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UnityでInstantiateしたオブジェクトのScaleが変わる原因と解決法

Unity

導入文(Introduction)

UnityでInstantiateを使うと、簡単にゲームオブジェクトを生成できますよね。
でも、生成したオブジェクトの大きさ(Scale)が意図せず変わってしまうことってありませんか?

親オブジェクトの影響やPrefabの設定ミスなど、原因が複数あるため、一見すると原因特定が難しいことも。この記事では、こうしたScaleの問題を解決する具体的な方法を分かりやすく解説します!

コード例も交えて解説するので、すぐに実践できますよ。ぜひ最後まで読んで、悩みをスッキリ解消しましょう!



1. Scaleが変わる原因を簡単に把握しよう

Instantiateを使ってオブジェクトを生成するとき、想定外に大きさ(Scale)が変わることがあります。特に初心者の方にとって、「なぜ?」と思うことが多い部分ですよね。でも、原因を理解すれば、解決はとても簡単です。ここでは、主な3つの原因を紹介します。


親オブジェクトの影響

生成されたオブジェクトが、どこに配置されるかが大きなポイントです。特に、親オブジェクトが設定されている場合、その親のScaleが子オブジェクトに影響します。たとえば、次のような状況を考えてみましょう。

  • 親オブジェクトのScaleが2,2,2の場合、子オブジェクトも自動的に2倍のサイズになります。
  • 親オブジェクトが0.5,0.5,0.5なら、子も半分のサイズに。

重要ポイント
Unityでは、親オブジェクトと子オブジェクトの関係が密接です。親のTransform設定は、そのまま子に引き継がれるため、意図しないサイズ変更が起こることがあります。


Prefabの設定ミス

Prefab自体の設定が意図と異なる場合も、問題の原因になります。Prefabとは、Unityでオブジェクトのテンプレートのようなものです。以下の点を確認してください。

  • PrefabのScaleが適切か?
    • 例えば、PrefabのScaleが1,1,1以外の場合、生成されたオブジェクトもそのScaleを引き継ぎます。

具体例
PrefabのScaleが2,2,2に設定されていると、Instantiateで生成されたオブジェクトも自動的に2倍のサイズになります。この設定ミスに気づかないと、生成したオブジェクトが大きすぎたり、小さすぎたりします。


スクリプトでの意図しない変更

スクリプトでInstantiateした後に、意図せずScaleを変更してしまうケースもあります。特に以下のようなコードが含まれている場合、問題の原因になります。

GameObject newObject = Instantiate(prefab);
newObject.transform.localScale *= 2; // ここで意図せずサイズを変更!

注意点

  • チームで開発している場合、他のスクリプトで自動的にScaleを変更する処理が組み込まれていることがあります。
  • 特に再利用するPrefabでは、こうした変更が積み重なると意図しない挙動が発生しがちです。

ここまで挙げた3つの原因を知るだけでも、問題解決の糸口が見えてきます。このあと、具体的な解決方法を解説するので、ぜひ試してみてください!



2. 解決策

親オブジェクトのScaleをリセットする

生成するオブジェクトが親オブジェクトの影響を受ける場合、親のScaleをリセットするのが最も簡単な方法です。親オブジェクトのlocalScaleVector3.oneに設定することで、子オブジェクトに不要なスケールの影響が及ばなくなります。

コード例

void Start() {
GameObject parentObject = new GameObject("Parent");
parentObject.transform.localScale = Vector3.one; // 親オブジェクトのScaleをリセット

GameObject newObject = Instantiate(prefab, parentObject.transform);
}

ポイント: 親オブジェクトを新しく作成する場合は、生成前に必ずlocalScaleをリセットしておきましょう。


Instantiate後にScaleをリセットする

親オブジェクトに依存しない場合や、生成後に強制的にオブジェクトの大きさを統一したい場合は、Instantiate直後にScaleをリセットします。

コード例

void Start() {
GameObject newObject = Instantiate(prefab);
newObject.transform.localScale = Vector3.one; // 生成後にScaleをリセット
}

ポイント: 生成直後にtransform.localScaleを明示的に設定することで、確実に大きさを統一できます。


Prefabの適切な設定を確認する

Prefabの設定そのものに問題がある場合、事前に修正しておくことが重要です。Prefabは、生成時にその設定を引き継ぐため、意図しないScaleが設定されていると問題の原因になります。

手順

  1. Prefabを確認
    プロジェクトウィンドウでPrefabを右クリックし、「Open Prefab」を選択。
  2. TransformのScaleを確認
    インスペクターでTransformコンポーネントを確認し、Scaleが1,1,1になっていることを確認します。
  3. 設定を保存
    必要な修正を行った後、Ctrl+S(MacではCmd+S)で保存します。

ポイント: Prefabを編集しておくと、後々の生成処理がスムーズになります。


どれを選ぶべき?

  • 親オブジェクトの影響を避けたい場合: 「親オブジェクトのScaleをリセットする」を選択。
  • 生成後に一律で大きさを統一したい場合: 「Instantiate後にScaleをリセットする」を使用。
  • Prefab自体に問題がある場合: 「Prefabの適切な設定を確認する」を優先。

この手順を使えば、さまざまな状況でオブジェクトのScale問題を簡単に解決できます!



