手軽さ:
AudioSource
コンポーネントを個別に設定する必要がない。 - 一時的な音声再生: メソッドが内部的に一時的な
AudioSource
を作成して自動的に削除してくれるため、管理が簡単。 - 柔軟性: どこでも音を再生できるため、環境音や短い効果音に適している。
注意点
- 音の重複に注意
同時に複数のPlayClipAtPoint
を使用すると、音が重なって聞き取りづらくなる場合があります。効果音の種類や再生頻度に注意してください。 - 音量の調整
PlayClipAtPoint
では音量の指定ができません。音量を調整する場合は、事前にAudioClip
の音量を編集しておきましょう。

PlayClipAtPoint
は簡単で便利な方法ですが、多用しすぎると音の重なりやパフォーマンスに影響が出る可能性があります。適材適所で活用し、効果音を効果的に取り入れてみてください!
まとめ
Unityでオブジェクト破壊時に効果音を再生することで、ゲームのクオリティは大きく向上します。今回紹介した2つの方法は、どちらも初心者でも簡単に実装できるので、ぜひ試してみてください!
- Prefabを使った方法では、オーディオ専用のPrefabを作成して確実に音を再生できます。破壊されるオブジェクトとは別に管理できるため、音が鳴らないトラブルを避けたい場合におすすめです。
- PlayClipAtPointメソッドは、手軽に音を鳴らせる方法で、特定の位置で音を再生したいときに非常に便利です。一時的に
AudioSource
を生成してくれるため、管理も簡単です。
どちらの方法もゲームの没入感を高めるのに役立つので、自分のプロジェクトに合ったものを選んでください!
おすすめのアセット
効果音を使いこなすには、クオリティの高いオーディオ素材を手に入れることも重要です。Unity Asset Storeには、素晴らしい音素材がたくさん揃っています。以下の3つは特におすすめです!
- Ultimate Game Sounds
初心者にも使いやすい、ゲーム用効果音が1000種類以上収録されています。爆発音やアイテム取得音など、幅広いジャンルの音が揃っているので、どんなゲームにも対応できます。👉 Ultimate Game Soundsをチェックする - Ambient Sounds Pack
環境音に特化した音素材集です。3D空間での音の広がりを生かしたデザインが可能になり、シーンのリアルさをアップできます。特にアドベンチャーゲームやホラーゲームに最適です。👉 Ambient Sounds Packを見てみる - Cinematic Sounds発、衝突音、壮大な音楽など、ハイクオリティな素材が詰まっています。プレイヤーに印象的な体験を提供できます。👉 Cinematic Sounds を購入する
これらのアセットを使えば、あなたのゲームにピッタリな効果音がすぐに手に入ります。手軽にプロフェッショナルなサウンドを取り入れられるので、ぜひ一度チェックしてみてくださいね!
ゲームをもっと魅力的にするために、この記事で紹介した方法やアセットを活用して、理想の効果音を作り上げましょう!頑張ってください! 🎮✨
どうして効果音が鳴らないの?
オブジェクトを破棄すると、そのオブジェクトに付いているすべてのコンポーネントも一緒に破棄されます。AudioSourceコンポーネントも例外ではありません。オブジェクトが消える瞬間に効果音を鳴らそうとしても、AudioSourceが一緒に消えてしまうため、音が鳴らないのです。
解決策1:別のオブジェクトを用意する
破壊するオブジェクトとは別にaudiosourceのついているオブジェクトを作成して、Destroyの直前にInstantiateして効果音が鳴らないという問題を解決します。
audiosourceのついたprefabを用意します。AudioClipを設定して、PlayOnAwakeのチェックを外しておきます。

using UnityEngine;
using UnityEngine.UI;
public class Audio_Play : MonoBehaviour
{
private AudioSource Audio;//AudioSourceを入れる
bool isAudioPlay = false; //再生中かどうかの判定
void Start()
{
Audio = GetComponent<AudioSource>();//AudioSourceの取得
Audio.Play();//AudioSourceを再生
isAudioPlay = true;//効果音の再生を判定
}
void Update()
{
if (!Audio.isPlaying && isAudioPlay)
//曲が再生されていない時、効果音が再生されている時
{
Destroy(gameObject);//オブジェクトを消す
}
}
}
破壊されるオブジェクトにスクリプトをアタッチします。
using UnityEngine;
using UnityEngine.UI;
public class Play_Audio : MonoBehaviour
{
public GameObject Audio_Obj;
void OnCollisionEnter(Collision collision)
{
Instantiate(Audio_Obj, transform.position, transform.rotation);
Destroy(gameObject);
}
}
解決策2:PlayClipAtPointメゾットを使用する
PlayClipAtPointメソッドは、Unityでサウンドエフェクトを特定の位置で再生する際に非常に便利です。このメソッドを使うことで、スクリプトから直接、任意の位置でオーディオクリップを再生できます。特に、環境音や一時的な効果音に適しています。
- オーディオクリップの準備: まず、再生したいオーディオクリップを用意します。これはUnityエディタ内のProjectウィンドウで行います。
- スクリプトの記述: PlayClipAtPointメソッドを呼び出すスクリプトを書きます。このメソッドはAudioSourceコンポーネントがなくても使用できます。例えば、以下のように書くことができます
// オーディオクリップの変数
public AudioClip myClip;
// 特定の位置でオーディオクリップを再生するメソッド
void PlaySoundAtPosition(Vector3 position)
{
AudioSource.PlayClipAtPoint(myClip, position);
}
ゲーム内で特定のイベントが発生したときに、PlaySoundAtPositionメソッドを呼び出します。例えば、オブジェクトが衝突した時、このメソッドを呼び出して音を再生できます。
void OnCollisionEnter2D(Collision2D other)
{
if( other.gameObject.tag == "Enemy" )
{
// 例:特定の位置で音を再生
PlaySoundAtPosition(transform.position);
// オブジェクトを破棄
Destroy(gameObject);
}
}
PlayClipAtPointは一時的なAudioSourceを作成してその場で音を再生するため、使い終わった後の片付けを心配する必要がありません。
ただし、多用すると同時に多くの音が再生されることに注意が必要です。音が重なり合って聞こえにくくなることがあります。また、3D音響効果を活かすためには、ステレオではなくモノラルのオーディオクリップを使用することをお勧めします。
まとめ
これでオブジェクトが破棄される瞬間に効果音が確実に鳴るようになります!これらの方法を使うことで、AudioSourceが一緒に破棄される問題を簡単に解決できます。ぜひ試してみてください。
よくある質問
Q: 効果音が途中で途切れてしまいます。どうすればいいですか?
A: PlayClipAtPoint
メソッドを使用する場合、通常は効果音が途中で途切れることはありません。もし問題が続く場合は、効果音のAudioClipに問題がないか確認してください。
Q: 効果音を複数のオブジェクトで使いたい場合はどうすればいいですか?
A: 同じスクリプトを他のオブジェクトにもアタッチすることで、同じ効果音を複数のオブジェクトで使用できます。また、スクリプト内のAudioClipを変更することで、異なる効果音も設定できます。
Q: スクリプトを使わずに効果音を鳴らす方法はありますか?
A: スクリプトを使わずに効果音を鳴らす方法として、オブジェクトが破棄される前にAudioSourceコンポーネントだけを別のオブジェクトに移す方法がありますが、スクリプトを使う方法が最も簡単で確実です。