実践コードで解決

ここでは、先ほど説明した解決法を実際のコードで確認しましょう。初心者でもそのままコピー&ペーストで使えるように、コメントをつけて分かりやすく説明します。


1. 親オブジェクトのScaleをリセットしてからInstantiateする場合

このコードは、親オブジェクトの影響を避けるために、親のScaleをリセットしてからオブジェクトを生成する方法です。

using UnityEngine;

public class InstantiateExample : MonoBehaviour
{
    public GameObject prefab; // 生成するPrefabをInspectorで指定

    void Start()
    {
        // 親オブジェクトを新規作成し、Scaleをリセット
        GameObject parentObject = new GameObject("Parent");
        parentObject.transform.localScale = Vector3.one; // 親の大きさをリセット

        // 親オブジェクトの下にPrefabを生成
        GameObject newObject = Instantiate(prefab, parentObject.transform);

        // デバッグログで確認
        Debug.Log($"生成されたオブジェクトのScale: {newObject.transform.localScale}");
    }
}

ポイント

  • Vector3.oneを使って、親オブジェクトのScaleをリセットします。
  • 生成されたオブジェクトが親オブジェクトのScaleの影響を受けません。

2. Instantiateした後に直接Scaleをリセットする場合

このコードは、親オブジェクトを使用しない場合や、生成後にサイズをリセットしたい場合に使えます。

using UnityEngine;

public class InstantiateScaleReset : MonoBehaviour
{
    public GameObject prefab; // 生成するPrefabをInspectorで指定

    void Start()
    {
        // Prefabを生成
        GameObject newObject = Instantiate(prefab);

        // 生成後にScaleをリセット
        newObject.transform.localScale = Vector3.one;

        // デバッグログで確認
        Debug.Log($"生成後にリセットされたオブジェクトのScale: {newObject.transform.localScale}");
    }
}

ポイント

  • Instantiate直後にnewObject.transform.localScale = Vector3.one;を追加するだけで簡単に解決できます。
  • 他のコードとの干渉を防ぐため、明示的にScaleを指定するのが安全です。

3. 親オブジェクトと生成後リセットを組み合わせた例

親オブジェクトを使用しながら、生成後も念のためにScaleをリセットする、完全版の例です。

using UnityEngine;

public class CompleteInstantiateSolution : MonoBehaviour
{
    public GameObject prefab; // 生成するPrefabをInspectorで指定

    void Start()
    {
        // 親オブジェクトを作成してScaleをリセット
        GameObject parentObject = new GameObject("Parent");
        parentObject.transform.localScale = Vector3.one;

        // 親オブジェクトの下にPrefabを生成
        GameObject newObject = Instantiate(prefab, parentObject.transform);

        // 念のため生成後にもScaleをリセット
        newObject.transform.localScale = Vector3.one;

        // デバッグログで確認
        Debug.Log($"最終的なオブジェクトのScale: {newObject.transform.localScale}");
    }
}

ポイント

  • 親オブジェクトの影響を排除しつつ、生成後のリセットも行い、万全の対策を施します。
  • チーム開発や動的に親子関係を変更するシーンに特に適しています。

実行結果(Unityコンソール例)

上記のコードを使って実行すると、以下のような結果がコンソールに出力されます。

生成されたオブジェクトのScale: (1.0, 1.0, 1.0)
生成後にリセットされたオブジェクトのScale: (1.0, 1.0, 1.0)
最終的なオブジェクトのScale: (1.0, 1.0, 1.0)

これで、意図しないScale変更の問題が確実に解消できます!


このコードを実際に試してみて、自分のプロジェクトに合わせて調整してみてください!



まとめ

Instantiateでオブジェクトを生成したときに大きさが変わる問題は、親オブジェクトのScale、Prefabの設定、スクリプトの管理という3つのポイントを押さえるだけで簡単に解決できます。特に、親オブジェクトの影響を排除することや、生成後にScaleをリセットするコードは、どんなプロジェクトでも役立つ基本的なテクニックです。

問題を正しく理解し、この記事で紹介した解決策を実践することで、意図通りのオブジェクトを生成できるようになります。ぜひ自分のプロジェクトに取り入れて、スムーズなゲーム開発を楽しんでください!



よくある質問(FAQ)

Q
PrefabのScale設定はどこで確認できますか?
A

プロジェクトウィンドウでPrefabを選択し、インスペクターのTransformコンポーネントを確認してください。

Q
親オブジェクトが動的に変更される場合、どう対応すればいいですか?
A

親オブジェクトを動的に生成する際は、生成時にlocalScale = Vector3.oneでリセットするコードを加えてください。

Q
なぜScaleの問題が起きるのですか?
A

Unityでは、子オブジェクトが親オブジェクトのTransform設定を引き継ぐためです。これを防ぐには、親子関係やPrefabの設定を適切に管理する必要があります。